「児童扶養手当法の一部を改正する法律案」について質問しました。
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参議院厚生労働委員会
2010年5月25日
自由民主党・改革クラブ 石井みどり
○石井みどり 自由民主党の石井みどりでございます。
それでは、法案に関して御質問をしていきたいと存じます。
昨年の11月13日に厚生労働省が、子供がいる現役世帯の世帯員の相対的貧困率を公表されました。それによりますと、2000年代半ばにおける日本の一人親世帯、大人が一人で子供がいる現役世帯、世帯主が18歳以上65歳未満の世帯の貧困率は58.7%であり、この割合はOECD30か国中で最下位であります。OECD平均は30.8%であります。
日本の一人親世帯の貧困率が非常に高くなっている理由をお聞かせいただけますでしょうか。大臣、お願いします。
○長妻厚労大臣 この相対的貧困率について公表させていただき、今おっしゃっていただいたのは、大人が一人の子供がいる現役世帯の相対的貧困率、OECD30か国中最下位ということで、非常に相対的に貧困であるということでございます。
これについてはいろいろな要因があろうかと思いますけれども、やはりまずは、一人親という方が、就労の制約もありますし、なかなかお給料が高い仕事が就きにくいと、こういうようなことが一つの要因としてあるんではないか。そしてもう一つについては、お子さんがいらっしゃるというようなことで、これは一人親のみならず子供がいる世帯の貧困率も日本は高いわけでございますので、子供に掛ける国の、あるいは自治体の支援というのがほかの先進国に比べると弱いんではないかというようなことが原因ではなかろうかと思っているところであります。
いずれにいたしましても、まずは就労を支えるということ、そして家計を支援するということが重要でございますので、我々、今回のお願いしている法案もその一つでございますけれども、今後とも取組を続けてまいります。
○石井みどり それでは、母子家庭等に対する支援は、平成14年の母子及び寡婦福祉法、児童扶養手当法の改正により、児童扶養手当中心の支援から就業、自立に向けた総合的な支援へと転換されたところではありますが、現在の母子家庭等の自立支援策の概要をお教えいただけますでしょうか。
○長妻厚労大臣 母子家庭に対する自立支援策ということでございますけれども、主にこの4本柱がありますが、一つは、子育て・生活支援策ということで、これは保育所の優先入所や家事を手伝うヘルパーの派遣等々です。2番目は、就労支援策としまして、これは母子家庭等就業・自立支援センターというところで御相談に乗る。そして、ハローワーク、これはマザーズハローワーク、母子家庭のみならずお母様の就労一般もハローワークで担っておりますけれども、それに関連する資格や技能の取得支援。そして3番目としては、養育費確保策ということで、これはなかなか別れた相手が養育費を払わないということがございますので、養育費相談支援センターというところなどを活用して相談に乗り、情報提供をさせていただく。そして4番目は、経済的支援策ということで、今御議論いただいている法案あるいは母子寡婦福祉貸付金、この四本柱で自立を支援するという政策を今取っております。
○石井みどり 今、母子家庭等への自立支援策を伺ったんですが、この母子家庭等に対する自立支援策のうち父子家庭を対象としているものはどの施策でしょうか。そして、父子家庭を対象としている理由も併せてお教えいただけますでしょうか。
○長妻厚労大臣 今申し上げました中で、就業支援の中で母子家庭等就業・自立支援センター事業、これはネーミングは母子家庭ですけれども、こちらについては父子家庭についても一部対象となっているところであります。さらに、経済的支援の中で、まさに今法案をお願いをしているところについてはこの法案が成立すれば父子にも対象になるということでございますが、それ以外の多くの施策についてはやはり母子家庭のみというようなものも多いわけでございますので、我々といたしましても、父子家庭と母子家庭、その違いが合理的なのかどうかということについては今後とも検証をしていくということであります。
○石井みどり 今般の児童扶養手当法の一部を改正する法律案では、母子家庭の母に加えて、母と生計を同じくしていない児童を監護し、かつ、これと生計を同じくしている児童の父を新たに児童扶養手当法の支給対象とすることとしておりますが、今回新たに父子家庭の父を児童扶養手当の支給対象とした理由をお教えください。
○長妻厚労大臣 これについては、一つは、これまでも市町村会あるいは各市長会などからも御要望があり、NPO団体も含めて御要望が強いということ。
そしてもう一つは、国としても、全国母子世帯等調査というものでありますが、そういう調査をしてどういう御苦労があるのかというのを現状把握をしております。その中で、これまでは父子家庭は家事が大変であるというのが一番のお悩みだったわけでありますが、平成18年度以降は家計が大変であるというような形になっている。つまり、母子家庭と同じ悩みというようなことがある。そして、年収につきましても、母子家庭、父子家庭比べると父子家庭の方が高いは高いわけでありますけれども、ただ、その平均の年収の中でも一定程度の低い年収の方が大変多いというようなことにかんがみ、今回この法案を提出しました。
それと、選挙前に民主党がお示しをしたマニフェストにもこの項目を入れさせていただいておりますので、そのマニフェストを果たしていくということも理由としてございます。
○石井みどり 今、父子家庭も従来は家事援助のサービスを一番求めていたけれども、非常に経済的な理由も強くなっているという御説明でありましたが、平成18年度母子世帯等調査によると、母子家庭の平均年間収入213万円であるのに対して、父子家庭の平均年間収入が421万円でありまして、これは208万円もの差があります。年間の就労収入の分布差にもかなり差が出ています。
今、もちろん大臣がおっしゃったように、父子家庭にも非常に経済的な困窮家庭が増えているところではありますが、やはり母子家庭と父子家庭では経済的には構造的な非常に差があると。差異があるにもかかわらず、単純に父子家庭を児童扶養手当の対象とすることが妥当であるんでしょうか。そこをお聞かせください。
○長妻厚労大臣 これは金額だけの話ではございませんで、金額だけ見ても、今おっしゃられたものが平均でございますけれども、年間就労収入が300万円未満の父子家庭の割合は37.2%、4割近くあるということで、平均は母子家庭よりも高いわけでありますが、その中でもそういう御家庭もあるということ。
そしてもう一つ、母子家庭、父子家庭、同じように一人親ということでございますので、それで働きながらお子さんを育てると、こういう非常に精神的にも肉体的にも大変な状況にあるというようなことで、当然、日々のお買物あるいは食事をどう作っていくのか等々、これは一人親でない家庭に比べますと、そういう意味でのいろいろな御苦労ということもかんがみ、当然、政府あるいは自治体では支援策というのはございますけれども、その支援策の4本柱目である経済的支援ということについても母子と同様に父子の家庭にもお支払いするということが適切ではなかろうかというようなことで、内閣全体、政府全体でも財政当局とも相談をいたしまして今回、法案を提出させていただいております。
○石井みどり 大臣おっしゃいますように、母子家庭の母と同様に父子家庭の父も仕事をしながら子育てをしなければいけない、両立というところで大変お困りになっていることも多いわけでございますが、やはり父子家庭の父親が子育てをしながら安定した家庭生活を送ることができるように、そしてすべての子供が健やかに育つことができるように支援を行うことが必要であるということは言うまでもないと思いますが、平成18年度の、先ほど申し上げた全国母子世帯等調査によりますと、父子家庭が困っていることの内訳の1位が、以前は家事でありましたが、今回、母子家庭同様に家計となっております。この調査によりますと、相談相手のいない父子世帯の割合が40.6%ともなっています。父子家庭に対する児童扶養手当以外の支援策についても充実させる必要があるのではないかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○長妻厚労大臣 やはり、一番重要なことの一つは、機会の平等を確保する、機会の平等を後押ししていくということで、一人親の御家庭に育ったお子さんが著しく機会の平等が損なわれるというのは、これは国にとっても大きな損失であるというふうに考えているところであります。
その中で、父子家庭を対象にしている支援策については、これはまだまだ不十分だというふうに認識しておりますので拡充を図っていく必要があるということで、この度、この法案提出を機に、これまでは母子家庭だけに支援策としてございました生活一般の相談を行う母子自立支援員という相談員について、これは父子家庭についても訪問をして相談に乗ると、こういうような形を実施させていただこうと。あるいは、各地にあります母子福祉センターという相談窓口、母子家庭の相談窓口がございますけれども、これについては父子家庭の利用というのはできませんでしたが、これについても利用をするようにしていきましょうというようなことを実施をさせていただこうと考えております。
そして、何よりも就労支援ということ、安定的な職に就いていただくということで、特に専門資格、例えば看護師さん、あるいは保育士あるいは介護福祉士、こういう専門の資格を取るいろいろ経費も含めて御支援をして、資格を取っていただいて安定的な仕事に就いていただくなどなどの支援、これは今もやっておりますけれども、これについて更に拡充する必要があると考えております。
○石井みどり なるべく母子家庭と同様に父子家庭も手厚い支援をお願いしたいところでありますが、経済的支援である児童扶養手当の対象に父子家庭を今回加えるのであれば、児童扶養手当同様に、母子家庭の経済的支援である母子寡婦福祉貸付金についても同様に父子家庭をも対象にするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○長妻厚労大臣 今の貸付金につきましては、これは母子家庭ということで、一般的に父子家庭に比べますと、それは一つ一つの御家庭で異なる御事情がある場合も多いわけでありますけれども、一般的には女性は働いておられない方が働かざるを得なくなるケースもありましょうし、あるいは結婚等で一時的に職を離れている女性が働くということもございましょう。男性は一般的には働いておられる、あるいは職を変わっているにせよ当初から働いておられる方が多いんではないかというようなこの差にかんがみて、今の時点で母子世帯ということで判断させていただいているところであります。
なお、父子家庭については、これ各都道府県の社会福祉協議会が実施している生活福祉貸付事業、この利用については可能でございますので、こういう利用が可能であるということについても周知徹底をさせていきたいというふうに考えています。
○石井みどり 今おっしゃった社協の生活福祉資金貸付事業でありますが、これの利用状況が分かればお教えください。分からなければ、後日、委員長、また教えていただけることをお願いしたいと存じます。いかがでしょうか。
○長妻厚労大臣 生活福祉貸付制度のお話でございますけれども、これについて、対象者、低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯ということが対象になっておりますけれども、恐らく今のお尋ねは父子家庭がどのくらい利用しているのかということでございましょう。これについて今データがないわけでございますので、地方自治体、社会福祉協議会にお願いをして、そのデータを収集をするとすればどういう方法が、できる限り御負担を掛けないで収集できる方法というのを検討していきたいというふうに考えております。
○石井みどり 利用状況のデータがないということでありますが、先ほど来、今回のこの児童扶養手当に父子家庭の父も加えるのは経済的理由が大きいんだということであれば、やはりこういう貸付金のデータ、基礎情報だと思いますので、是非調査をして本委員会の方に御報告をいただきたいと思いますが、委員長、取り計らい、よろしくお願い申し上げます。
○柳田厚労委員長 ただいまの件につきましては後刻理事会で協議をいたします。
○石井みどり それでは、今回の改正により父子家庭の父も児童扶養手当の支給対象となりましたが、これによって児童扶養手当というのは要は一人親家庭に対する経済的支援となるわけであります。その一方で、片親ではなくても、一人親ではなくても、経済的に困窮している家庭もたくさん存在するわけであります。その公平性についてはどのようにお考えになられますでしょうか、大臣。
○長妻厚労大臣 これは、子供の貧困率というのも日本は非常に先進国の中でも高いわけでございまして、まさにそのお尋ねは、何とか我々も低所得の御家庭についていろいろなサポートをしなければならないと、何よりも、繰り返しですけれども、お子さんの機会の平等を後押ししていくと、こういうことも社会保障の非常に重要な役割でございますので、これについては、一つは、子ども手当ということについてもそれは一つの支えになるんではないか。これは控除から手当へということで、若年者控除をなくしますので、年収の高い方についてはその減る分が、減る分というか税金が増える分が大きくなるわけで、子ども手当の手取りと差引きすると年収の低い方、一番満額差引きで受け取る方は税金を払っておられない低所得者の方に手厚く行くと、こういう制度設計にもなっておりますので、そういうものの支援あるいは就労支援等々については従来の施策を更に強化をしていきたい。
ただ、そういう御家庭にも児童扶養手当を支払ったらどうかというお尋ねの趣旨であるとすれば、やはり一人親と御両親がおられるということについては、やはり家事の御家庭での負担、あるいはお子さんをどう育てるかの負担、あるいは精神的支え、そういうことも考えると、より一人親世帯の方が一般論としては大変な状況に置かれているんではないかということで、この児童扶養手当というのを一人親に限らせていただいているということであります。
○石井みどり 一方で、大変モラルハザードといいますか、不正受給の問題もあろうかと思います。偽装離婚による手当の受給や、あるいは事実婚状態であるにもかかわらず手当を受給されるということは、これはよく見られることだろうと思います。
私は臨床医をしておりましたときに、母子家庭ということであってもお父さんが付いてきているなというのは結構ございましたので、やはりこういう不正受給の存在というのはそれほどレアではなかろう。やはり、こういうことに関しても公平性という観点からいってきちんとただしていく必要があるかと思いますが、この不正受給の現状における実態がどのようなことになっているのか、お教えいただけますでしょうか。
○長妻厚労大臣 まず、国の指導監査結果、平成20年度でありますけれども、母の婚姻により過払いされた件数の割合は、受給者のうち0.2%というようなことになっているところであります。あるいは、国がサンプル的に百自治体を調査した実績では、児童扶養手当が過払いされた件数の割合は、平成20年度で受給者のうちの0.4%というようなことでございます。
いずれにいたしましても、やはり不正と知りながら書類あるいは要件を偽って申請して不正にお金を受け取るというのは、これは犯罪でございますので、私は、犯罪はもちろんすべて悪いわけでありますが、特に社会保障についての、あるいは生活保護も含めて、そういうものの不正受給というのはこれはもう大変問題だと思っております。なぜならば、まじめに受給されている方もそういう目で見られてしまう危険性があるということで、これについては我々は非常に心に留めてというか、怠りなきようにきちっとチェックをしていきたいというふうに考えております。
○石井みどり 今おっしゃったように、やはり今ディボースする、離婚する家庭が増えておりますので、複数のお子さんがおられて、それぞれを監護しているというようなお子さんが同一世帯でないという場合は、ディボースした後、父、母それぞれが手当を受給するということも制度的には可能になるんではないかと思いますので、是非、今大臣がおっしゃったような、そういうやはり不正受給に対してはただすべきはただしていただきたい、その対策をきちんと取っていただきたいと思います。
そして一方、私の周りで見聞きする、非常に多いんですね、収入が多い、離婚された後の子供を監護されている母親の収入が多い少ないにかかわらず、ほとんど養育費を受け取ってないという方が圧倒的に多いんですね。やはり、母子家庭の自立とか、あるいは経済的な安定を図るためには、やはり当然父親からの養育費を、これを確保するということが大変重要であると思います。離別後、子供を監護してない親からの養育費の支払状況の実態、あるいは養育費をどう確保していくかということに向けての政府の対策あるいは取組についてお伺いしたいと存じます。
○長妻厚労大臣 今おっしゃっていただいた点ですけれども、平成18年の調査がございますが、母子家庭のうち一度も養育費を受け取ったことのない母子家庭は59.1%ということで、6割もの家庭が養育費を受け取っていないというようなことでありますが、当然、その理由の中には相手とかかわりたくないということや、相手に支払う意思や能力がないと思って初めから請求しないという理由もありますけれども、ただ、これ自体について全体の仕組みというか、それを払っていただけるような払う能力のある方についてはそういう取組が必要だという御指摘はそのとおりだと思います。
私どもとしましても、養育費相談支援センターというものについて、これは自治体、全国106か所でありますけれども、これを設置をして、我々も支援をさせていただいておりまして、そこに平成21年度は相談が5162件あったわけでありますけれども、そういう相談をきめ細かく対応をしていきたいと。そして、そういう相談の蓄積なども踏まえて、養育費の相場の金額を示した養育費の手引というのを地方自治体にも配付するなどして、お母様、母子家庭の方に、このくらいの方であればこういう金額というような目安というのもお示しするような取組をしております。
いずれにしましても、こういう支援があるということを周知徹底をこれからもしていきたいと思います。
○石井みどり 養育費に関しましては、日本の場合、協議離婚が多いですので、強制的に徴収するということが非常に難しいといいますか、ほとんど、私が見聞きする限りでは、金額そんなに多くなくても、そして父親は別の家庭を持って安定した家庭生活を営んでいるにもかかわらず養育費を払ってないケースはたくさん見聞きしますので、是非支援体制を充実させていただきたいと思います。
そして、平成15年の民事執行法改正によって、支払日が到来してないいわゆる将来分の養育費の差押えに関しまして、平成16年の民事執行法の改正によって間接強制ということができるというふうに変わったと思いますが、この利用状況はいかがでございましょうか。もし今データがなければ、後日お教えいただければと存じます。
○長妻厚労大臣 これについては、法務省にデータがあるということでございますので、後日まとめてそれを委員にお渡しをしたいと思います。
○石井みどり 是非よろしくお願い申し上げます。
民主党のマニフェストには、「5年以上の受給者等を対象に行っている児童扶養手当の減額制度を廃止する。」との記載がありました。今回の改正案にこの第14条4号の改正が盛り込まれていない理由をお聞かせください。
○長妻厚労大臣 これにつきましては、私どものマニフェストでも廃止ということを申し上げておりますので、これは1期4年の中で廃止をさせていただくということです。
今回の法案にこれが盛り込まれていないということについては、これは財政当局も含めた政府の中での議論がまだまだ尽くせなかったということが一つの要因となっております。
○石井みどり 大臣は、先ほども子ども手当のことがお答えになっておられますが、満額実施を本委員会においても御答弁を繰り返されています。22年度の手当額は、子ども手当に関しては半額の13000円であるにもかかわらず、財源の確保ができなくて、地方やあるいは事業主に負担を回してしまいました。
先日、枝野行政刷新担当大臣は、海外に子供が居住する在日外国人に対する子ども手当の支給については対応を間違った旨の発言をされています。本委員会におきましても、国内居住要件を付ければ済むだけではないかという御指摘を同僚の丸川委員もさせていただいたと思いますが、この点に関しまして我が自民党は、衆議院においても参議院においても再三問題があると指摘をしてきました。そして先般、ニュースで皆さんびっくりされたと思いますが、韓国人男性ですね、日本に居住されている、その方がタイで養子縁組をしたとして554人もの子ども手当の申請をされようとした。年これは8600万円であります。こういうようなことが起こり得ると御指摘をしたにもかかわらず、あのとき大臣はその条件を入れようとはされませんでした。
来年度以降の制度を検討するに当たって、今後どのように対応されるつもりでしょうか。
○長妻厚労大臣 これはかねてから申し上げておりますように、来年度、平成23年度以降については子供の居住要件を課す方向で検討していくということでありますが、この問題については、児童手当は御存じのように40年前に創設をされました。そして、30年前に国籍条項が時の政権によって撤廃をされたと。この理由としては、難民条約等々国際条約の流れで内国民待遇ということで差を付けないということで、30年前から同じ外国人の対応がずっとこれは続いてきたわけであります。
そのときに、子供の居住要件をいきなり課すとすれば、日本人の御両親が国内にいて海外にいる日本人、こういうお子さんもいらっしゃるわけでございまして、そういう方についても支給が停止になるということになりますので、これは不利益変更でもございますので、この1年間については周知徹底あるいは確認の厳格化ということで、年に2回は必ず会ってもらう、そして4か月に一遍は仕送りを確認をする等々厳格に確認をしていただいて、不明な点は厚生労働省にお問い合わせをいただくと、こういう対応を今年度は取るということを申し上げているところでございます。
○石井みどり 今おっしゃったような条件は、地方自治体の現場の事務が増えて大変な悲鳴を上げておられる自治体がたくさんあるというふうに聞き及んでおります。
この法案に関して最後の質問をさせていただきます。
この平成18年度の全国母子世帯等の調査におきましては、父子世帯が客体数はわずか199世帯であります。これは、およそ推計学とか統計学をやっておられる方、t検定とかカイ検定とかそういう、少なくともそういうことを御存じの方から見れば、この調査数、客体数は非常に恣意的な要件が入り、バイアスが掛かり過ぎると思うんですけれども、このデータでは非常に父子世帯の実態を把握することは難しいと思うんですね。また、国民生活基礎調査あるいは国勢調査からも父子世帯の実態の把握は困難というふうに聞いております。
やはり、父子世帯に対してきめ細やかな有効な支援を行っていくためには父子世帯の置かれた現状を正確に客観的に把握する必要があると思われますが、今後、この調査を正確性を期するためにどういうふうに改善をされるおつもりがあるのか、お聞かせください。
○長妻厚労大臣 例えば、全国母子世帯等調査というのを五年置きにやっておりますけれども、前回が平成18年度でございましたので、ちょうど23年度が5年目であります。今、非常にその調査を準備をする時期でございますので、今の御指摘も踏まえて、やはりこれからの時代、母子家庭のみならず、父子家庭の実態把握というのが今まで不十分だったということは我々も認めざるを得ませんので、それについて父子家庭の実態というのも、どういうふうにすればより把握をできるのか検討して、その検討結果が出次第、それを調査に反映させていきたいと思います。
○石井みどり 是非調査の正確性を期していただきたいと存じます。
法案審査もさることながら、国会がいよいよ会期末に近づいてまいりましたので、法案審査以外のことも少し御質問させていただきたいと思います。
まず、御存じのように、高齢社会に我が国は入りましたので、特に認知症対策というのは重要な政策課題だと思います。高齢化に伴って有病率が上昇しますし、患者さんの数は確実に増加してきています。
認知症の患者さんをめぐっては、一番大事なことは早期の鑑別診断であります。そのために、専門医による医療提供体制を確立すること、BPSDの対応、あるいは介護の問題、家族の負担、認知症の方の財産管理等、様々な課題がございます。また、認知症に付け込んだ高額な物品の販売、契約を結ばず、犯罪も横行しています。これは消費者問題としても今大変問題になっているところであります。
このように認知症は、疾患としての問題というよりもむしろ社会問題、様々な社会問題も併せて考えなくてはいけない。総合的な対策を行わなくてはいけないというふうに考えています。
そこでまず、今後の認知症対策についての総合的な対策を、大臣の基本的な御認識、見解をお聞かせいただきたいと存じます。
○長妻厚労大臣 これは、認知症というのは本当にこれから国を挙げて取り組まなければならない大きな課題だというのがまず大前提でございます。
そして、やはりこの基盤を整備していくということで、まずは施設の整備ということでございますけれども、これについて、グループホームというものについて、家庭的な雰囲気で、一定の少人数で、そこで過ごしていただくことで少しでもこれ進行を遅くする等々の取組ということについて一定の効果が上がっているという報告もございますので、しかしこの施設が足りないという問題もございます。そこで、我々としては、このグループホームと老健、特養などを合わせて8万ベッドでございますけれども、これについて3年間で16万ベッドを確保したいということの整備計画について今取り組んでいるところであります。
あるいは、在宅において介護を行っている御家庭については、ショートステイやデイサービスなどの在宅サービスを充実をさせていくと。あるいは見守り、配食などの生活支援サービス、あるいは地域包括支援センターの総合相談機能、こういうもの、あるいは認知症コールセンター、そういう機能を強化をしていきたいというふうに考えているところであります。
あるいは診療報酬改定においても、認知症患者の退院と在宅生活の移行に関して、退院時の加算を新設をする、あるいは地域の医療機関が専門医療機関と連携して認知症患者の管理を行うことに対する評価も新設するということで、診療報酬面からもサポートしていきたいと考えております。
○石井みどり 認知症の患者さんを抱えた家族の方の御苦労は大変なものがございます。特に、高齢者の方は非常に基礎疾患をお持ちですし、その疾患が急激に増悪したりとか、それから熱発であるとか、そういう変化は日常もう起こってしまうんですね。幾らでも起こり得るわけです。そのときにやはり認知症の患者さんの受療というところが大変な問題になってくるのは事実であります。
例えば、高齢者であれば、白内障、非常にこれが罹患している率は高い、そして手術も希望されるわけであります。一般の高齢者の方であれば、白内障の手術によって視覚を取り戻すということはごく当たり前のことですが、認知症の高齢者の方の場合、そういう普通の医療も受けられないという現状があるのは事実であります。そして、認知症というのは、やはり早期の診断とそして早期に発見することによって、適切な医療の関与によって日常生活の障害というかあるいは支障も、これも軽減することができるわけですね。そのためには、認知症患者の増加に対応して専門的医療の提供体制の一層の充実ということがまず求められると思います。そして、政府は、認知症疾患医療センター運営事業の拡大を図り、最低でも各都道府県一か所の整備を目指しているというふうに承っております。
専門的な医療の提供体制の構築ということは、これは喫緊の課題であることは言うまでもありません。このような中で、本年3月30日付けで認知症疾患運営事業実施要綱が改正されました。その改正の背景と経緯についてお伺いしたいと存じます。
○山井厚労政務官 石井委員にお答えを申し上げます。
今委員御指摘のように、認知症の方々そしてその御家族は、認知症のことのみならず、本当、御指摘のように、合併症になられたときに十分な医療が受けられないということで、自分たちは医療難民であるというようなこともおっしゃっておられます。そういう意味では、精神疾患を診ていただけると同時に合併症を診ていただける、そういう病院というのは今後非常に重要になってくると思います。
その趣旨で、認知症疾患医療センターは認知症疾患に関する地域の中核的な医療機関でありまして、平成20年度から国として予算を計上しておりますが、まず第一に、認知症かどうかの正確な診断などの専門医療機関としての機能が一つ目、二つ目には、地域包括支援センターと介護サービスとの連携を担う中核的機関としての機能、そして最後の三つ目に、住民への普及啓発、医療関係者への研修等を担う情報発信の機能が、この三つが重要であると考えております。
認知症患者が身体疾患にかかったり骨折などのけがをした際に総合的に適切に対応できる機能の整備が重要であることから、今年度から実施要綱を改正し、新たに精神科及び内科、外科の総合的な機能を有する基幹型センターを創設するとともに、このための予算を今までの地域型は600万円、そして基幹型は1000万円というふうにさせていただいて拡充したものであります。
○石井みどり 認知症疾患医療センターは、本年2月25日現在で全国66か所にとどまっています。政府は、最低でも各自治体一か所というふうにおっしゃっています。それから、目標としては都道府県、指定都市で約150か所とされています。この目標について、いつまでに実現されるんでしょうか。その工程表といいますか、現時点で結構ですので、実現の見通しについてお聞かせください。
○山井厚労政務官 お答えを申し上げます。
このセンターについては、現在24府県、7指定都市の70病院に設置されております。そして、平成22年3月に行った全国会議等においても各都道府県にまず最低一か所の整備を要請しました。このセンターは当面150か所を目標として整備を進めておりますが、具体的な目標年度は定めておりませんが、できるだけ早期に達成できるように都道府県、そして指定都市に要請を続けているところでございます。
○石井みどり 今、できるだけ早期にとおっしゃったんですが、大変残念ながら、なかなか早急にその目標は達成できないと思っております。それは、今から逐次そのことについてをお尋ねをしていきたいと思っております。
本年のその実施要綱の改正の中身で、今御説明がございましたが、新たな機能として基幹型センターの設置と地域包括支援センターとの連携強化のための連携担当者の配置というものが基準に加わりました。これを新たに設けられた背景と理由をもう一度お尋ねしたいと存じます。
○山井厚労政務官 今回、基幹型と地域型と二つ新たに機能を設けたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、このセンターには三つの機能を有しておりまして、専門医療機関としての機能、また介護サービスとの連携、また住民、医療関係者への情報発信ということですが、先ほども申し上げましたように、認知症の方は徘回というか歩き回ったりされて、そしてこけてしまって骨折されるケースとか、また当然その他の身体疾患にかかられることもあるわけであります。そういう意味では、精神科と同時に内科、外科等の総合的な機能を有する医療機関を特に基幹型認知症疾患医療センターとして整備をすることにしたわけであります。
そういう意味では、一般の医療機関は、残念ながら、認知症があるという理由でなかなか十分に医療措置をしてくださらないところも中には見受けられるという、そういう問題点もあって御家族の方も本人も困っておられるわけであります。
そして、一方、必ずしも救急の身体疾患の患者に対応できなくても、地域において認知症患者の正確な診断や、適切な治療を行う機能や地域包括支援センター等と連携する機能も重要であり、このような機能を有する医療機関について地域型認知症疾患医療センターとして広く整備を図ることとしたわけであります。
そういう意味では、内科、外科等の総合的な機能も有する医療機関に関しては基幹型として、そうではないところは地域型と、この2つのセンターの組合せによって地域の実情に応じて整備をしてまいりたいと考えております。
○石井みどり 今、基幹型の設置基準に内科、外科というふうにおっしゃったんですが、私が一番これ問題だと思っておりますのは、基幹型のところの設置基準に救急医療機関としての機能というものが加わっているわけですね。これは、身体合併症に対する急性・救急医療に対応することが可能な態勢が確保されていること。具体的には、救命救急センターを有するなど、身体合併症に係る3次救急医療又は2次救急医療について地域の中核としての機能を有するという、こういう文言が新たに入ったんですね。
御承知のように、今全国で救急医療、非常に問題になっております。2次救急が崩壊しそうなので3次救急にそれが集中しているというような、そういうこともいろいろ御指摘がある中に、あえてこの身体合併症に対応する救急医療機関としての機能をお加えになった。救急医療については、ニュースで様々、たらい回しのそういうようなニュースも報道されていて社会問題にもなっている中に、救急はベッドを確保するということが非常に大変であります。そういう非常に、綱渡り的なベッドの確保、タイトな状況の中で、救急病院、各総合病院も大変な運営に苦労されているわけですね。
このような状況の中で、新たにこの実施要綱では救命救急機関としての要件を加えられた。これは現実問題、手を挙げるところはほとんどないだろうと、限定されるだろうと思います。もう現場を御存じないとしか言いようがない。非常に、何というんですか、制度を逆に逆行させるような内容になっているというふうに思います。
それでは、本年度の認知症疾患医療センターの整備予定、本年度は何か所でしょうか。そして、そのうち基幹型は何か所ございますでしょうか。そして、未整備自治体の未整備の理由としてはどのような理由が、要因が考えられますか。そして、それに対する対応はどのように対応されるのか。以上4点、そしてまた、まず4点お答えください。
○山井厚労政務官 石井委員にお答えを申し上げます。
本年度の整備予定に関しては、先ほども言いましたように、現在、24府県、7指定都市の70病院でありますが、今年度は少なくとも30病院の新設予定があると聞いております。その結果、未設置の都道府県、指定都市は35自治体から26自治体に減少する予定になっております。それで、基幹型なのか地域型なのか、その内訳に関しては今まだ未定でございます。
さらに、そのような整備がまだまだ十分に進んでいない理由に関しましては、センターへの補助が相談、連携などに係る費用の分に限られていることや自治体の財政などが厳しいことということが進まない原因と考えておりますので、このため、22年度の予算においては、認知症患者が身体疾患にかかった際、総合的に対応できる機能を有する基幹型センターには、先ほども言いましたように1000万円、そして地域型には600万円というふうに、合わせた予算額も6000万円増の5.8億円としたほか、平成22年4月の診療報酬改定で認知症専門診断管理料としてセンターの専門的診断機能の評価500点を創設し、整備を促進しているところであります。
そして、先ほどもおっしゃいましたように、基幹型センターに関しては、救命救急機能が必要とされているわけでありますけれど、全国に3次救急医療機関は230、2次救急医療機関は3200あるわけで、このような機能を有する医療機関も全国には相当数存在するのではないかというふうに考えております。
○石井みどり 今、補助金のお話が出ましたが、この補助金をもらっても、ほとんどのところがもう赤字覚悟でやっていると。今、この基幹型と地域の方でうまくいっている熊本のケースが一番有名でありますが、これはもう広島大学医学部附属病院も手を挙げないんですね。広島市民病院も手を挙げないんですね。旧老人性の認知症センターのときすら手を挙げなかったんですね。これには大きな理由があるんです。幾らこんな補助金付けてもらっても、いわゆる人、物、金、全部足らないんですね。大赤字になって、とんでもない、今の医療が運営できなくなるということで、皆さん手を挙げないという現状があるんですね。
それで、そもそも、まず目標の百五十か所にはこのままではとても対応し切れないと思います。東京都の健康長寿医療センター研究所の報告では、専門医へのアンケートを実施されたところ、高齢患者の8000人に一か所ぐらい要るだろうと。2010年までには約315か所が必要。ということは、大体2次医療圏域に一つということですね、349が2次医療圏ですから。それぐらい必要だということなんですね。しかし、それにもかかわらず、さっきから何度も申し上げますが、旧の老人性認知センターのときもこれを満足していなかったんですね。とっても整備できていなかった。にもかかわらず、更にハードルを高くされたわけであります。
特に、このセンターの機能で、身体合併症のある患者さん、もうまさに、こういう方々は非常にハイリスクな方々なんですね。特に、がんとか、そういう疾患を発症された方は、非常にこれ、探すのが困難だと。そういうことで、救急科があるところを基幹型にというふうに、いかにも机上でプランを立てられたと言わざるを得ないんですね。今申し上げたように、それでなくても救急医療は今逼迫していて大変な状況で、なおかつ、この基幹型は精神科と救急の両方のベッドを確保しなきゃいけないんですね。こんなところがどれだけ今から整備できるとおっしゃるんでしょうか。本当に現場を御存じない方が、いかにも鉛筆なめなめプランを立てられたとしか言いようがないんでありますが。
先日の委員会も、西島委員の方から、認知症の疾患医療センターの整備の遅れということの御指摘があったと思うんですけれども、本当に今回のこの実施要綱では、基幹型、地域型について非常に多くの役割を担わせて、そして、設置基準のハードルを高くされています。この私は特に基幹型の設置というのが大変難しいんではないかと思っています。多くの機能を盛り込んでいて、そして人員配置等の設置基準のハードルを高くされた、これはやはり基幹型のセンターとして名のりを上げることが大変難しいだろうというふうに思っていますが、その点はどういうふうにお考えでしょうか。
○山井厚労政務官 石井委員にお答えを申し上げます。
御存じのように、まず地域型の方ですが、地域型、そして基幹型の両方に関しましては、人員配置基準としては、認知症について5年以上の臨床経験を有する医師1名以上、精神保健福祉士又は保健師等2名以上、臨床心理技術者1名以上、これらの基準がまず前提として、地域型にも基幹型にも人員配置基準としてございます。
それに加えて、より高度な基幹型の方には、今御指摘のような新たな身体合併症に関する3次救急又は2次救急医療の機能や、精神科と内科、外科等との院内連携の機能、また、夜間、休日においても入院患者に対応できる病床の確保、一般病床と精神病床の両方を有することというふうに規定しておりますが、全国にいわゆる総合病院で精神病床を有する病院は200か所程度あるということを考えると、このような機能を有する医療機関は全国にも相当数存在するのではないかと考えておりまして、このような基幹型と地域型を併せて認知症疾患医療センター全体の整備は抑制されるというふうには私たちは考えておりません。
○石井みどり これは認識が違うのかも分かりませんが、幾ら全国に精神科のベッドと救急の持っている、幾らあっても、旧の老人性認知症センターのときですら広島のそういう病院は手を挙げなかった、そういう現状をよく踏まえてください。
そして、もちろんアイデアはすばらしいんですよ、基幹型と地域型をお考えになるという。これ理想なんですが、何度も申し上げますが、救命救急医療が逼迫していて、まさにたらい回しが行われているこの状況の中で、そして地域の医師不足が深刻化していて、広島でも、総合病院の精神科があったところで、12月にこの委員会で地域医療で広島へ視察に参ったときもそういう御指摘がありましたですよね。精神科があったけれども、医師が大学病院に戻ったために精神科の医療ができなくなった、そういうところが全国にたくさんあるんであります。
そういう状況の中で、これはわざわざ救急、2次救急あるいは3次救急を持っているそういう総合病院、そういうところを、ここを基幹型に指定するよりも、精神科の病院がそういう救急の病院とうまく連携すればいいだけの話だと私は思いました。従来の老人性の、旧の老人性認知症センターのときですら、これはすべて全国に整備されなかったんですよ。にもかかわらず、ハードルを上げてしまった。
この新しい、もう厳しい設置基準を課すよりも、現状の体制で、精神科の病院が救命救急を持っている総合病院あるいは地域包括支援センター、老健、特養、グループホーム、介護事業者あるいは他の診療科と緩やかなネットワークをつくるところから始めるべきではないんでしょうか。多様な認知症患者さんのニーズにこたえられる、そのことの方がむしろ現実的な対応であろうというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○山井厚労政務官 まず、私、お答えさせていただきたいと思いますが、この精神科病院と総合病院、地域包括支援センター、介護保険施設等の既存施設が連携することは、確かに認知症の患者に対して重要だと思っております。
認知症の方々に対しては、正確な診断、身体的疾患にかかった際の診療、重症者への対応等の専門的な医療と日常的な医療、看護を連携して行う必要があり、今申し上げました各センターや病院が連携して対応することが必要だというふうに思っております。そういう意味では、認知症疾患医療センターの地域型、基幹型の整備と同時に、その他の機関との連携ということも車の両輪としてしっかり整備をして、認知症患者の方々が医療と介護と両方セットで充実されることを期待をしております。
○石井みどり 現実離れのした施策のしわ寄せというのは、患者さんであり、ひいては患者さんの家族、そして国民の方々なわけですね。認知症疾患医療センターの整備を第一に進めるのであれば、この実施要領の弾力的な運用、あるいは要領自体をもう少し緩やかにすべきだと私は考えますが、これこそ大臣の政治決断が必要だと思います。そのことを御指摘をして、実は大先輩であります南野委員に対して敬意を表するつもりで、ワクチンについて最後に御質問をしたいと存じます。
一つは、前回のときも御指摘を……(発言する者あり)うるさいぞ。前回のときも御指摘をさせていただいたHTLV1に関して御質問をさせていただきます。これは、成人T細胞白血病、ATLですね、それからHTLV1関連脊髄症、HAMですね、こういう重篤な疾患の原因となるウイルスのことでありまして、我が国においてこの感染者の方は約百十万人と推計されています。
長妻大臣は、2月26日の予算委員会におきまして、このHTLV1の総合対策の必要性に関する質疑に対しまして、平成21年度中に出される厚生労働科学、まあ科研ですね、の研究成果を見極めた上で適切に対応する旨の御答弁をされました。3月に厚生労働科学特別研究事業としてこのHTLV1の母子感染予防に関する研究班から報告書がまとめられました。この報告書を受けて、大臣の御見解を今からお伺いしたいと存じます。
御承知のように、感染ルートとされるのは、母乳などを介した母子感染、性交渉を介した感染及び輸血感染の3つのルートでありますが、今回の報告書によれば、輸血感染は現在ではもうほとんど皆無であります。母子感染による感染が約60%以上を占め、さらに、成人T細胞白血病の発症者はほとんどが母子感染例であることから、HTLV1、母子感染を防御する意義は大変大きいと考えています。
母子感染を防止するために有効な手段とされるのが妊婦に対する抗体検査であります。以前は九州、沖縄等の限られた地域のみの感染とされていましたが、平成20年度の厚労省研究の報告書では感染者の全国的拡大が明らかになっており、今回の報告書では全国的な検査が必要な時期に来ていると提言をされています。しかしながら、現在、HTLV1の抗体検査は一部の地方自治体でのみの公費助成の対象となっております。このことについては、山本委員の方からも御質問があったかというふうに思います。
これはほとんどの自治体においては自己負担であります。一部地域の風土病ではなく全国的感染者の拡散が明らかとなった今、母子感染を未然に防止するためにも妊婦に対する抗体検査の全国的実施を国として推進し、さらに抗体検査を公費助成の対象とするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。そして、公費助成の実態調査はいかがでしょうか。併せて二つお聞きします。
○長妻厚労大臣 今のお尋ねでございますけれども、今おっしゃっていただいたのは、厚生労働科学研究のHTLVの母子感染予防に関する研究、あるいは同じ厚生労働科学研究の本邦におけるHTLV1感染及び関連疾病の実態調査と総合対策、こういう研究結果も我々踏まえて、そしてさらに、学会ですね、学会において妊婦健診でHTLV1の抗体検査の実施を進めるかどうか、これが焦点となって今後議論がされるというふうに聞いておりますので、その議論も踏まえて抗体検査に関する公費助成については我々前向きに検討をしていきたいというふうに考えております。
そして、実際にもう既に妊婦健診で地方自治体が独自にHTLV1の抗体検査の公費負担されているところもあるかどうか、どういう自治体なのか調査というお尋ねでございますけれども、これは先月時点の実施状況を現在、今集計をしておりまして、6月に結果が取りまとまりますので、6月には公表させていただきたいと思います。
○石井みどり 全国的な抗体検査の実施と同時に並行的に講じるべき施策としては、感染者の方に対する精神面のケアであります。このHTLV1の感染者であると告知された方が受ける精神的な負担、打撃、苦しみは計り知れないものであります。自責の念とか、あるいは将来に対する不安、それから非常に生活に対する支障も出ております。こういう感染者の方々のケアというのが大変重要であるというふうに思います。
また、HTLV1に関して誤った情報、誤解、そういったものが感染者の方を更に傷つけてまいります。国民の方々に対する正しい知識の啓発、理解の促進、そしてHTLV1に関する情報の周知徹底ということも併せて重要であろうというふうに思っています。
国として、感染者の精神的なケア、HTLV1に関する情報の周知徹底についてどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
○長妻厚労大臣 この正しい理解が必要だというのはまさにそのとおりでございますので、これは、まずは医療従事者向けにHTLV1のキャリア指導のための手引書を作成をいたしまして、今年3月に都道府県や医療機関に配付をいたしたところであります。
いずれにしても、今後、国立感染症研究所についてもこの病気の概要について幅広く情報提供を行っていくということで、更に分かりやすい情報提供、そのホームページ等も活用するのは当然でございますけれども、それ以外のやり方で地方自治体への周知も含めて今後更にその広報に努めていきたいというふうに考えております。
○石井みどり この科研の報告書では、先進国唯一のHTLV1の浸淫国である我が国が取り組むべき問題であるというふうにこれの中で提言をされています。研究の成果を見極めた適切な対応と大臣はおっしゃっておられますが、今こそ本当に我が国が率先してこの総合対策の推進を図る時期にもう来ていると思います。
再度、大臣の方からお取組に対する決意をお伺いして、実はもう1問、本当は子宮頸がんワクチンについてお伺いしたかったんですが、次回とさせていただきます。
では、大臣の御答弁をお聞きして、私の質問を終わりたいと存じます。
○長妻厚労大臣 この感染の実態に関する研究、母子感染予防に対する研究など、この研究事業については引き続き実施をしていくということであります。
そしてもう一つは、このHTLV1に関する研究者及び患者団体で構成されるHTLV1感染総合対策等に関する有識者会議というのがございますけれども、これは感染防止、治療法の開発等を推進をするために今検討をしていただいているところで、あるいは取組もしていただいているところでありますので、その有識者の御意見も聞きながら、厚生労働省としても、研究、そして感染防止、そして治療法開発、これに支援、そして厚生労働省自体も取組を進めていきたいと考えています。