福島みずほ消費者担当相等に対し、生産地偽装等、い草農家の抱える問題について質問しました。
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100409shouhisha.pdf
消費者問題に関する特別委員会
2010年4月9日
自由民主党・改革クラブ 石井みどり
○石井みどり おはようございます。自由民主党・改革クラブの石井みどりでございます。
3月13日に私は熊本県八代市へ参りまして、イグサ農家の方々といろいろとお話合いをいたしました。私自身、全く不明にして、今、日本の畳がどういう状況に置かれているかということを存じ上げないものですから、非常にその実態をお聞きして衝撃を受けたわけであります。
畳は日本の文化です。そして今、畳の価値が随分見直されてきています。除湿効果がある、そして畳を敷いたところで子供たちが勉強すると非常に勉強に集中できたといういろいろなデータも出ています。それからアルファ波が出るとか、本当に畳の効能といいますか、単なる心理的な心のふるさとというだけでなく、日本人に合った非常にいい住文化であるというふうに思っていますが、これが今大変なことになっているわけであります。
全国イグサ生産団体連合会が平成21年3月に行った畳表の消費実態調査報告書によると、国内産の畳表の生産枚数は約450万畳でありますが、しかしながら約850万畳が国内産として流通しています。400万畳の大きなギャップが見られるわけであります。この要因としては、最終加工地を産地とする表示法、つまり中国から輸入したイグサを国内で加工して国産や日本製として表示していることが考えられます。
別に、イグサ農家の方は中国のイグサを輸入してはいけないなんて、そんなことを言っているわけじゃないんですね。とても日本産のイグサだけではもう既に足らないわけですから、中国からのイグサを輸入して日本の畳にするということ、これ自体を反対しているわけではありませんが、ただ、畳表の日本農林規格、JAS規格は、畳表の原料となるイグサの産地名を表示することは定めています。しかしながら、JASマークの取得は事業者の判断に任されています。
JASマークを取得していない畳表の産地偽装を許さないように、消費者庁は現行法の範囲内でどのような対策を取ることが可能か、お教えいただきたいと思います。
○福島消費者担当大臣 ありがとうございます。
景品表示法は、商品の内容について、一般消費者に対して実際のものよりも著しく優良であると示す表示を禁止しています。したがって、畳や畳表の原材料であるイグサの産地について何も表示していないこと自体を違法とすることはできません。しかし、畳についての表示の中で、実際には外国で生産されたイグサを使用しているにもかかわらず国産のイグサを使用していると認識されるような表示があれば、これは明確に景品表示法4条1項第1号に違反するおそれが強いものと考えます。
消費者庁としては、このような表示があった場合には厳正、迅速に対応してまいります。
○石井みどり しかし、それでは現実に防げていないわけですね。
イグサ農家を拝見しましたら、農家だからイグサを栽培するだけかと思ったら、イ業といって、自分のところで製織というか、そこまでして本当にほこりまみれでして、大変な家内工業を家族でされているわけですね。
私がお話を伺った若い農業者の方も、地元に帰って跡を継いだけれども、この10年で半分が辞めていったということをおっしゃっています。だから、もうこれは日本の農業どこでも同じような問題があるかと思いますけれども、後継者問題が大変深刻でありました。
そして、イグサの栽培というのは非常に天候に左右されたり、そして農薬を使わないと絶対に栽培できないんだそうです。そして、日本の場合はきちんと決められた許された農薬を使って、そしてそれも非常に、どういう量を使っているかというのを、産地においてはきちんとそこのところを的確に扱っていらっしゃるわけですね。
そして、八代の場合は生産の履歴が分かるトレーサビリティーまで取り組んでおられて、QRコードを畳表のところに挿入して、もうきちんとどこでどう生産してどういうという、その経歴が分かるような、そういうブランド化、差別化をされているわけですね。
そういうものがそこまでしてきちんとブランドを守るというふうにされているにもかかわらず、取り締まる方法もあるけれども、現実はそこからこぼれ落ちて400万畳というものが偽装されているわけですね。
やはり中国産イグサを日本国内で加工して国産というような、そういう表示が取り締まれないのであれば、消費者というのは正確な情報を手に入れることはできないわけですね。正確な情報があって初めて、例えばこれは中国のイグサを使った畳です、これは国産のイグサを使った畳ですという、そういう選択ができないわけでありますね。消費者が正確な情報を基に選択できるようにするためには、イグサ製品についても原料原産地表示を義務付ける必要があるんではないかと思っています。
消費者庁は、加工食品に関しては原料原産地表示の義務化について検討を行っていくということと聞いております。それに先立って幅広く意見を聴取するということで、先月、JAS法に基づく加工食品について原料原産地表示に関する意見交換会を開催したというふうに伺っています。
私は、やはり畳というのは、小さなお子さんがいらっしゃるところ、あるいはお孫さんがいらっしゃるところは御存じでしょうけれども、赤ちゃんがいる家庭は畳の部屋が要るんですね。結構ホテルでも畳のある部屋をわざわざ造っているのは、お子さん連れ、赤ちゃん連れの方々が畳のある部屋を要望されるということを非常におっしゃっていました。赤ちゃんは本当にはいはいして、畳をなめたり触ったりもちろんするわけですよ。私たちだって畳の上でお昼寝をしたりしてほおに跡が付いたなんという御経験を皆さんおありになると思うぐらい、それぐらいやはりきちんとしたイグサ、まあ別に中国産がすべて悪いというわけではありませんが、伺ったところでは、中国のイグサは何が使われているか分からない、これは農薬だけでなくという話も聞きました。
だから、やはり国民の方々が安心して畳を選ぶことができる、そして畳の中での暮らしができるというためにも、私は食品分野に限定することなく、イグサ製品等の加工品についても原料原産地表示の義務化を検討していく必要があるんではないかと思っていますが、今後、食品外の分野においてこの取組を行う御予定はおありでしょうか。
○福島消費者担当大臣 これは公正競争規約で、事業者又は事業者団体が景品表示法に基づいて消費者庁長官と公正取引委員会の認定を受けて作る自主規制のルールがあります。
消費者庁は、平成21年11月、畳事業者の事業者団体から、畳の材料である畳表の産地表示の義務付けなどを内容とする公正競争規約を制定したいとする相談を受けました。消費者庁からは、公正競争規約制度について説明するとともに、一般消費者の選択に資し、かつ業界の大方の事業者が参加できることが必要である旨の指摘を行いました。
現在、業界において検討中というふうに承知しており、今後とも適切に対応していきたいと考えています。
○石井みどり かなり、熊本県だけでなく、例えば広島県は備後表という非常にブランドがあるんですね。わざわざ熊本からも広島県福山市において加工するという、製織するという、そういうこともしているわけです。そういうところはきちんと、産地は熊本であると、そして製織を広島県福山で、そして備後畳表という、備後畳だという、そういう表示をしたりしている。そういうことができているわけですね。
だから、各地でそれぞれ、今もう日本のイ業、イグサに関しては相当、規模がだんだん縮小してきている。しかし、それぞれの団体が、各地の団体頑張っていらっしゃるんですね。だから前向きに、ただ検討するというんではなく、本当にこういう日本の大事な産業であり、そして文化でありますので、守る方向で是非取り組んでいただきたいと思います。
そして、どの農産物でもそうですけれども、やはり安い中国産に対抗するために高品質のものを開発していっているわけですね。この畳表に関しても、イグサに関しても、本当にもう、一度行ってみていただいたら分かるんですけれども、さすがイグサ農家だから、見たこともないような本当にすばらしい畳が敷いてありました。きめが物すごく細かくて、普通、畳を触るとざらっとするんですけど、つるつるなんですね。非常にきめが細かく織られていて、本当に高級品なんです。私も見たことがなく、感激したぐらいなんですね。そういうものを作って今輸出にも力を入れているというふうにおっしゃっていました。
大臣御存じだと思うんですけれども、アメリカ辺りの、ニューヨークなんかのハイソサエティーの方々は、非常にオリエンタル文化というか日本趣味をインテリアに取り入れたり随分されているんですね。そういうところにこそああいう高級な畳が売れて輸出できたらいいなと思ったぐらいなんですが。
ただ、高品質のイグサということで、「ひのみどり」という品種を、これは熊本県が種苗法に基づいて登録をされているんですね。開発をして登録されています。この「ひのみどり」というのは、本当に光沢があって、高級ブランドの畳表なんですが、これは種苗法の規定によって育成者の許諾のない栽培や売買が禁止をされています。しかし、ここがまたコシヒカリでも同じことなんですね。同じことですが、平成15年にこの「ひのみどり」そっくりの中国産の輸入の畳表が見付かったんです。もう既に苗が中国に持ち出されて栽培されているんですね。平成17年には中国で違法に栽培された「ひのみどり」を密輸入しようとした業者が長崎の税関において告発されて、翌年、有罪判決が言い渡されています。
この中国における「ひのみどり」の違法な栽培というのは大変重大な問題であるというふうに思っています。平成17年に長崎税関において告発されたように、違法に栽培された「ひのみどり」が日本に輸入されないように税関の検査自体は強化されています。税関の検査の強化は、これ自体は非常に重要ではあるんですが、しかしその大本の違法栽培を防止しなければこの問題は解決はしないと思っています。
これに関して、やはり中国政府との連携の強化ということが非常に重要になってくると思います。もう輸入業者からさかのぼって、川下から川上に向かってやはり摘発をしていくという、生産者を特定して中国での栽培を防止をしていくべきだというふうに思います。
先般の中国製の冷凍ギョーザ中毒事件、この容疑者の拘束を受けて、日中の両政府は、食の安全をめぐる新たな協力の枠組みである日中食品安全イニシアティブ、これについて交渉中であるというふうに伺っていますが、このイニシアティブは、問題が生じたときには、製造元のほか流通経路などの情報を速やかに相手国に提供することを義務付けるということだと思いますが、食の安全以外の分野においても、骨子としては、添加物や器具、容器包装、そして乳幼児のおもちゃなどが対象になっています。乳幼児のおもちゃはアメリカでも随分問題になりましたですね。こういうものもイニシアティブの骨子の中に入っているわけですので、私は、やはり同様にこの中にイグサも取り込んでいくべきではないか、そして交渉を行うべきではないかというふうに思っています。
消費者庁の関連3法案の本委員会における附帯決議にもあるように、消費者安全を確保するための国際連携の強化は非常に重要であるというふうに認識しています。附帯決議の趣旨も踏まえ、今後の中国政府との連携強化に関して、大臣そして外務省、農水省のお考えをお聞かせください。
○山本委員長 じゃ、まず福島大臣からお願いします。
○福島消費者担当大臣 ありがとうございます。
石井委員がおっしゃいました附帯決議もしっかりありますし、それから先般閣議決定された消費者基本計画において、地域間・2国間における消費者問題について、日中韓の政策対話の実施等を通じ、国際的な連携の強化を図るというふうにしたところであり、消費者安全を確保するために、食品だけではなく国際連携の強化にしっかりと取り組んでまいります。
そして、石井委員はもう一つ重要な、どうやって日本の優秀な、優良な製品を守るかという視点からの御質問でもあったというふうにも思っております。
これは、加工食品における原材料の原産地表示の義務付けの拡大は消費者基本計画にしっかり盛り込んでおります。このイグサの点は、日本産のイグサで作った畳であるという表示はこれはもちろんできるわけで、そういうことを大いに宣伝をして、どう私たちがサポートできるか、しっかり考えていきたいとも思っております。
これは、例えば法律ではなくてもつい最近取り組んだところでは、沖縄の黒糖に関して要望を受けまして、サトウキビだけで作った純粋のものは黒糖、それから少し何か加工していると加工黒糖、全く黒糖が入っていなければ加工糖か再製糖というふうに表示をするという一応の取決めをやりました。沖縄の方たちは非常に喜んでいただいて、まがいものというか、黒糖でないものが黒糖として観光客に売られるということがこれで大分防止できる、沖縄のいい黒糖がこれでブランドというか、はっきり表示で分かるのでよかったというふうに言っていただきました。
ですから、法律改正まで行かなくても、消費者庁が例えばこういうふうに表示をしてくれというガイドライン、あるいは沖縄県と話すことで日本のいいものがきちっと評価されて消費者に売られていくというか、日本のいいものを買いたいと思う消費者にきちっとこたえられるように表示の点についてはあらゆる面で努力をしてまいります。
○西村外務政務官 お答えいたします。
委員御指摘くださった日中食品安全推進イニシアチブでありますけれども、この中身について、今最終的に早期の署名に向けて調整を行っているところでございます。ですので、どういった中身かということについては今詳細ここでは申し上げることはできないんですけれども、既にアメリカ及びEUが中国と結んでいる協力枠組みがありますけれども、それと比較しても遜色のないものになる、それ以上の内容となるのではないかというふうに考えております。
こういった状況の中で、委員が御指摘、問題提起くださった点でありますけれども、私からお答えをできるのは、関係省庁とその必要性については協議をしてまいりたいということでございます。外務省としては、決してこの点、後ろ向きということではなく、関係省庁と協議をしていきたいということを答弁をさせていただきたいと思います。
○舟山農水政務官 委員御指摘のとおり、イグサの一つの品種である「ひのみどり」、これは熊本県が育成開発したかなり優良な品種なんですけれども、これが中国で栽培されていると、そういった情報を農水省としても把握しております。
一方で、この新品種の育成の保護ですね、保護に関してはやはり世界共通のルールを設けるべきだということで、植物の新品種の保護に関する国際条約、略称UPOV、UPOV条約の中で厳しく制限しているわけなんですけれども、これを批准している国が全国で68か国、まだまだ少ないわけであります。中国は一応批准はしているんですけれども、UPOV条約の中で旧条約と新条約と二つありまして、中国は旧条約ですね、そちらの方を批准しております。日本は新条約なんですが。新しい方はすべての品種に関してこの規制の網が掛かっているんですけれども、旧条約はその国によって、24品種以上指定すればいいということで、残念ながらイグサが入っていないわけなんですね。そういう中で、育成者である熊本県が栽培自体を差し止めることは残念ながらできない、この条約上できないということになっています。
他方、御指摘のとおり、この「ひのみどり」が栽培されていて、例えば平成16年12月25日に八代港から輸入されようとした中国産の「ひのみどり」のイグサ、これが発見されまして、これは関税法違反で告発されております。
そういう状況もありまして、農林水産省といたしましては、まずは財務省に対して水際取締りへの協力を要請するとともに、この「ひのみどり」の輸入は違法行為であると。これは当然、種苗法違反ということにもなりますし、関税法違反ということにもなりますので、そういった旨のリーフレットを作成して、まずは畳表の輸入業者に対して、これはいけないことなんだと、そういう周知徹底を図っているところであります。
また、やはり中国において栽培を行わないように、輸出を行わないようにという、こういった要請活動も折を見てやっているところでありまして、例えば、昨年9月15日に開催されました第25回日中農産物貿易協議会におきまして、我が省の当時の小栗生産局審議官から、中国軽工工芸品進出口商会の李会長に対しまして、この栽培、輸出を行わないように直接要請したところでありますし、今年に入りましてから、3月24日の第6回日中次官級定期対話におきましても、中国農業部の危副部長、これは次官級ですけれども、この「ひのみどり」の栽培については地方政府に調査と早急な対応を取るように命じたと、そういった回答を引き出しました。また、UPOV条約も新条約の方に是非加盟してくださいと、そういったお願いもしておりまして、関係部局と調整中であると、こういった回答も引き出しております。
いずれにいたしましても、今後ともやはりそういった対話を通じて中国側に更に働きかけるとともに、国内的にも違法な輸入がされないように、熊本県、税関等の関係機関と連携して適切に対応していきたいと、そんなふうに思っております。
○石井みどり 農水省もやることはやっている、努力はしているということでありますが、しかし、400万畳が違法に入ってきているわけですね。これはもう約半分なんですね、日本の畳の。だから、どんどんどんどん日本の農家が追い詰められて、イグサ農家が追い詰められていって後継者も育たない。そしてどんどん衰退していくんですね。是非ここはやはり消費者庁、頑張っていただいて、さっき外務省も関係省庁と協議をしてとおっしゃった。これをやはり司令塔になって、結局、消費者の安全な、そして豊かな日本文化を守るというところから、やっぱり消費者庁が、これはまさに消費者庁がイニシアチブを取っておやりになることだと思いますので、是非、大臣、強い決意を持って臨んでいただきたいと思います。
私の質問を終わります。