2009.11.26

野党議員として初質問! 厚労委(2009年11月19日) 議事録

1119日の参議院厚生労働委員会で、野党議員として初質問に臨みました。大臣所信演説および社会保障・労働問題等に関する一般質疑でしたが、質問内容は①行政刷新会議の事業仕分けで見直しの対象となった「8020運動推進特別事業」②次期診療報酬改定に関するものです。


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参議院 厚労委員会


20091119日        

自由民主党・改革クラブ 石井みどり

 

○石井みどり 自由民主党・改革クラブの石井みどりでございます。

 長妻大臣を始めとして政務三役の皆様、連日大変な激務と聞いております。どうぞ最後まで元気で、体、御健康を留意されて御活躍されることを御祈念申し上げます。

 長妻大臣は、今、一番仕事のできる働き盛り、1960年生まれと伺っておりますが、大臣がイメージされる幸福な老後、幸福な高齢者というのはどんなものでしょうか。ちょっとお聞かせいただければと存じます。

 

○長妻厚労大臣 幸福な老後というお尋ねでございますけれども、やはり一番は健康で過ごせるということと、少しばかりのお金もあって、年に一回ぐらいは国内の小旅行を楽しむという平和な日々が望みでございます。

 

○石井みどり そのイメージの中に、御自分の歯、口腔も健康で、最後まで御自身の口で食べられて、周りと十分会話ができてコミュニケーションができる、そしてだれしもが望むことですけれども、ぴんぴんころりといいますか、最後までできるだけ元気でいたいという、そういうことも入っておりますでしょうか。

 

○長妻大臣 もちろん、食べるということは重要ですし、楽しみの一つでもあるときに、その歯の健康というのももちろん重要な要素だということは同感であります。

■行政刷新会議 事業仕分けにおける歯科医療の取り扱いついて■

○石井みどり 民主党のインデックス2009、これにも、寝たきりの高齢者、障害者を含め、すべての国民が歯科検診、歯科医療を受けられるようにします。そして、近年、自分の歯が多ければ多いほど、また適切な義歯が入っている方が認知症になりにくいというような、こういう記述もございます。最近の厚生科学研究でやっとこういう辺りの研究がいろいろ出てまいっております。御自分の歯、口腔の機能が健康であれば、確かにQOLも高いし、認知症にもなりにくいというようなことも出ております。

 そして、また同時に、医療費の適正化にも有効である。歯の残存歯数が多い方とそうでない方比較すると、医療費に明らかに差があるというような報告が各県から出ております。そのためには、やはり生涯を通じて御自分の歯、口腔を健康に保つという、こういう国民の努力が大事であります。そして、そのことはやはり国の政策としても非常に重要だろうというふうに思っております。

 ただ、先般、大変残念なことがありまして、実は行政刷新会議のところの仕分というところで、国が行っている歯科保健対策事業ってほとんどないんですね。これだけです。唯一と言っていいですね。これを見直しということになってしまったんであります。本当に無駄であれば見直しをされたりしてもいいんですが、どうもこのときの財務省が出された資料というのが極めて恣意的で、悪質で、数字は一けた間違えていますし、そしてなおかつ非常に悪意に満ち満ちたコメントが出ているんですね。

 私、正直申し上げて、私は医療者、歯科医師として生きておりましたし、私自身が広島県歯科医師会で仕事をしておりますとき、この8020の事業を使って県内の障害者の方々への歯科の医療提供体制をつくったり、様々やりました。

 御承知のように、今都道府県、そして特に身近な自治体である市町村に至っては、もう10年も20年も前から乾いたぞうきんは絞れないといって、本来歯科保健事業というのは身近な市町村でやるべきであるんですが、予算がない、全くそういう、まあ全くとは言いませんけれども、そういう歯科保健事業をやっているところが非常に少ないということがございます。そして何よりも、このときに私がもう非常に愕然としましたのは、余りにも医療、歯科医療の現場を御存じない、そして、そういうことに対するまさに知識もそして見識もない方々が乱暴に仕分をされているんですね。これは、三役の方は多分賛成をされるだろうと思いますが。

 その中で、ちょっと本当にびっくりしましたのが、これはばらまきとかしがらみ、ばらまき予算、しがらみ予算とおっしゃったんですね。歯科医師会への委託率が高いという。これなぜ委託するかというと、都道府県には、47都道府県すべてには歯科医師おりません。これもすべておりません。市町村に至っては、政令市でもすべていないんですね。歯科衛生士もいないところもある。歯科の専門職が自治体にいないんですね。そうすると、都道府県の事業としては歯科医師会に委託をせざるを得ない。そして、県の事業として行っていく。これは、厚生労働省の事業で多くあることだろうと思うんですね。そのことを理由に見直すとか、そしてまた、歯科医師会がやればいいじゃないかと。その歯科医師会が内部留保が多いと、80億。これは全く不勉強で、もう悪意に満ち満ちている。この80億は何かといいますと、歯科医師会の我々が、歯科医師の会員の開業医が台風に遭って被害に遭った、火事に遭った、けがをした、入院した、共済金なんであります。これがあるから歯科医師会の予算でやれみたいなことをおっしゃって、そしてそのために見直しというようなことになったんであります。

 やはり最後まで本当に元気な高齢者でいようと思うと、それぞれのライフステージに合った口腔保健の対策ではなく、生涯を通じて切れ目なくそれが行われることが大事なんであります。そのことを国民の方、県民の方、地域住民の方、あるいは行政に対しても啓発をしたり、そういう研修をしたりする大事な、これ平成12年から続いてきた大変大事な事業なんでありますが、見直しということになってしまいました。このことについてどうお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。

 

○足立政務官 お答えいたします。

 石井委員は大変お詳しいので、私がその現場でどういう発言をしたかというのももう御存じだと思いますけれども、私が何を申し上げたかというと、実際は、この8020運動で虫歯の率は非常に減っている、それから80歳で20本以上歯をまだ有している方々が増えているという結果と、それから、例えば4歳、5歳、6歳辺りの児童虐待、これを早期に発見するためには歯の健診が非常に大事なんだと。ところが、3歳児健診以降、学校に入るまでないと、ここがすき間になっている。それから、先ほど委員もおっしゃいましたように、かみ合わせ、咬合がいいことは将来の糖尿病の発症率、あるいは心筋梗塞、脳梗塞の発症を抑えるという予防効果もやっぱり言われているわけですから、私どもとしてはこれを、歯の健診については年代を問わずやれるようにしたいんだという方向性を厚生労働省としては持っているということを申し上げまして、この見直し、新政権の政策に沿って、予算規模、事業の内容、使われ方等々含めてもう一度検討していくというこの内容は、削減するとかやめるではなくて、我々がそういう健診をもっとしっかり位置付けようという政策に沿って見直すという結論になったわけでございます。

 ですから、我々としては歯の健診、歯それから咬合についても非常に大事であるという認識は持っているものでございます。

 

○石井みどり ありがとうございました。

 この第2グループの中に評決権はないけれども政務官お入りだったということで大変心強く思っておりましたが、ただ余りの他の評価委員の方の医療に対する、また歯科医療に対する御認識が低過ぎる。もう見識も、本当になぜそういう方をお選びになったのかちょっと分かりませんが、本当に現場からは全国から相当ブーイングが来ているんじゃないかというふうに拝察をしますが、あとまだ数日続くということですが、是非このマニフェストに沿ったといいますか、歯科医療政策をお進めいただきたいと思います。

 そして、続いて、やはりこの事業仕分、行政刷新会議も法的な根拠がよく分からないんでありますが、ただ閣議決定でこれを、行政刷新会議そのものが担保する根拠法がないというふうに思っておりますが、そして、その行政刷新会議がこの仕分ということで委員をお選びになったというふうに聞いております。この辺りは、今皆様は与党として行政官、行政官としてお働きでありますが、この辺の法的な整理はどのようにお考えなんでしょうか、お聞かせください。

 

○泉内閣府(行政刷新担当)政務官 ありがとうございます。行政刷新の担当の政務官ということで私の方からお答えをさせていただきたいと思います。

 ワーキングチーム、ワーキンググループの評価人の皆様については、行政刷新会議が今委員御指摘いただいたとおり閣議決定になっておりまして、その中の開催要領というものの中でこの評価者については規定がなされております。いわゆる組織法の中で定められた行政機関ではないということになりますので、行政組織ではないということになりますので、これはあくまで、まあそういう意味でいろいろと世の中的には仕分の結果が政策決定かというような形で取り扱われることもございますけれども、あくまで位置付けとしては参考意見というような位置付けになるということであるというふうに理解をしております。

 

○石井みどり 参考意見でよろしいんですね。いや、それを聞いて、伺って安心いたしました。そうしませんと、まあメンバーを見ましたけれども、ほとんど医療の専門家いらっしゃらないんですね。そういう方々が診療報酬をほかの事業と同じようにわっさわっさと切られたり、とんでもない、ましてやもう間違った、事実認定も間違っているようなことも平気でおっしゃられているんですね。そのことはまた違う機会に伺おうと思いますが、(発言する者あり)何かありますか。

 

○山井厚労政務官 事業仕分の担当ですので、厚生労働省としての認識も申し上げたいと思います。

 今、泉政務官からも話がありましたように、あくまでも参考意見だというふうに私たちも承知をしております。石井委員おっしゃいましたように、特に医療、医療そして福祉、そういう現場の、現場の感覚のない方ばかりなんですね。それで、かつ、もちろん非常に一時間という限られた時間、もちろん大変御準備はされておられますけれども、その辺りで大幅な削減や廃止ということに関しては、もちろん無駄な部分をカットしてもらうという意味で行政刷新会議、事業仕分の意義は私たち厚生労働省としても前向きに評価しております。しかし、やはり現場感覚からどうしても受け入れられないという部分もございますので、そこは参考意見として私たちは受け止めておりますし、先日の閣議の中でも川端文部科学大臣からこの事業仕分の結果は参考意見として自分たちは理解しているということを発言されて、それに対する反論もございませんでした。

 以上です。

■次期診療報酬改定について■

○石井みどり そのような御認識であれば、これからの仕分を見守っていきたいと思っております。

 ただ、そうはおっしゃっても、皆様もう与党になられたにもかかわらず、どうも行政手続を無視したとまでは言いませんが、何かその、それを、のりを越えるようなことが厚生労働省の中でも行われているのではないかという気がしてなりません。従前であれば、もう今時分は診療報酬の改定率をめぐって連日、中医協も開かれ、もう夏ぐらいから社会保障審議会医療部会、医療保険部会の開催があって、まずそこで、私の認識でありますが、基本的な考え方をそこで議論をしていただいて、そして政府が、来年診療報酬改定でありますが、その改定率を政府が決める、その改定率に従って個別の点数といいますか、いわゆる張り付けを中医協の方で議論をしていくというふうに認識をしております。

 それぞれ、社会保障審議会はこれも厚生労働大臣の公的な諮問機関でありまして、これは私が言うまでもなく8条委員会でありますね。社会保障審議令というところ、それから国家行政組織法によってこういう審議会が設置されて、そこに医療を代表するあるいは歯科医療を代表するそういう方々が出て御議論いただく。そして、その結果を踏まえて政府が改定率を決める。

 その後、中医協というのは、御存じのように社会保険医療協議会法、法によって厳しく定められていまして、この中ではよく1号側と2号側、公益側とかも、3者が、厚生労働省の会議にしては珍しく極めて公正で公平で開かれた私は審議会だというふうに思っておりますが、それが、従前はそういう手続を踏んで診療報酬が決まって、そして年が明けて予算との関連の中で張り付けが行われるわけですが、どうも厚生労働省の方に伺っても余り情報がなくて、報道だけなんでありますが、診療報酬検討チームというのを設置されたと。これは何か救急、産科、小児の3分野からの医療関係者を集めて、来年の診療報酬改定でこの3分野の診療報酬を手厚くしていく方針だと、年末に向けて基本方針や具体的な改定率を策定していく見通しであるという報道でありました。

 この3分野、大変問題になっております。医療崩壊のまさに最前線の現場であります。この救急、産科、小児科、ここを手厚くすることは全く異論はございません。しかしながら、そういう何の法的な根拠もない方々がなぜ基本方針や具体的な改定率を策定できるんでしょうか。どうしてそういうことができるんでしょうか。その辺りを、少なくとも、中医協の1号側の方々は医療に要する費用を支払う者の立場を適切に代表し得る者であります。そして、2号側、2号の医療者側は地域医療の担い手の立場を適切に代表し得ると認められる者の代表と、こういうふうにきちんと法的に規定をされている。そういうものを全く超えた方々が選ばれて、こういう大事なことを御議論いただくんでしょうか。その辺りの整理はどうなっているのか、お聞かせください。

 

○足立政務官 お答えいたします。

 私も、今報道とおっしゃいましたけれども、私もなぜこのような報道がされるのかというふうにちょっとびっくりしております。

 今、位置付け、委員はチームとおっしゃいましたけれども、これはどういう性格のものなのかといいますと、それから中医協と社会保障審議会の部会のことについてこの関連性を今から申し上げますけど、まず、私たち政務三役が選挙に掲げたマニフェストの医療の項目がありますね。そのことを具体化するためにどうしたらいいのかという、我々政務三役に対するアドバイザー的な存在なんです。ですから、公的な仕組みでどういう位置付けになっているということではございません。マニフェストをいかに診療報酬に具現化するためにはどういう方法があるのかと、それで、先ほどおっしゃった救急や産科や小児科の部分が我々も一番まず手当てしなければいけないところだという認識がありますので、その方々にどういう方法があるのかというアドバイスをいただいているという位置付けでございます。

 当然のことながら、中医協の方ももう毎週2回ないし3回の議論をずっと続けられておりますし、それから、社会保障審議会の医療保険部会も医療部会もスタートしております。ここで基本方針を決めていただきます。最終的には、委員おっしゃるように、まず我々として基本方針を決めなければ、政府として決めなければいけないわけですから、この中医協にも、それから社会保障審議会の医療保険部会にも医療部会にも、この前、先ほど問題にされておりました事業仕分のこの内容もすべて、すべてそこに伝えて、こういう議論があると。それから、マニフェストを、民主党のマニフェストを具現化するためにはどういう方針が必要だということを我々も用意しなきゃいけないと思っていまして、法的な意味合いも含めて決定していただくのはその審議会であり、それから張り付けの部分をやっていただくのは中医協であると、そういう認識でおります。

 

○石井みどり ありがとうございました。安心いたしました。

 それで、今のお答えですと、社会保障審議会あるいは中医協を無視したやり方はしない、ちゃんとのっとって踏まえて、ただしその際に、こういう専門家の方々の御意見をアドバイスとして政府として承って改定の中の参考にしていくということでよろしゅうございますね。大臣、それでよろしゅうございますか。

 

○長妻大臣 今、足立政務官が申し上げたとおりでございます。

 

○石井みどり 先ほど申し上げましたように、もう今時分は本当に診療報酬改定をいつもめぐって、2年前私も走り回っておりましたが、大変気になります。全国の医療関係者、歯科医療関係者、本当に連日報道に一喜一憂をしているのが現状であります。

 どうも報道ですと、大臣の御発言が少し変わるところがあるんですね。これをちょっと御確認を申し上げたいんですが。大臣は、11月3日のテレビ朝日の番組の中では、診療報酬全体も底上げしていくと、プラス改定を目指すんだという方針を強調をされております。そしてそのときに、勤務医に重点配分するだけでなく診療報酬全体を底上げすると。非常にこれは頼もしい、まさに8月の総選挙で相当な医療関係者の票が民主党に行ったのはここだろうなというふうに思っておりますが。そうであれば有り難いんですが。

 ところが、11月13日の記者会見で長妻大臣は、診療科間の報酬差、これに関しては異論がございますので、また別途の機会でお聞かせいただこうと思いますが、勤務医と開業医の間の格差など課題がある、できる限り全体としての上昇幅を抑えながら、引下げ部分をどう配分するか大胆に見直すべきだということもおっしゃっている。これは、全体幅、全体を上げるんでしょうか、どうなんでしょうか。

 そして、この改定率に関しては足立政務官も大変心強い御発言をされているんですね。11月3日の都内での講演で、確かに平成18年改定、マイナス3.16、これは本当に医療だけでなく、もうもっと、もっと打撃を受けたのは歯科医療であります。そのマイナス3.16に関して、これに関して、まさにこれを超えるぐらいのアップがないと絶対に無理だと。

 本当に心強い思いがいたしましたが、気になっておりまして、多分私だけが気になったんじゃなくて、一昨日の本委員会での小池委員の御質問でも、小池委員も何度か聞かれていますが、そのときに大臣は、ネットの伸びはやはりプラスにしていきたいとおっしゃっています。どうされるのか、どう思っておられるのか、現時点で結構です、お聞かせいただければと思います。

 

○長妻大臣 これは、私が一貫して申し上げておりますのは、ネットでプラスを実行、実現をしていきたいということはかねてより申し上げているところであります。その中で、できる限り医療の水準を落とさずに薬価等を下げて本体部分の上げ幅を多くしていきたいと、こういう内部の分配の問題も実行していきたいと。そして、中医協で配分についても、地域医療を立て直す等々の課題がございますので、それに見合った形にしていきたいということは同じでございます。

 

○足立政務官 先ほどお名前出していただきましたので、ちょっとだけお答えしたいと思います。

 私が申し上げたのは、診療報酬改定で、本体部分と薬価の部分、そしてネットというのがありますが、本体部分の話だと思います。この認識は、2002年、初めてのマイナス改定、マイナス2.7だったと思いますが、それ以降、病院内にいる職員の中で一番多い、資格を持たない職員の方々がどんどん減っている。その方々が行っていた仕事を、職務を補うために看護師さんが行い、そのまた業務を補うために医師が行いというような悪循環になっている。これがどんどん減り続けている。これが一つのポイント。

 それから、平成18年のマイナス3.16、これを契機に、衛藤議員いらっしゃいますけれども、それまで社会保険病院等は経営努力を重ねて赤字がゼロになったんですね。ところが、平成18年のマイナス3.16以降、一遍に19病院ほどが赤字になってしまった。これは経営の効率化だけではもうなし得ないところまで来ているという認識に基づいて、少なくとも本体部分については平成18年のマイナス3.16を超えなければもう病院経営は無理なのではないかという認識を申し上げたわけでございます。

 

○石井みどり ありがとうございます。

 その中で歯科医療の話が全然出てこないんですね。それで、今朝ほど、森田委員、大変な御見識の持ち主で、そして歯科医療に対するまさに深い御理解をされていることを感謝申し上げますが、喫緊の課題であるというふうにもう御指摘をされました。

 大臣は、9月17日未明、首相官邸においての大臣就任の記者会見で、社会保障の現場から助けてほしいという悲鳴にも似た声を聞いたとおっしゃったんですね。歯科医療の現場の悲鳴は聞こえましたでしょうか。

 

○長妻大臣 今のお尋ねでございますけれども、私どもは、いろいろな原因があり、今日の社会保障あるいはセーフティーネットというものがほころびが出ていると、そういう実感を、私も選挙の活動の中でもお伺いをしましたし、それ以前の政治活動の中でも十分にお伺いをしているというところでありまして、これは歯科医療についても多くの課題があるというのは私も理解をしているところであります。

 

○石井みどり 実は、随分ショッキングな報道が、もう2年前ですが、週刊東洋経済で報道されて以来、いかに歯科の現場が最も悲惨であるか、最も過酷であるか。

 その中で歯科医療関係者、本当に最善の努力をして国民の歯科医療を守る努力を続けているわけでありますが、そのことが、先ほど申し上げた社会保障審議会の医療部会で8月26日、水田委員、九州大学の副学長だったと思いますが、この方が、私が院長をしていましたときに歯科の診療報酬の低さにちょっとびっくりしたのです。それで歯科の先生方に、あなたたちはそれを上げろと言わないのですかと言ったら、言い続けても駄目なのだとおっしゃったのです。一つの歯科全体の1年分の収入が、ある一つの外科の1か月分にも足りないぐらいのことしか上がってこないと。なぜこんなかというと、点数が物すごく低いわけです。仕事をしていないのかというと、そうではない、一生懸命やっていらっしゃる。だから、何とかしてやっていらっしゃるのに低いのだということ、やはりそういうことを少し見直さなければいけないと。大変御理解のある発言をされています。

 少し歯科のことを御理解いただきたいと思いまして、今日、資料を何点か出させていただいております。資料1の図の1は、これ1955年から2007年までですが、実は、皆さんは専門家でいらっしゃいますので御承知のように、1927年に日本の医療保険制度が全面施行されました。そのときから元々、歯科医療にしても医療にしても技術料が非常に低かった。ドクターフィーが低かったんですね。特に歯科に関して非常に低かった。その元々の低医療費政策が今日に至っていると言っても言い過ぎではないんですが、そのために何をしたかというと、政府は差額制度を実施したんですね。差額という、差額徴収という、歯科にあってはまさに混合診療というか、それがもう認められてきた過去の歴史があります。その間にどっと落ちたというこのデータですね。更にそのときよりも、2007年は医療費の中で歯科医療費の割合がもう7.3、ここまで落ちてきているわけですね。これは様々な理由があります。理由があります。先ほど大臣からもちょっとおっしゃられたんですが、これを少し申し上げたいと思います。

 もう本当に良質な歯科医療の提供がもはや困難なところまで歯科は追い詰められています。ちょっと資料を御覧いただきたいんですが、なぜこういうことになってきたか。資料の2のところで表1というところでありますが、何と歯科に関しては長期にわたってこの技術料がもう据え置かれてきているんですね。例えばこのスタディーモデルとかいうのも、最初に皆さんの初診時に取るんですが、こういうものも39年間据え置かれている。それから、かみ合わせを検査する、これも27年間据え置かれた後に、逆に20点引き下げられているんですね。それから、伝達麻酔に至っては、伝達麻酔というのは、歯科ほど麻酔を日常頻繁使う、する診療科はないんですね。特に伝達麻酔というのは、下顎、私どもは今よく一口腔単位とかいって計画診療しますので、例えば下顎の半分を麻酔をするんであれば1回でやって治療するというような、そういうことをやるんですが、この伝達麻酔というのはそういう下顎の麻酔でやるんですね、下歯槽神経1回で効きますので。これも21年間据え置かれているとか、もう挙げれば切りがないんですね。

 こちらの、見てください。34年間とか24年間とか28年間とか、ましてや形成という、例えば虫歯ができて、カリエスの部分を取って窩洞形成する、そこに至っては、据え置かれて、そしてやっと54点、10点ですね、100円上がっただけという。本当に、まさにひどいんですね。長期に技術を、現にある技術を放置してきただけじゃなくて、新しい治療方法の保険給付も放置をしてきているんですね。

 次に表2を御覧いただきたいと思うんですけれども、2008年の改定では3技術が導入されているんですけれども、2000年から2008年の間、5回診療報酬改定があったんですが、たったこれだけなんですね。ところが、医科の方は2006年の改定だけでも50ほどの新技術が保険に導入されたんですね。こういう差が今の歯科の現状を生んでおります。

 さらに、もうまさに合理的な説明ができない、もう全く説明ができないというような包括化ということも行われてきています。いつも私どもが問題にするのは、表3を御覧いただきたいと思いますが、医科・歯科格差であります。国民の方はほとんど御存じないんですね。耳鼻科へ行ったり皮膚科へ行ったり眼科へ行ったりあるいは歯科へ行っても、初診料とか再診料一緒だろうと皆さん思っていらっしゃるんです。歯科だけ不当に低い、長年格差があるんですね。このことはまた今度詳しくお話をしていきたいと思っています。

 そして同時に、表4とか表5を御覧いただきたいんですが、資料の4のところ、これは私が臨床医を続けていれば一番怒り狂っただろうというところなんですね。私は口腔小児科医、オーラルペディアトリックスだと思ってやっておりましたが、小児の歯科の治療のときに欠かせないラバーダム防湿法というものがあります。これをしないと怖くて治療なんかできません。まさに口腔内は何億という細菌がいるわけですね。だから、唾液から隔離をして無菌的な状態でやる治療のときなんかは小児だけでなく成人のときにも必要なこれは手技なんですが、そして、小児の場合は口腔の大きさに比べて舌が大きくて絶えず動きますから危なくてできない。そういうものが丸められたりとか、それから歯肉息肉除去というのは、まあ専門的になりますが、乳歯の場合、非常に歯肉息肉ってできやすいんですね。だから、私なんかは割とよくこれは治療をして請求をしていた。すっぽりなくなってしまったんですね。

 こういうようなことが、算定できないというようなことがもう歯科の場合はたくさんあるんですね。それだけじゃなくて、入れ歯に関しても補強線なんかが丸められたりとか、そういうこととかがあるものですから、今回余り皆様なじみがないと思って資料でお出しをいたしました。また改定率が決まった後詳しくこの辺は御議論をさせていただきたいと思いますが。

 実に、先ほどの総医療費の中でどんどん落ちてきたというのは、歯科の場合は意図的にこういうことが行われてきた。そして自然増もほとんど歯科の場合は少ないというのは、新規技術も入らないというところも原因の一つなんですね。

 先ほど、歯科医療の現場の悲鳴も聞こえているというふうに受け止めたんですが、こういう現実を御覧になって、大臣、いかがお考えでしょうか。

 

○足立政務官 その前にちょっとだけ。私自身の分かりにくかったところと、それから今委員が九大のミズタ病院長の話、スイタ先生だと。

 

○石井みどり君 スイタ先生、失礼しました。

 

○足立政務官 それから、私さっき説明で、多分分かりにくかったかと思うんですが、マイナス2.7とマイナス3.16を例に出しました。これは、そのときはネットの値で、私がさっき都内の講演と言ったのは、本体部分で今本当に大変な状況にあるところは、本体部分はそれを超えるぐらい上げないといけないんではないかという趣旨で私は説明いたしました。

 そして、今委員がおっしゃったことはまさにそのとおりで、事業仕分のときに一番問題になったのが、総収入がイコール診療報酬と同じような議論を財務省の方でされたこと。それが違うんだということを私はその現場で申し上げました。認識はかなり共有できているんだと思います。

 

○長妻大臣 今歯科の診療報酬のお話がございまして、資料もいただいたわけでございますけれども、おっしゃられるように評価が据え置かれている項目もあります。その一方で、平成20年度改定時に若干ではございますけれども評価が上がった部分もございます。この歯科医療技術の診療報酬上の評価については、関係学会からの御提案や診療実態、中医協での議論を踏まえて、重点的に評価するべきは評価するなど、これまで総合的にとらえて評価を行ってきました。その結果としてこういう項目もあるわけでございます。

 いずれにしても、今中医協で精力的に議論を行っているところでございますので、次の改定においても、今御指摘いただいた意見もお伺いしながら適切な評価に努めてまいりたいというふうに考えております。

 

○柳田厚労委員長 時間。

 

○石井みどり 一言だけ、あと。

 収支差額は医療者の収入ではないということは全く一緒で、間違った議論が随分されていますので、次回のときにそこも含めて議論をさせていただければと思います。

 ありがとうございました。

 

以上