議事録をPDFとテキストで全文アップしますので、是非ご覧ください。下の「続きを読む」をクリックするとテキストでご覧いただけます。
↓議事録PDFはこちらから
kourou090602.pdf
参議院 厚生労働委員会
2009年 6月 2日
自由民主党 石井みどり
○石井みどり 自由民主党の石井みどりでございます。
先ほどから御質疑を聞いておりますと、大先輩であります南野先生、南野委員の御質問と重複するところがあろうかと存じますが、その際は失礼をおわび申し上げます。
国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について本日は御質問をさせていただきます。
我が国は、ヨーロッパの先進国に比べて急速に高齢化社会に突入いたしました。また、少子化という大変大きな、まさに政治的な課題としては私は最もこれが問題ではないかと思いますが、少子化社会でもあります。そしてまた、昨今の社会経済状況は急激に悪化をし、変化をしてきております。それに加えて、年金記録問題等がありますので、国民の方々には今非常にこの年金制度への信頼感が薄らいできているのではないかと思います。特に若い世代の方々は、御自分の将来を考えたときにその不安というのは大きなものがあるのではないかというふうに思います。
基礎年金の国庫負担割合の2分の1という引上げは、国民の年金制度の安心を確保するとともに、将来にわたって年金制度を持続可能なものとするためには不可欠なものと考えますが、基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げる意義というのをどのようにお考えでしょうか。改めてお聞かせくださいませ。
○渡邉年金局長 重ねての答弁になりますが、お許しください。
平成16年の年金制度改正におきましては4つの柱がございました。1つは、保険料の上昇をできる限り抑制しつつ上限を固定する。2つは、その保険料負担の範囲内で給付水準を自動的に調整する。3番目、積立金の活用を図るとともに、所要の安定財源を確保する税制の抜本改革を行った上で基礎年金国庫負担割合の2分の1への引上げを図る、こういうものでございました。長期的な給付と負担の均衡を図り、持続可能な制度を構築するとともに、現役世代の負担を過重なものとしないということをポイントにした改革でございます。
このように、4つの柱の中でも、基礎年金の国庫負担割合の2分の1への引上げというのは、政府が行う非常に重要な政策であると考えております。長期的な給付と負担のバランスを確保し年金制度を持続可能なものとする上では本当に必要不可欠な施策であるということでございますので、現在御審議中のこの法案の早期の成立をお願いしたいわけでございます。
今回、この法案におきましては、基礎年金国庫負担2分の1への引上げと併せて、先ほど南野委員からもお話のございました保険料免除者、低所得者でございますが、現役時代の低所得者の方々が保険料を納めなくてもきちっと税財源により給付を保障していくという仕組みでございます。その保険料免除者の老齢基礎年金の額計算、一言で言うと、税財源をてこ入れしてもらって給付してもらう給付水準でございますが、例えば、保険料全額免除期間が保険料納付済期間の2分の1に評価されるということを今年度から行うという内容をこの法案の中身に入れ込んでおります。
したがいまして、この2分の1への引上げというのは、こうした低所得者の方に対する年金保障の充実を今年度から直ちに図っていくという観点も含まれてございますので、改めて早期の成立をお願いしたいと考えております。
○石井みどり 基礎年金部分に国庫負担が行われる意義というのは、今の御説明でよく承知ができました。
公的年金制度の運営について国の責任を具体的に表明するということであろうかと思いますが、給付水準の改善、また保険料負担の軽減などの観点から国庫負担が行われているというふうに承知いたしますが、先ほど大臣の答弁の中にもございました社会保険方式で年金制度を運営する、共助の最たるものだろうというふうに思いますが、一定の国庫負担を行いつつ、なお社会保険方式により運営をしていくということの意義をお聞かせいただきたいと思います。
○渡邉年金局長 私ども従来説明しております中で、やはり我が国の公的年金制度というのは、自らの老後に備えるという自立自助の考え方を基本としつつ、すべての国民の老後の生活の安定を図るために、今委員共助とおっしゃいましたが、国民全体で保険料を拠出し合う社会保険方式の下で制度の運営が図られているわけでございます。そのメリットは計り知れないというふうに信ずるところでございます。また、無業者や低所得者など、保険料負担が困難な者を含め、すべての国民に年金保障を及ぼす国民皆年金というものを実現しております。
こうした大前提を置きますと、この社会保険方式を基調にした年金制度において、主たる財源はやはり現役世代である被保険者の拠出する保険料、それから事業主の拠出する保険料、これが主たる財源となるべきものと考えておりますが、年金制度の中でもとりわけ全国民に共通する基礎年金につきましては、一定の給付水準の確保、現役世代の保険料負担の軽減、こういった観点から、費用の一部に対して全国民が負担する税による負担を行ってまいったわけでございます。
今般、その水準を現行の36.5%相当から50%、2分の1に引き上げることにより、さらに現役世代の将来における保険料負担の過重な水準というものを回避するために、この社会保険方式の下でも税負担の部分の拡充を図りたい。ただ、それは介護それから高齢者医療そしてこの年金制度を通じまして保険料と税の負担というものは1対1を基本とするということが今回の2分の1法案の趣旨でもございます。
○石井みどり 今回の改正案で基礎年金の国庫負担割合2分の1へ引き上げるというこの財源は、平成21年度及び平成22年度においては財政投融資の特別会計からの繰入金という臨時特例的なものでしかないわけであります。これを国庫負担割合2分の1を恒久化するためには、やはり財源としては今後やはり恒久財源というところで考えていかなくてはいけないと思いますが、消費税を含む税制の抜本改革を実施していかなければこれは不可能と思いますが、政府としてはどのようにそこをお考えでしょうか。
○渡邉年金局長 本法案におきまして持続可能な年金制度の構築のために今御指摘のとおり税制の抜本改革による所要の安定財源確保を図った上で2分の1を恒久化するということが重要でございます。
しかしながら、現下の情勢の下、平成21年度以降しっかり2分の1国庫負担を実現していくということが国民の年金制度に対する信頼あるいは年金財政の安定のために待ったなしの課題である、国民に対するお約束であるという観点から、今回の法案におきましては更に当面の対応といたしまして平成21年度及び22年度について財政投融資特別会計から一般会計への特例的な繰入れにより、臨時の財源でございますが、その手当てにより国庫で36.5%と2分の1との差額を負担して2分の1国庫負担を実現すると。
また、2分の1の恒久化が平成24年度以降になる場合にも、それまでの各年度においても2分の1との差額を国庫が負担するように臨時の法制上及び財政上の措置を講ずるものとするという規定を明文化し、盛り込んでいるところでございます。
こうした中で、先ほど申し上げました低所得者に対する給付水準の引上げということも現に今年度から実施するわけでございますので、しっかりこの2分の1というものを将来とも守っていくと、こういうことに努力してまいりたいと考えております。
○石井みどり 国民年金には低所得者の方に対して非常に保険料の負担が困難であるということで免除する仕組みがありますが、今回の改正案によってこの保険料免除期間を持つ方に支払われる老齢基礎年金の額が改善されるということに、このことについては広く周知をする、広報をするということが重要だと思います。
先ほどもこの広報活動に関して南野委員の方から御質問がありましたが、具体的な年金額の計算方法、これがどのように変わるのかお教えいただけますでしょうか。
○渡邉年金局長 先ほども少し触れさせていただきましたが、老齢基礎年金につきまして免除制度というのがございます。基本的には20歳から60歳までの40年間、480か月加入することにより満額の年金、本年度月額66008円が支給される仕組みでございますが、そうした中で低所得等の方を抱える国民年金制度においては、通常の保険料、現在は14660円でございます、月額でございますが、これを納付できない場合には所得に応じてきめ細かな多段階の保険料免除の仕組みが設けられております。
例えば、全額免除を受けた期間分につきましては国庫負担相当部分、現行は満額の3分の1とされておりますが、今回の法案で2分の1に引き上げようということでございますが、そうした国庫負担相当分の給付が約束される、こういうものとなっております。それから、今のは全額でございますが、4分の3免除、半額免除、4分の1免除という形で給付水準が2分の1から8分の5、4分の3、8分の7というふうに引き上がっていくことになっております。
本法案におきましては、こうした保険料免除者の額計算、給付水準につきまして、本年4月以降の免除の期間につきましては3分の1ではなく2分の1で算定をすると。この改正前の法律では税制の抜本改革が行われるまで3分の1にとどめ置くとされておりましたものを2分の1に引き上げるということを盛り込んでおるところでございますので、先ほど御指摘もございましたような広報、周知の努力というものはとりわけ求められていくものだと思います。
3分の1から2分の1というのは、月額でいうと、保障水準が全額免除の方について22000円が一気に33000円に引き上がるということでございますので、その点の周知が大切であると考えております。
○石井みどり 今回の改正案が成立したとしますと、基礎年金の国庫負担割合2分の1が実現するわけであります。将来にわたる年金制度の持続可能性が確保されるとしても、先ほども御質問がありましたように、無年金者の方あるいは低年金者の方々が存在するということは現実のことでございます。これが大きな課題かと思います。
このような課題の解決のためには、社会保障国民会議あるいは社会保障審議会においては、基礎年金の最低保障機能の強化ということを検討すべきだという御提言をいただいておりますが、このことに関して政府としては今後どのような検討をお進めになられるんでしょうか。
○渡邉年金局長 御指摘のように、社会保障国民会議や私どもの社会保障審議会における議論もございました。それら全体を含めまして政府においては中期プログラムを策定し、所得税法等の改正等を行ってまいりましたが、本法案の附則におきましても、今御指摘のありました点につきまして検討規定が設けられ、今審議に付されているという状態でございます。
その検討規定には、政府は、途中省略いたしますが、公的年金制度について、基礎年金の最低保障機能の強化その他の事項に関する検討を進め、当該事項がそれぞれの制度として確立した場合に必要な費用を賄うための安定した財源を確保した上で、段階的にその具体化を図るものというふうに記述されているところでございます。
では、その最低保障機能の強化ということに関してどういう議論が関係方面でなされてきたかというものでございます。それは私どもの審議会の中間整理の中で整理をされておりますが、4つほど議論のパターンをいただいております。1つは、基礎年金において、低年金者に対し、保険料拠出の有無にかかわらず一定額を保障する最低保障年金を創設する。2つは、保険料の拠出時に所得に応じて保険料の一部を軽減し、軽減された保険料納付を求める一方、軽減分についてはこれを公的に支援する保険料軽減支援制度を設ける。3番目、基礎年金の額が満額であるか否かにかかわらず、著しく所得の低い単身高齢者等の基礎年金に加給金の加算を行う単身低所得者高齢者等加算を導入する。4番目、基礎年金に必要な財源を全額税財源で賄う税方式を導入するなどといったものが示されているわけでございます。
無年金、低年金といった課題への対応について、このほかにも様々な御提案はあることは承知しておりますが、いずれにせよ、昨年末に決定された中期プログラムや本法案の検討規定にあるように、社会保障の機能強化と効率化を図るために、今後、基礎年金の最低保障機能の強化等を始めとする年金制度に関する諸課題について、安定財源の確保を図りつつ国民的な議論を進めてまいる必要があるというふうに考えております。
○石井みどり 今、様々、マスコミから我が国の年金制度に対していろんな御提案がございますが、その中には、例えば年金に10年加入すれば月額5万円の年金を支給するというような、現行の給付分との差額を税で負担するというような、そういう最低保障年金制度といったような御提案も含まれています。
こういうものに対して政府としてはどのようにお考えか、お聞かせください。
○渡邉年金局長 委員御指摘のは社会保障審議会でも取り上げた一つのパターンでございますが、とある大新聞の政策提言として昨年の春に打ち出されたものでございます。
今、委員御指摘になったその部分をコアとするものと考えておりますが、様々に工夫もされておりますので、こちらから一概にコメントするというのもなかなか難しい点もあるわけでございますが、この素材を社会保障審議会で議論をするということについて、そういう機会を得ることができましたので、そこでの議論の整理をもって今のお尋ねに対する回答に代えさせていただきたいと思いますが。
あり得ない制度ではないというふうな前提で様々な御議論をいただきました。しかし、結論としては、この最低保障年金については、滞納者であっても受給資格期間さえ満たせば、例えば10年となっておりましたが、一定額の年金を受給できることとなり、受給資格期間を超えて保険料を納付する意欲に対する悪影響が懸念されるのではないかという指摘がございます。
やはり社会保険方式でありますので、ある程度の御工夫はいただいているようでございますが、そうしたモラルハザードと申しますか、その部分をもっと最小限にするにはどうしたらいいかという更なる工夫が必要なのではないかというふうに考えておるところでございます。
○石井みどり 今の御説明では、いわゆる最低保障年金にはモラルハザード、滞納者の問題というふうなこともあるということでしたけれども、しかし、その一方で、国民年金には保険料負担が困難な低所得者の方に対してやはり保険料を免除するという、こういう仕組みもあります。
この保険料免除制度を活用することによって、保険料の支払が困難な方、こういう低所得者の方に対しても、将来の年金保障を受けることができるというわけでありますが、しかし、この現行の保険料免除制度では、先ほど来から御説明もありますが、国庫負担分のみしか給付されません。つまり、保険料が全額免除されている場合、国庫負担分である3分の1しか給付がされない。非常に、これでは将来生活ができないのではないか、やはり低所得者対策としては不十分であると言わざるを得ません。むしろ、所得に応じて保険料を軽減し、そして、その軽減した分を公的に支援するという保険料軽減支援方式といった制度を導入することの方がより満額の基礎年金を受けられるということに近づくのではないかというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。
○渡邉年金局長 今、議員御指摘の保険料軽減支援制度という仕組みにつきましても、これは国民健康保険とかにある仕組みでございます。それほど想像力の外にある制度ではないだろうと、こう言われるわけでございますが、社会保障審議会においてもそれを取り上げていただいております。
むしろ、現行の免除制度というのはやはり申請免除を基本としているものでございまして、無理に職権免除すると先年問題となりましたような逆のデメリットも出かねないということでございまして、基本的には、満額の14600円でございますか、それを納めていただくということを基本にして本人の事情に応じて多段階で免除をするというものでございます。
今御指摘の考え方というのは、国民健康保険にもありますように、むしろ満額の保険料を求めるのではなくて、その方の所得に応じてそもそもお支払いをいただくよう御連絡する保険料を軽減する、低い保険料をお支払いしてくださいと、14000円じゃなくて3000円でいいですとか5000円でいいですということを御通知いただくということを基軸にして考える方がこうした低年金問題に対する解決力があるのではないかという観点で様々に審議会でも御議論をいただきました。
仕組みとしては、保険料拠出時に所得に応じて保険料の一部を軽減し、軽減された後の保険料納付を求める一方、つまり、低い額の保険料の方をお願いする一方、軽減された分を公的に支援する仕組みでございます。つまり、税財源で足し算をすることで、低い所得に応じた保険料でも満額の基礎年金に手が届くようにすると、こういう考え方と仕組みでございます。
これにつきましては、所得に応じた保険料、低所得者に関してということでございますが、所得に応じた保険料ということではございますので、社会保険方式の基本を踏まえた案であり、先ほど申し上げましたような最低保障年金型の制度に比べると、いわゆるモラルハザードの難点というのは少ないと、こういうふうに考えられますが、他方、制度設計の前提となる自営業者や非正規労働の方々などの所得捕捉をどうするのか、所得捕捉が不十分な中で、そのグループの中とはいっても所得再分配を行うのか否か、行わないにしても、正確な所得捕捉に基づいてその方にふさわしい正確な軽減された保険料水準での保険料納付をお願いすることができるのか、そうした所得情報というのを国がどのように、年金当局がどのように利用できる仕組みを取ればいいのか、そういった点が実は行政技術的には大変大きなハードルとしてございまして、地方自治体でやっている国民健康保険の場合には、その市町村の中の税務課の御協力も得ながらやっておるわけでございますが、私どもは、それではそのようにお願いできるものなのかどうなのか、あるいは国税の御協力はどういうことなのか、様々今後詰めていかなければ、現実的にはなおまだ検討が不十分という御批判を免れないというふうに考えております。
○石井みどり 先ほど私が申し上げました保険料軽減支援方式、これは将来低年金に陥る危険性を防止する効果としては期待が持てるわけでありますが、これはやはりあくまでも現役世代の方に対する方策であるというふうに思います。年金受給世代の方にとっては、これは即効性がない。今まさに年金を受給する世代で低所得の方には別の方策が必要なのではないんでしょうか。
我が国は世界最長寿国家でありますし、この急速な高齢化の進展によって今後単身の高齢者世帯が増加するというふうに、いわゆるお一人様の方々が増えていくわけであります。単身の高齢者世帯の場合、収入面で見ると、基礎年金を満額受給するとしても月額66000円程度であります。一方、支出面で見ると、単純に夫婦2人世帯の半分というわけにはいかない、やはり基礎的な生活費というのは必要なわけですので、そうなりますと、やはり基礎年金の66000円だけで生活していけるんだろうか、これは決して十分な保障とは言えないと思います。非常に苦しい生活を強いられることになる可能性が高いと思います。
これから増えるであろう単身世帯、こういう高齢者の方々に対して何らか政府としての対策が必要ではないかと思いますが、このことに関してはどういうふうにお考えでしょうか。
○渡邉年金局長 ただいま御指摘の点も大変重要な論点であると思います。冒頭申し上げましたように、社会保障審議会における議論も、幾つかの柱を立てて御議論をし、中間整理をいただいておりますが、その中でも取り上げられている論点でございます。
基礎年金の額が満額であるか否かにかかわらず、現に著しく所得の低い単身高齢者等の基礎年金に年金制度の枠組みを利用して加給金を加算することができないのかと、こういうような論点でございました。これにつきましては、低所得高齢者の所得保障の改善に直ちに資するということが指摘されているわけでございます。
しかし、他方、元々低年金の方は、この加算だけで十分な基礎年金を受給できないのではないか。先ほど申しましたような、現役世代対策とはいっても、所得に応じた保険料を負担することで満額の基礎年金をもらえるということがまず基礎にないままにこれだけでいいのかと、こういうような御議論もございました。
また、支給対象範囲の給付の水準、それからこうしたものを行うのはだれにでも、つまり所得の高い方でも年金だけ小さいというときに出すのかという問題もございますので、所得基準というものがやはりここでも問題となってくるだろう。その情報をきちっと正確に把握し、公平公正に適用するにはどうしたらいいかという点があるだろう。
それから、加給をしたとしても、生活保護との関係がぎりぎりのところであれば確かに目に見えて効果があると思いますが、現在低年金の方に、2万円、3万円というような方々もいらっしゃって、そういうような方々が、じゃ、どうなるのかということがなお論点として残りますねということも指摘されております。
加えて、先ほどの保険料軽減制度もそうでございますが、財源的にかなりこれは大きな財源を要するものであり、現行の予算の中でやりくりで対応できるようなものではないのではないか、やはり別途税制改革の議論の中で安定財源を確保して対応していくべきものではないか、こういったような御議論をいただいているところでございます。
○石井みどり 我が国の少子高齢社会ということを考えましたら、これから先、年を取っても働く方々、高齢者でも就労される方がやはり増えていくだろうと思います。これは経済的な事情、あるいは生きがいというようなところ、そして現実に就労世代が少なくなるわけですから、やはり女性、そして高齢者の方々の就労が促進されるのは、これは間違いないだろうと思いますが、在職時において賃金と年金の合計額に応じて年金額を調整する仕組みである在職老齢年金については、年金の支給開始年齢、これに到達していても働くことによって年金の支給が停止されているというふうに理解をしておりますが、これはやはり現実に受給ができるはずなのに受けれないということは、非常に国民感情としては納得できないという不満が残るんではないかというふうに思います。
やはり、高齢者の雇用というのを促進する、これはどうしてもこれから先必要なことでありますし、それから、自分の納付した保険料に応じて給付を受け取るということ、これも当然のことでありますので、やはり在職老齢年金ということを見直すべきではないかというふうに思いますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○渡邉年金局長 この点につきましても、もちろん審議会での御議論もございましたが、御承知のとおり、中期プログラムの中の社会保障の機能強化の工程表においても、在職老齢年金の在り方の見直しということが明記されているところでございます。
非常に分かりやすい御議論で、また大臣からもしばしば指導をいただいておるわけでございますが、やはり年金制度は長い歴史の中でございますので、この制度って一体何物なのかということをやはりはっきり見定めないといけないという要素がございます。
これは、厚生年金制度というのは元々退職後の所得保障を行う制度でございました。したがって、制度発足時は、在職中は年金は支給しないというのがもう大原則でございました。しかしながら、だんだん歴史を下っていく中で、高齢者は低賃金でなお就労を継続しておられる場合が多いという社会の実態に照らしまして、在職者にも支給される特別な年金として、本来は出さないのだけれどもということで昭和40年に在職老齢年金制度が特例的に設けられたという経緯がございます。何か今の議論とはちょっと隔世の感がございますけれども、180度逆のところからスタートしておるというところでございます。
また、それ以降、この在職老齢年金制度は、実は2種類の政策要請から対応を余儀なくされてまいりました。一つは、年金受給者の就労に抑制的に機能しているから、御指摘のように就労に中立的な制度に見直すべきだ、できればやめてしまえ、給付の抑制をやめてしまうべきだと、こういうような御議論がございました。一方、退職後も職に就いて給与収入がある方々で、なおかつ一定の収入以上の方々について言えば、それを支えるのは賦課方式の年金では現役世代であるから、現役世代の保険料負担が重くなる中で見ると、そのバランスからは一定の賃金を有する高齢者については給付を我慢してもらうべきであり、制度的に制限すべきであると、こういう御意見も強まってまいります。
年金財政が少子高齢化の中で大変厳しい環境に置かれる中で、こうした両方の要請の中で逐次見直しが行われてきたというのが実態でございます。
現在、65歳以上の方について、基礎年金は全額支給した上で、賃金と厚生年金の合計で48万円を上回る場合に減額措置が行われるものがございます。これで見ますと、ある程度現役世代と比べてゆとりのある高所得の方が給付の制限を受けているという実感を私ども持っております。他方、60歳代前半の方々につきましては、実は16年改正までは一律2割カットという更に厳しい条件が付いておりましたが、それは撤廃いたしましたが、現在でもなお賃金と年金の合計額が28万円を超える場合には減額措置が行われるという、65歳以上の方々と比べると相対的に厳しい減額方法が取られております。
60歳代前半の在職老齢年金受給者の賃金分布を見てみますと、平均値で33万円、中央値で約27万円となっておりますので、比較的多くの方々がこの制度の下で、せっかくいただけると考えた年金給付が一部カットされると、こういう状態が発生しているわけでございます。このため、在職老齢年金制度について、社会保障審議会においても、とりわけ60歳代前半の方に対する支給停止の基準を緩和すべきではないかということが議論されております。
なお、この見直しを行う場合でも、実は財源問題があります。また、これを見直したら給料と合わせて収入が増えるのかというと、さにあらずという世の中の実態もあるのではないかという御指摘もございます。
その財源問題について申し上げますと、60歳代前半の対象者だけでも約90万人、支給停止額は8000億円に至っております。その8000億円の財源あるいはその一部をどのように捻出するかということが大きな課題となるわけでございます。
そういったところも踏まえて、いかなる財源によってそこをカバーしていくのかということと併せて、しかししっかり議論していく必要があるものと考えております。
○石井みどり 現在、年金の標準報酬等級の上限は62万になっていると思います。一方、健康保険制度においては、平成19年4月から上限が98万から121万に引き上げられました。稼得能力に応じた負担を求めるという視点からは、これはやはり年金の標準報酬等級の上限を見直す余地があると考えますが、しかし、上限を引き上げれば、やはり年金の過剰給付につながるおそれがあると考えます。
先ほどから高額所得の方のお話も出ますが、高額所得の部分については、その給付を、全部を給付に反映しないという見直しも併せて行わなければいけないんではないかというふうに思いますが、その辺りのところをどのようにお考えでしょうか。
○渡邉年金局長 ただいま御指摘のありました、先生、医療の御専門でございますので、健康保険における標準報酬上限が121万円であるという点は大変、私ども年金を担当している側からは、だんだん格差、差が広がっていっておりまして、大変重く受け止めております。
他方、年金の過剰給付につながらないかということで、年金制度の標準報酬上限、つまり保険料を賦課する給料のみなし上限でございますが、これをなかなか上に上げてこられなかったということがございます。一定のルールはありますが、なかなかそのようには動かないという点もございまして、現行制度の下でルールに沿ってその上限を改めていくということは極めて困難な状態にございます。
そうした観点はございますが、給与に恵まれたサラリーマンが医療保険と同様、ないしはそれを踏まえながら今まで以上の保険料の御負担をいただくべきではないかという点については十分、国民的なと申しますか、役所、国会のみならず様々な場で議論をされていくプロセスが必要なのではないかと思っております。
保険料率は変えない、上げないのだから、高い給料をいただいているんだから払うべきだという考え方も一方の目から見ると当然ございますけれども、当事者の目から見たらそれはどのようなこととして映るのか、そういうことを十分含んで判断できるような状態に議論をもっと幅広く行っていく必要があると考えております。
先ほど来紹介しております社会保障審議会では、しかしそれはいいではないかという観点に立って、そこの財源を例えば健康保険並みに121万に引き上げ、料率は18.3%で変えなくていいからということであれば、先ほど御指摘になった在職老齢年金制度の基準の緩和あるいは65歳未満のところについての撤廃とかいうのもかなり視野に入ってくる大きな財源でございます、これも。しかし、財源があるからということでこれは決められるものではございませんので、一方において、じゃ過剰給付への批判は無視するというわけにもまたいかず、負担は求めるわ、それから過剰給付の批判に対して給付は更に織り込む、こういうようなことが御納得いただけるものなのか。もちろん、アメリカ合衆国の年金、公的年金制度というのはまさしくそれを地で行っておりまして、ベント制度と言われておりますが、そういう仕組みでアメリカ合衆国は厚生年金に相当する制度を現在も運営しておるわけでございます。
したがって、例のない話ではございませんけれども、やはりかなり、先ほど申し上げた在職老齢年金制度の改革に必要な財源に匹敵するような財源が生まれるということは、逆に言うと非常に大きな財源であり、その方たちに対する非常に大きな御負担であるということも併せて総合的に判断していく必要があると考えております。
○石井みどり それでは、医療、介護関係というところからお聞かせをいただきたいと思います。御質問させていただきます。
政府の持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた中期プログラム、これにおいて、医療、介護も含めた社会保障全体の機能強化の工程表が昨年十二月に示されました。今後、この中期プログラムに沿って進めていかれると思うんですが、社会保障制度全体の機能強化をどのように図っていかれるのか、その辺をちょっとお聞かせいただければ有り難いんですが。
○舛添厚労大臣 昨年末まとめられました中期プログラムというのは2つ大きな柱があって、社会保障の機能強化、それが一つ、もう一つは安定的な財源の確保ということであります。
当面やれる政策というのは、今まさに、御審議いただきまして、先般、参議院では否決されましたけれども衆議院での議決が優越ということで決定された補正予算、それから本予算なんかで様々なことがその中にあります。例えば、妊婦検診の公費の拡大とか、そういうものも含めて既にあるわけですけれども。
例えば、具体的に言うと、今議論している年金制度ですと、この基礎年金の最低保障機能強化などの検討は2011年ごろまでにやると。それから、2015年に向けては、まさに今問題になった在職老齢年金制度の見直しとかですね、それから低年金、無年金者対策の推進、それから、先ほど南野先生からでしたか、育児期間中の保険料免除、こういうことを中期的にやろうということでありまして、それから今ちょっと申し上げた少子化対策については、妊婦検診のこの公費負担の拡大などが今、当面やろうとしていますけれども、今度新たな制度体系をつくってサービスを拡充するにはどうするのかと。
それから、医療について言うと、地域医療とか緊急医療も今やっていますけれども、例えばお医者さんと看護師との間のいわゆるスキルミックスというかチームワークをどういう形でやれるのかというような問題があります。それから、介護の問題にしても相当、今、介護の処遇ということを一生懸命、介護人材に対して処遇の改善をやっていますけれども、キャリアアップ制度を設けて定着するにはどうすればいいか。
だから、今、様々な施策をやっている、それを更に進めるということがこの中期プログラムで書いてありますので、やはり社会保障の制度の機能強化をやらないといけないと思います。そして同時に、そのためにはお金が掛かりますから、財源の確保で、やはり消費税を含む税制の抜本改革をやっていきたいというふうに思っております。
○石井みどり 今、大臣から、この中期プログラムに沿って社会保障全体の機能強化を図っていくという御答弁いただきましたが、それであるならば、先ほど森田委員からも御指摘がありましたが、小泉政権のときの構造改革によって、2011年までに国、地方のプライマリーバランスを黒字化するという目標が出ましたが、もはやこの目標は達成できないと与謝野大臣もたしかおっしゃったんではないかと思います。しかしながら、与謝野大臣は同時に、財政再建目標の旗も降ろさないとおっしゃったように記憶しておりますが、もうすぐ政府のいわゆる骨太の方針が出るかと思いますが、もうこの目標が達成できないんであれば、毎年度社会保障2200億削減するという、これをもう撤廃する、これが私は必要なんではないかと思います。是非、骨太の方針2009にこれを盛り込んでいただきたい、そのように思いますが、大臣の御見解をお伺いして、最後の質問にさせていただきます。
○舛添厚労大臣 先ほども申し上げましたけれども、与謝野大臣も、旗はあるけれども、相当、何とおっしゃったかな、相当廃れたとおっしゃったか、(発言する者あり)ぼろぼろになったという、そういう現状の中で、やはり最終的に国民に安心と安定をもたらすということ、不安や不満を解消するというための社会保障制度のセーフティーネット機能を強化するということが当然必要なわけでありますから、そういう中で財源論だけでは駄目だということは常に私は申し上げている。ただ単に財源論だけでは駄目だということではなくて、そこで財源を投入することによって、介護や医療の部分で更なる成長への起爆剤となり得るよということをもう少し明確にする必要があるんだろうというふうに思います。
一方、やはり先ほどの中期目標で、新しい技術、医療技術などを用いて効率化をやるということ、この旗もやはり捨ててはいけないと思いますので、やはり無駄があれば無駄はきちんと是正していくという態度も、これは捨ててはいけないと思います。
そういう中でもう一つ、常に申し上げておりますけれども、セーフティーネット論だけでは駄目なんで、その落とし穴にはまっては駄目ですよと。つまり、日本国の人口は1億2500万人いますから、どうしても外貨を稼がないと食っていけません。外からの資源や何かの輸入を支えるために我々は輸出していかないといけない。その輸出ということについて言うと、やっぱり成長戦略、輸出戦略、そういうものをきちんと立てないといけない。
そういう中で、厚生労働行政においても大きな発想の転換を求められているのが、先ほど来森田さんのときにワクチンの話ありました。ああいうすばらしいものができれば、これは外貨を稼ぐ成長産業になることができるんで、私は、厚生労働行政がそういう先頭に立って、2200億円が限界にあるということを言う。それはある意味では、逆に言うと後ろ向きかもしれない。むしろ、我々が新しい行政を主導することによって、私たちが外貨を稼いできますよと、そしてそれが日本国民の健康を守るのみならず、世界中の人々にワクチンなんかは、これは健康を守ることにつながるわけですから、そういう新しいビジョンをつくるべきときに来ていると思いますから。
それから、骨太の方針、これは先般、麻生総理ともお話ししましたが、大体何だと、骨太というのは分かるかねと、普通の人が言って。何もかも役人言葉を使えばいいというものじゃないんで、骨太というのもいい言葉に変えた方がいいんじゃないかなと。日本国民に夢と希望を与える新しいビジョン、その中で、後ろ向きではなくて、ただ単に財政コストの話ではなくて、2200億円について言っても、限界に来ているとか、こういうものはどうだというよりも、それを超える新しい夢と希望とビジョンを設けるべき時期に来ていると思いますので、麻生内閣の閣内において全力を挙げてそういう主張をしてまいりたいと思っております。
○石井みどり 夢と希望と、これは実現していただくのは大変有り難いんですが、やはり歳入がきっちりしてこそでありますので、できないことはできないとはっきりやっぱり政府内で主張をしていただきたいと思います。
ありがとうございました。