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参議院 決算委員会
2009年 6月 1日
自由民主党 石井みどり
○石井みどり 自由民主党の石井みどりでございます。
本日は文部科学省に対して幾つか御質問をさせていただきます。
文部科学省であればどうしても、ニュースとしてはいささか古くなってしまいましたが、お聞きしなければいけないと思いますのが、公益法人関連で、財団法人の日本漢字能力検定協会についてお伺いをしたいと思います。
いろいろと今年に入りましてマスコミ報道が連日にぎわしたと思いますが、とうとう5月19日に前理事長とそして息子さんの前副理事長が背任容疑で逮捕された。そして、5月23日には更に業務上横領容疑での立件をされたという報道がなされています。これについて文部科学省もいろいろと御指導はしてこられたと思いますが、この親子といいますか、目の付けどころは良かった。1975年にこの漢検として発足される前は、その4年前に脱サラをされてパン屋さんからスタートをした。非常にこれから先の高齢社会で生涯学習ということに目を付けられて、そのパン屋さんの隣の、漢字教室を運営されていた元小学校の校長の先生と組んでおやりになったという。そこまでは良かったんですが、非常に利潤を追求するという、そして私的なファミリー企業にお金を流してしまったという。
本来、公益法人というのは、やはり公益事業における利益というのは、まず法人の健全な運営に必要な額以上は利益を生じないという大前提がございますが、それにもかかわらず大変な利潤を上げられたということで、これについては今まで、少なくとも、財団法人として1992年に認可されて以降、2003年4月、2004年12月、2006年3月、そして2008年の2月に4回ほど実地検査をされておられます。そして、昨年10月に臨時調査もされておられる。なぜこれ、この検査でこれだけの実態が把握できなかったんでしょうか。私はちょっとそこが、やはりそういう会計の専門家ではない文部科学省の職員の方が行かれるから非常にそこは難しかったとおっしゃるかも分かりませんが、やはりこういう監督責任が大きかったんではないかと思いますが、その辺りをどのようにお考えでしょうか。
○清水生涯学習政策局長 まさに先生御指摘いただきましたように、今般、文部科学省所管の公益法人である漢検協会において、公益事業における多額の利益や前理事長等が役員である企業との不適切な取引など、公益法人としての在り方、業務運営に関し、社会的な信頼を損なう事態が生じたことは極めて遺憾でございます。
今回の事態につきましては、第一義的には、漢検協会における公益法人としての業務運営の在り方に大きな問題があったことによるものでありますけれども、文部科学省としても、公益事業における多額の利益については、御指摘のように、過去数回にわたり検定料の引下げについて指導しつつも指導が一般的なものにとどまってしまったこと、あるいは関連企業との不適切な取引については、過去に協会側から報告された資料では取引の存在を認識することは困難であったにしても、外部監査の実地指導やそのフォローなどにより実態把握を早められたのではないかなど、同協会に対する指導監督が全体として不十分であったというふうに認識しております。
○石井みどり 全体的に不十分であったということですが、こういうことを二度と不祥事を起こさない、起こさせないということが大事かと思うんですが、正直に申し上げて、昨年の6月に同じような財団法人で、日本相撲協会、ここも非常に巨額の内部留保をため込まれた、77億円という内部留保をため込まれたということがあって改善指導を文部科学省がされたという事実があろうかと思います。
ですから、やはり相当これからはきちんとした監査体制といいますか、義務付けられないと繰り返すんではないかと思います。そして、ここまでこの漢検が肥大というか大きくなったのは、やはり1992年、文部省が、当時文部省ですけれども、財団法人として認可をされた、そのお墨付きをあげたということが大きかったというふうに思います。
本年6月21日に今年度の3回のうちの1回の検定の試験が行われるわけですが、本年、今年度のものに関しては後援名義等は撤回をされるというふうに指導されたと聞いておりますが、非常にやっぱり文部科学省の関与というか、こういうものが私はやはりこの協会自体が大きくなった一因であろう、それに対しては文部科学省の責任はやはり大きいだろうというふうに思っています。
しかも、様々、今、先ほど申し上げた生涯学習ということでいろいろな検定をする、検定がたくさんございますが、それに対しても、いかにも検定の格付財団まで、昨年の12月に2億円も出して資格標準化機構というものもつくっておられる。これに対して非常にやはり公的な関与といいますか、そこに関して中教審からの答申というところで、非常に文部科学省に対して働きかけられたという経緯もあろうかと思います。
それから、これから先、やはりその辺りを、例えば公益法人改革が、2013年に移行いたしますが、そして昨年12月に新しい公益法人制度がスタートいたしておりますが、これから先はやはり監査体制といいますか、会計監査も義務付けるとか、そういう必要があるんではないかと思います。そして、何よりも、非常に多くの学校が団体受験をされたり、あるいは大学や企業もこういうものを多く利用されているということがございますので、これから先、今回の270万人の受検者ですか、昨年度、この実績が持続するかどうかはさておいて、これから先もやはり6割ぐらいは継続してやるというふうに学校辺りでおっしゃっているわけですから、検定料も反映をさせる。こういうことが公になったわけですから、きちんと還元をしていく、公益法人ですから還元をしていくというところで、私がちょっと疑問に思いましたのは、今までも、例えば小学生の低学年が受けるものが昨年度で1500円、今回の4月15日の指導でやっと1400円になったと。それから、高校生辺りですと、この4月15日まで4000円も払っておられたとか、大学あるいは一般の一級になると5000円であった。今回の4月15日に4500円になった。
やはり、多くの学生、児童が受けていたわけですから、こういうところをもっと厳密に御指導されるべきであったんではないか、非常に申し上げにくいんですが、生ぬるかったんではないかという気がいたしますので、今回のこの反省をどう生かされるのかをお聞かせいただきたいと思います。
○清水生涯学習政策局長 まず、日本漢字能力協会の事例において特に問題なのは、過剰な利益を生じている御指摘の問題と、そして理事会等に諮ることなく理事長、副理事長が役員である企業との取引をやっている、二つの問題、大きな問題があったわけでございます。
文部科学省におきましては、漢検協会においては、新しい理事長の下で、受検者を始めとする国民の皆様からの信頼回復に向けて、まず理事、監事、評議員の人事を含めた体制の抜本的な刷新、そして前理事長等が役員である企業とのすべての取引解消など、法人運営の抜本的改善の取組が今進められているところであるわけでございます。
御指摘のように、検定料、受検料の問題につきましては、更に全体のこの様々な改革を進める中で、当面、引下げは行いましたが、更なる引下げに向けて、将来の検討課題であるということを私ども4月25日に通知をし、指導し、あわせて、そのことについても宿題として取り組んでいるところであるというふうに思っております。
文科省としては、まず同協会においてそういう抜本的な改善が早急、着実に図られて、漢字検定事業を含めて、諸事業について関係法令にのっとった適切な運営が行われるよう、同協会によってその取組状況を随時報告をいただきながら、引き続き厳正に指導監督してまいりたいというふうに思っております。
また、この漢字検定協会から、監督上の課題というものを踏まえまして、法令や公益法人の設立許可及び指導監督基準等含めて全体としてその検証を行っているところであり、その上で必要な措置を講じながら、御指摘のような外部監査制の導入、公認会計士等の、これは非常に有効であるということを私どもも先ほど御答弁申し上げましたように認識しておりますので、更に改善を図るように努力してまいりたいというふうに考えております。
○石井みどり 子供たちも入れて国民といえば、多くの国民の方々がかかわってきた漢検の事業でございますので、やはりこれからも厳正な御指導を是非していただいて、国民の方々に不信を抱かれない、そういうところを是非お願いをしていきたいと思います。
続いて、今の世界同時不況ともいうべきこの厳しい経済状況の下では、失業あるいは離職などで学生時代に受けていた奨学金の返還が非常に困難になった人たちが増えているんではないかと懸念をしています。そのことに関して少し御質問をさせていただきたいと思います。
こういう奨学金の返還困難者の方々に対して、今年度の補正予算においても手当が盛り込まれていると思いますが、こういう困難者の方々に対しては、やはりセーフティーネットを設けるということが大事なんではないかと思います。
〔委員長退席、理事神本美恵子君着席〕
それに関しまして、例えば今年度どういうふうに、今申し上げたような補正でも見られていると思いますけれども、どうここを対応されるのか、少しその辺りをお聞かせいただけますでしょうか。
○徳永高等教育局長 今委員御指摘の学生に対する経済支援の問題、大変私どもも大事な問題だと思っております。
今回の補正予算あるいは当初予算等におきましても、例えばこれは都道府県の高等学校等に対する支援でございますが、授業料減免に関する緊急支援ということを486億円盛り込んだところでございます。あるいはまた、学校法人、私立大学の行う学生への経済支援等に対する無利子融資制度、こういったものを110億円創設をするということをしたところでございます。
そのほかに、こういう経済支援の一番基本的な施策でございます日本学生支援機構の行っております奨学金事業の拡充につきましては、21年度当初予算におきましても貸与人員を6万人増しているところでございますが、これに加えまして、この21年度補正予算におきましても37億円積み増したところでございます。
こういった中では、緊急採用奨学金の貸与人数の増、あるいはまた、返還困難者に対して10万人まで猶予可能とすること、あるいはまた、私どもの大きな課題でございますこういう奨学金制度でございますとか返還猶予制度についてきちっと広報するためのリーフレットを作る、そういった事柄を盛り込んでおります。
また、そのほかに、特に私立大学等が学生の身になって具体的にこの支援、相談に乗るということが大変重要でございます。このために、当初予算におきましても本来24億円、私立大学等の学生支援あるいは相談機能の充実ということで盛り込んでおりましたが、今回の補正予算におきましては13億円、これを上乗せをしているところでございます。
○石井みどり 奨学金には様々ありまして、入学前から申請するのと、入学後に申請する、あるいは今御説明があった緊急採用というようなのもございますので、これからはやはりそういう、途中でやはり奨学金を申請したいという方が増えるんではないかという心配をしていますので、これがやはり財源が不足するようなことがないように、また、不足した場合は手当てができるかというようなところも是非お取り組みを。今のお話ですと相当な人数は確保されたというふうに思いましたが、やはりこういう状況ですので、非常に奨学金を必要とする方が増えるんではないかと心配しておりますので、その辺りの対応を是非優先的にお願いをしたい。そうしませんと、先ほど子供の貧困の質問が出てまいりましたが、やはり教育を受けられないと貧困の再生産、拡大ということにつながってまいりますので、是非その辺りをお願いをしたいと思います。
それと同時に、今いろんな方が、いろんなことが、学校現場でも問題になっている給食費の不払の問題とか、いろんなことがあります。経済的にお困りでなくっても払わない方とかというのがあるのと同様に、奨学金の滞納も、払える経済状況にありながら滞納しておられるという問題もございます。それに関して、悪質と言ってはなんなんですが、そういう方々に対しての回収というのは、やはり本当に困っている方々を救済する、支援をするという意味でもこの回収の強化というのが私は必要だと思いますし、そして、返したいんだけれども返せない、猶予をしてほしい、そういうことに関しては、やっぱりめり張りを付けた回収が必要なんではないかと思っておりますが、現在の奨学金の滞納の現状、あるいは、これは一般会計からの補てんをされるんだろうと思いますけれども、そういう辺り、それから、この督促をするに当たっての問題とか課題とかというようなところをちょっとお聞かせいただけますでしょうか。
○徳永高等教育局長 まず最初の緊急採用の問題でございますが、先ほどざくっとした数を申しましたが、今回私どもの方では当初のような予約、あるいは元々その奨学金を出すということを予定された方ではなくて、いきなり大変な状況の中で緊急に奨学金を欲しいという方につきましては、こういったことを十分に対応可能なように、八千人ということですから、これは過去最大の緊急採用の数というようなこととほぼ同じだけこれは資金的には用意したところでございまして、今後ともこういった問題については、できるだけその実態に合わせた形で精力的に取り組んでいきたいと思っております。
〔理事神本美恵子君退席、委員長着席〕
また、2番目の点の、言わばその回収の問題でございます。
先生御指摘のように、日本学生支援機構の奨学金事業、これはもちろん一般会計から、あるいはまた融資の場合は財政投融資資金からの借入れ、こういった資金もございますが、同時に、卒業した奨学生からの返還金、これを再度奨学金の原資として活用しているという性格のものでございますから、当然返還金の回収は、これは大変重要な課題でございます。
特に私どもといたしますれば、初期延滞債権、まあそれは、この初期延滞債権というのはごくごく初めの段階での数か月度の延滞債権でございますが、これをきちっと回収していく、この業務につきまして、民間委託を拡大をしているところでございますし、あるいはまた延滞者全員に対する法的措置の早期化、これまでは延滞が1年以上であったときに法的措置ということを実施をいたしましたが、今後、9か月以上の場合についても法的措置をやる、そこで強制執行まで徹底をするということの対応などにより、返還金の回収強化に努めているところでございます。
一方で、当然現在の経済状況等もございますが、以前より失業あるいは大変低所得であるということで、そういう経済的理由により奨学金の返還が困難だという方もいらっしゃるわけでございまして、そういった方には返還猶予の制度が設けられているわけでございます。そういった中で、私ども先ほど申し上げました延滞債権のことの内容をよく、これは厳密に悉皆調査をしているわけではないわけでございまして、言わばその延滞者に対する抽出のアンケート調査でございますが、その延滞理由によれば本人の、低所得者あるいは生活保護など、本来でありますれば返還猶予の要件に該当するものも少なくないと考えております。
このような状況を考えますと、その返還が延滞している者の中には、真に経済的状況によって返したくても返せない方と、そうではなくて経済的余裕があるのに返さない方と両方いるということでございまして、こういう経済的状況によって返したくても返せないという方の中で、その返還猶予の要件に該当する方については適切に返還猶予手続が取られるよう、そういったことをきちっとしていきたいと思っております。
このためには、今後言わば奨学事業、そしてその言わば延滞した場合の取扱い、私どもがどういう形で回収をしていくのか、また同時に、返還猶予制度があると、そのためにはどういう手続を取るのか、そういったことについてきちっと周知徹底をしていきたいと思っておりますし、また延滞者についてより正確な実態調査を行いたいと思っております。
また、当然余裕があって返還をしない、先生御指摘の悪質な滞納者ということについては、これについては一方で回収をきちんと強化をして、適切な対応を促していきたいと思っております。
○石井みどり 今、できるだけその猶予の方々ですね、返還猶予の方々に対してはきめ細かく、本当にどういう事情なのかということをきちんと把握をされて、しゃくし定規な規定ではなく、できる限り、返したいという意思がある方に対してはその意思を生かす方向で対応していただきたいと思いますが。
今おっしゃった悪質な方に対しては、私は正直申し上げて、別にやみ金のような取立てをしろというのではないんですが、やはり役所がおやりになる、役所といいますか、おやりになる返済では、なかなかそこのところがうまくできないのではないかと思うんですけれども、その辺りを少し民間の知恵を借りるとか、そういうことをおやりになるつもりがあるのか。あるいは、それに対しての何か方策、そして今年度の財源的なこともきちんとされているのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○徳永高等教育局長 先生御指摘のございました債権回収ということでございます。これにつきましては、既に平成17年度から一部の債権回収業務を債権回収業者に試行的に委託をしているわけでございます。当然これは複数の業者が入札に参加をして、それで競争で選んでいるわけでございますが、平成17年度から20年度の実績といたしましては、全体として延滞債権の件数が25000件あったわけでございます。それらについて、ある場合には例えば30数%あるいは20数%という形でそれなりに言わば返還されているというようなことがございます。
そういうこともございますので、今後そういった回収業務等につきましては、これを幅広くできるだけそういう業者等の活用も考慮に入れて拡大をしていきたいと思っております。
○石井みどり 是非、本当にまじめに働いて返そうと思っている方々が生かせるような形での債権回収をお願いをしたいと存じます。
続いて、今度、留学生のことについてお聞かせいただきたいと思いますが、今までも、1983年に日本は、我が国は留学生受入れ10万人計画を立てられて、そして2003年にこれはもう目標を達成されたと。そして、昨年、留学生30万人計画、これ2020年度を目途として計画をされたというふうに聞いておりますが、昨年、ODA特別委員会の調査でインド、ネパールへ行かせていただきました。やはりまだまだ、特に発展途上国、アジアに対しての日本の果たす役割は大きいというふうに思いました。
そして同時に、まさにこのグローバルな世界の中で、その戦略の一環として優秀な留学生を我が国に受け入れるということは、少子化の観点からも非常に私は価値があるんではないかと思っておりますが、その辺りを、これは事文部科学省だけではなくいろいろな省庁が連携してされるんだと思いますが、それをどういうふうに留学生を我が国は受け入れていくかという一連のそこのところの方策を少しお聞かせいただけるでしょうか。今、特にICT産業においては日本は人材が不足していると言われている。インドあるいは中国からの人材を産業界は受け入れるというようなことも言われている。となると、今後のこともございますので、その辺りを少し御説明いただけますでしょうか。
○徳永高等教育局長 昨年、関係省庁が福田前総理の下におきまして留学生30万人計画、これを政府として策定をしたわけでございます。そういった中では、大きく分けまして5つの施策の柱があるわけでございます。これは文部科学省だけということでございませんで、関係省庁で協調してやっていくわけでございますが、一つには、日本留学の動機付けをきちんとしていこうと思っております。現在、例えば、大変ちょっとこれは申し訳ないわけでございますが、日本に留学する情報が不足しております。あるいは、手続が煩雑で、非常におしかりを受けるわけでございますが、いったん日本に来て入学試験を受けてからもう一回いらっしゃいみたいなことを言っておりまして、こういったことではなくて、今後、例えば在外公館あるいは国際交流基金、JICA、ジェトロ、そしてまたこういう各国に施設もあります。あるいはまた、大学等におきましても世界に200か所以上拠点があるわけでございます。こういったところが言わば一緒になって日本に対する留学ということについてのPRを行い、その上で、行く行くはワンストップサービスということを展開していくことが必要ではないかと思っております。
また同時に、特にポイントとしましては、先生おっしゃったように、ODA対象国である発展途上国からの留学生、現在でも4分の3は発展途上国からの留学生でございますが、それでもやはり特定の国々からの留学生に偏っているという御指摘がございます。できるだけ幅広くいろいろな国から留学生を招いていきたい。そのためには、言わば満遍なくいろんな国からという作戦ではなく、例えばいろいろな様々な歴史的経緯、あるいは現に外国での交流、共同研究、教育等の実績から見て、例えばこの大学はこの地域へ、この大学はこの国にという形で、地域別、国別の戦略を持って留学生を獲得を推進をしたいと思っております。
また同時に、我が国に入ってくる入口の段階で、先ほども言いましたように、できるだけ日本留学試験というものを外国で行うと。こういうことによってわざわざ渡日をしなくてもいいということにもなりますし、あるいはまた、きちっと大学が在籍管理を徹底していただくということを条件に、これが当然の前提でございますが、その上で言わば入国管理というものを、大学のきちんとした在籍管理ということと入国管理ということを言わば一体的なものとしてできるだけ手続を簡素にしていくという問題もございます。
あるいはまた、我が国の大学自体がこれを国際化をするという必要がございます。まだまだ我が国では英語で単位が取れる大学院等が少ないわけでございます。こういったものにつきまして、言わば国際化の拠点となる大学を幾つか選定をする、今年度の予算におきましては国際化拠点事業として12大学程度を選定する予定でございますが、こういった幾つかの拠点大学におきまして、できるだけ、例えば外国人の教員あるいは外国人の学生を増やすという目的の下に、大学の中の教育研究自体をグローバルなものにしていこう、英語による授業をしていこうというようなことも考えております。
また同時に、受入れ環境づくりとして留学生宿舎の整備といったことも当然必要でございます。あるいはまた、様々な経済的支援といったことも必要でございます。
また、最後に先生も御質問の中で御指摘いただきましたように、やはり例えばIT産業に優秀な方に就職をしていただくという観点も必要でございます。その意味では、今までの場合ですと、どうしても、日本に留学に来られるんですが、そのままお国に帰ってしまうということに関して、言わばきちっと就職、優秀な方には日本の企業に就職までしていただくというようなことも視野に入れなければいけないと思っております。そういう意味では、産官学が連携したインターンシップを実施をする、あるいはまた同時に就職活動のための在留期間を延長する、こういったことについて関係省庁において一体的に取り組もうということに考えております。
○石井みどり 留学した方がそのままお帰りになる、中国ではウミガメ作戦とか言っているみたいですけれども、そのことのいいところもあるんですね。私は、インド、ネパールへ行かせていただいたときに、現地でお聞かせいただいたことに、インド、ネパールはやはり旧宗主国がイギリスであります。イギリス連邦で、やはり、例えば日本がODA辺りで支援をしてそういう医師とか医療職の方々がブラッシュアップすると、そうするとインド、ネパールいなくなってむしろイギリス連邦のほかの国へ行ってしまうとか、あるいは例えば欧米の方へ留学すると自分の国へ帰らないでそちらへ残ってしまうと、そういうようなことがあるんですが。
日本ですと、これからは優秀な人材、日本も少子化社会ですので、受け入れてそういう方々をやはり日本の産業界で生かしていくということが大事だと思いますが、一方では、発展途上国ですから、その国のやはり発展のために貢献していただく人材として送り返すということも、私は、日本がお金を掛けてこれだけ留学生の教育をしていくわけですから、そのことはやはり双方の国益にかなうのではないかというふうに思っています。
今までも、先ほど申し上げたように、10万人計画、また今度の30万人計画ですけれども、やはり留学を終了して帰られた後のフォローアップ、せっかく国民の貴重な税金でこういう方々に対しての教育を支援をしていくわけですから、その方々がやはり日本に対していい印象、日本のサポーターとなってお帰りいただくことが大事なんではないかと思いますが。
そして、お帰りになった後も、そういう人材を生かして、日本の企業だけでなく、やはり行政あるいはいろんな形でそういうネットワークをつくって、その後も連携を図って交流を図ることが必要なのではないかと思いますが、そういうところを今まで、例えばアンケートじゃないですけれども、そういう調査をされたことがあるのかとか、あるいはそういうことをこれから先、お帰りになった方々に対しての支援というようなことをどのようにお考えか、ちょっとお聞かせいただけますか。
○徳永高等教育局長 特にフォローアップ、大変大事なことだと思っております。ただ、今回も会計検査院の御指摘の中で、国費留学生についてきちっとそういうアンケートをしていないというようなことを御指摘ございましたので、そういった御指摘を踏まえて、今後、帰国時において、現在、私費留学生についてはどうであったかということをちゃんと調査をしておりますが、まずは国費留学生の方が帰る際にもそういったことをきちっとお聞きしたいと思っております。
また同時に、現在、学生支援機構におきまして、国費留学生等につきましては、連絡先等が入りました名簿を作成をして外務省とこれを共有するでございますとか、あるいはまた研究に従事する帰国留学生のため日本の大学等での指導教官の母国への派遣をするとか、あるいは帰国留学生のメールマガジンによる情報提供をする、あるいは、これは外務省の方でやっていただいているわけでございますが、帰国留学生会を組織化をする、あるいはその帰国留学生の集会施設の経費の助成をする、あるいは元日本留学生の集いという、こういったことを外務省において行っているわけでございます。
是非、今後とも関係省庁と協力をして、フォローアップを一層充実をしていきたいと思っております。
○石井みどり 是非、せっかく日本に来られて、いろんな地域でも、地域社会との交流もあったり日本の人々との交流もあったりして、いい思い出を持って帰っていただきたいんですが、不幸な結果にならないように是非そういうフォローアップを図っていただきたいと思います。
これ最後の御質問になりますが、今国立大学の附属病院医学部、今回は歯学部はさておいて、医学部中心にお聞きしますが、今独立行政法人、独法になって非常に大学病院が厳しい運営にさらされて、そして稼げ稼げと言われる割には、やはり地域医療のヒエラルキーのトップですので、高度先進医療あるいは地域医療の中の非常にハイリスクで不採算なところの患者さんが来てしまうということが言われています。
その割に、独法ですので非常に財務的には厳しい指導を受けるというところがあろうかと思いますが、特に大学病院、地方に行けば行くほど大学の附属病院というのは今申し上げたような高度先進医療、そして非常にハイリスクな医療も担わなきゃいけない。同時に、医師の養成だけでなく、コメディカル、様々な医療関連職の養成機関でもあるわけですので、その辺りを私は単に不採算だからというとらえ方をされるのは少し政策上問題があるんではないかという気がしています。
と申しますのも、昨年度の補正でもそして今年度の予算でも、医師不足対策と地域医療を支えるということで大学病院の機能強化に関してそれぞれ予算が付けられています。特に、周産期医療の体制に関しては、大学病院がもう少し体制を強化すればもっと地域の周産期医療のシステムが強化されるという、そういうことを様々御指摘をされておられます。特に、医師だけでなく、やはり医師も含めて看護職の方々あるいはその他の医療職の方々をも養成するために今回も予算が付けられているわけであります。それから、専門医療というところでいえば、がんの対策に対してもプロフェッショナルの養成というところでも予算が付いているわけでありますし、そういうまさに地域医療の中核としての大学病院の機能を充実させるという、そういうところでの予算が付いているにもかかわらず、非常に不採算なのでそういうところを改善するようにという指導がされている。
私は前も申し上げたんですが、片っ方でブレーキを踏みながら片っ方でアクセルを踏むみたいな、非常に政策的に矛盾しているんではないかという気がしてならないんですが、平成17年から5年間で総人件費は5%削減するという、そういうことが取られています。ですから、医師に関してはベースアップもない、それから処遇も改善されない、それからコメディカルのスタッフも増やすことができないということが言われます。
それから、国立大学の附属病院へ行かれたらびっくりすることが結構あると思うんですが、極めて設備が古かったりするんですね。大学病院ですから、研究ということも大きな柱の一つで、研究棟なんかに行くとびっくり、セクションによっては違うんですけれども、ほとんど廊下に電気がついていなかったりするんですね、無駄を省くということで。で、まだこんな機械を使っているのという、設備が非常に古かったりします。
ですから、努力をされていないわけではないんですね。しかしながら、そういう設備の予算に関しても財政支援は乏しいというふうに聞いております。それから、いわゆる収入を生まないところに対しての設備は概算要求ではほとんど手当てがされないとか、それから貸付制度もあるとは聞いていますが、低金利ではあるみたいですけど、全額病院の負担になっているとか聞かされます。
ですから、この辺りは、私はやはり大きく国が政策として国立大学の病院をどうとらえていくのかというところが、大臣にお伺いしたいんですけれども、その辺りを、やはり矛盾した政策ではなくきちんとした方向をお示しいただくことが重要なんではないかと思いますので、お聞かせいただけますでしょうか。
○塩谷文科大臣 ただいま石井委員から大学病院の様々な指摘をしていただきました。当然そういう点、我々もしっかり受け止めて、大学病院としては、高度な医療の提供あるいは新たな医学、医療を開く研究の推進、また優れた医師等の養成等を考えて、重要な社会的使命を担っているととらえているわけでございます。
しかしながら、運営については、これ、各大学病院には2%の収入改善と、その一方、その分だけ運営費交付金が減額されるということで、トータル的には相当減額になっているわけでございまして、この在り方も、国立大学の運営費交付金の中期計画と併せて今後検討していかなければならないと思っておりますし、そういう点は我々踏まえて、特に先ほどもお話ございましたように、21年度当初予算と補正において、各コメディカルスタッフの増員とか診療基盤施設の設備とか、NICUの周産期医療のための診療用設備等々、そういった予算で今確保しているところでございまして、今後、大学病院等の役割、そして地域における責任を持ってしっかりと対応していくためには、様々な課題をしっかりととらえて今後検討していく必要があると思っておりますので、特に今、医師不足等、あるいは今委員御指摘の様々な問題が日本の医療に大きくかかわってくると思っておりますので、是非そういった点、しっかりと検討させていただきたいと考えております。
○石井みどり 確かに財政上の健全化というのは必要だと思いますが、やはり何が今求められているか、そこのところを一律にお考えいただくんではなく、一番今地域で果たす大学病院の役割、地域医療における役割、あるいは医療安全の観点からも、それから先進医療、ここも先ほど少し同僚の古川議員の方から御指摘ありましたが、そういうところ、そしてやはり医療職の人材というところも問題でございますので、是非その辺りをお願いをしたいと思います。一律なマイナスというのではなく、この状況に合わせた主張を是非していただければと思います。
ありがとうございました。