2009.06.02

予算委員会(2009年5月25日) 議事録

予算委員会(5月25日)での質疑内容をアップします。自殺対策のあり方について質問しました。
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参議院 予算委員会

2009年 5月25日

自由民主党 石井みどり

 

○石井みどり 自民党の石井みどりでございます。

 財務大臣、厚労大臣、総務大臣、御退出いただいて結構でございます。(発言する者あり)財務大臣、済みません、失礼申し上げました。

 先日、警察庁から昨年の自殺者数が発表されました。連続11年、3万人を超える自殺者数が出ております。特に10月は、リーマン・ショック後ということで3912人という数を見てしまいました。本年3月も3000人を超えている。

 野田大臣は、自殺対策白書の中で、社会の努力で避けることのできる死であるというふうにおっしゃっています。この数字を御覧になってどういうふうに担当大臣としてお考えになられるか、認識をちょっとお聞かせいただければと思います。

 

○野田聖子内閣府自殺対策担当大臣 今委員御指摘のとおり、昨年の10月が3912名、そして、今年の3月は3060人の方が自殺により亡くなられている、このことは本当に痛ましい事態でありまして、担当大臣である私は誠に深刻に受け止めているところであります。

 政府におきましては、御承知のとおり自殺対策大綱がございますし、また10月31日に作りました自殺対策加速化プラン、これを踏まえて、地方公共団体や民間団体とも連携して、失業や倒産、こういう形で、社会的な要因とも言える自殺を中心に総合的な取組を実施させていただいているところです。

 とりわけ、現下は大変厳しい経済状況と言われておりまして、今年の2月の17日にも、それを踏まえて、閣僚懇談会におきましてそれぞれの担当大臣に、この厳しい経済情勢ですから、なお一層この自殺対策につきましては力を入れていただきたいことも私の方から要望をさせていただいているところであります。

 さらに、今御審議いただいている平成21年度の補正予算案の中に、地域における対策の強化をしなければならないという現実の声を受け止めまして、それに必要な経費として地域自殺対策緊急強化基金、これ仮置きの名前ですけれども、これで約100億円を計上させていただいて、これによって対策の充実を図っていきたいと思っております。

 いずれにしましても、自殺対策、今お話があったように、これまでは極めて個人的なものとしてこの国では片付けられていたものですけれども、やはり社会的要因等、予防できることであるという新たな認識の下でしっかりと生きやすい社会をつくること、これを目指して取り組んでいきたいと思っております。

 

○石井みどり 今大臣にお答えいただいたように、政府も平成18年の自殺対策基本法以来、3年を迎えようとして様々な対策も取ってこられているわけですが、今大臣から御説明がございました地域自殺対策緊急強化基金、これも本年度の補正ということで予算を付けていただいたということでありますが、これが今、この予算もさることながら、今都道府県に対して自殺対策加速化プランにおいても都道府県管内の全市町村にその対策の担当の部署を置いて、そして自治体の中でも総合的に自殺対策を推進しようということを政府の方でされていますが、この基金のことをもう少し詳しくお教えいただけますでしょうか。

 

○野田聖子内閣府自殺対策担当大臣 今お話しのとおり自殺対策、真剣にこの国が取り組み始めてまだ3年くらいしか経過しておりません。まずはやはり都道府県、やっぱり地域の地方公共団体に自殺対策をしていただきたいという要望をずっと出し続けてきておりますが、なかなかいろいろ財政上の問題もあり、にわかに大きな活動ができていないというのが実情でございました。

 さらに、それぞれの地域にボランティア団体がたくさんございまして、本当に自殺が実際に行われる場所でパトロールをしていただいたり、又は自主的に電話の相談をしていただいたり、ありとあらゆる民間団体の方がその最前線の本当に自殺と直面している人たちの一番近い距離の中でその死を食い止めようと努力をしていただいているんですが、これにつきましても今まで余り皆さんに注目されていなかった仕事ゆえに、人材養成、たくさん人を育てていただきたいにもかかわらずなかなか寄附金等が集まらず御苦労されているという現場をずっと見てまいりました。

 そういった意味で、この度補正予算の中に初めて自殺対策のための、特に現場の皆さんの必要としている経費をしっかりつくれるということで緊急対策の中で地域自殺対策緊急強化交付金という形で百億円の計上をしています。この交付金によりまして都道府県に当面の3年間、この対策に係る地域自殺対策緊急強化基金を造成していただきます。そして相談体制の整備とか今申し上げた人材養成、こういうことに対して緊急に実施をしていただくことになっています。

 この基金は、そもそもやはり自殺対策のノウハウというのはまだまだそんなに樹立されているものもなく、やはり手探りのところで、いろんなことをしなきゃならない中、これをやれば大丈夫というのがない中で、やはりその様々なボランティアの方たちがやっているものをメニュー、前提、それをひな形として幾つかメニューを用意しておりますけれども、これに限定されることなくやはりそれぞれの地域の実情に応じて自殺対策にこれが有効的だというものがあればどんどん自発的に取り組んでいただこうということで、非常に緩やかな地方主権のメニュー方式ということで取り組んでいるところであります。

 いずれにしても、この基金を通じて民間の方たちのそういう努力が報われ、そして地域の中で自殺対策がやはり根付いてしっかりと一人でも多くの人の命をつなぎ止めていただく、そういう力をつくっていただきたいということで造成させていただいています。

 

○石井みどり 今詳しく御説明をいただいたんですが、この事業メニューも、今ありましたように人材養成、これは相当な専門家でないとそんなに軽々にはできないだろうと思います。

 それから、従来からある電話相談事業とか様々地域によっていろんな取組が、いい取組がございますので、是非それが、一どきに全国には波及はしないかもしれませんけれども、そういう取組を参考にしながらできるだけ基礎的な自治体である市区町村で進むことが一番大事なんではないかと思いますが。ただ、そうなりますと、都道府県であればそういう専門家、例えば精神科医であるとか臨床心理士であるとか、そういう方々がいらっしゃる。あるいは場合によっては弁護士のいらっしゃらない市町村もあるわけですから、そういうときに私はいつも思いますのは、行政は何が一番できるか。コーディネートはできるだろう、都道府県はできるかもしれない。しかし、市町村になると人材がない。そうすると、少し広域的な工夫をしたり、そういう地域の人材を生かす連携というところが出てくるんだろうと思いますので、そういうところを是非、国の方は、ありとあらゆる総合的な支援ということでお考えいただきたいと思いますが。

 実は、大臣は、消費者問題に関する特別委員会で担当大臣で連日御奮闘でございますが、そこでも出た御質問で、あのとき、地方消費者行政の活性化基金、これが非常に使い勝手が悪いというようなことが出ましたので、二の舞にならないように是非、きめ細やかに地域に合わせて、せっかく100億というお金が付いた今までにない画期的なことだと思いますので、生かされるように是非お願いをしたいと存じます。

 

○野田聖子内閣府自殺対策担当大臣 様々な基金が今回つくられているわけですけれども、今回、この自殺対策の基金に関しては、行政の都道府県又は市区町村の役場の人にどうのというよりも、やはりもう既にたくさんのボランティア団体が、電話であったり、実際のパトロールであったり、シェルターであったり、いろいろな形で、そういう水際で、最前線で頑張っておられます。そういう方たちのノウハウというのを聞くと、にわかに役場の人に人件費付ければ自殺が未然に防げるような生易しいものではありません。ですから、むしろ都道府県、市区町村を通じてその地元で活躍しておられているボランティア団体の皆さんがより活性化される、そこを通じてやはりたくさんの専門知識を持ったボランティアの人たちが人材養成されるということがやっぱり大切なことであると、それに主眼を置いて基金を使っていただきたいなと思っています。

 一つ私は本当に感銘を覚えたのは、夜、自殺の相談電話をやっておられるボランティア団体のところに行きました。8時にスタートするんですね。なぜ8時からスタートするかというと、夜中じゅうやるんですね。というのは、行政は日中はやってくれるけれども夜はやってくれないと。やっぱり夜になって一人になって寂しくなってそういうことが募るのに行政はそれができない、対応ができないというので、民間ボランティアが行政がやらない夜8時から自殺の相談を受けるわけですが、8時になるとすぐに電話が鳴ります。それで、受け取っている方たちは、電話口で自殺がしたいとおっしゃっている女性にやめなさいとは言わないんです。やめなさいと言っちゃいけないそうなんです。それは、やっぱり寄り添ってずっと聞き届けて、そして寄り添うことが大事だということで、これもにわかにできることではございません。

 ですから、そういう長年のボランティア団体で現場に携わっている人たちが、その人たちが力を付けて、そういう形で、民間活力でこの自殺対策にはやっぱり取り組んでいただくのが一番いい形ではないかと私自身は思っておりますので、そういうふうに基金は使っていただきたいなと思っています。

 

○石井みどり 大臣よくお分かりですので、是非その御理解の下で進めていただければと思います。

 今、自殺対策というところで、やっぱりきちんとした対策を立てるためにも、特に緊急対策というところにおいては、やはり警察庁が発表されるデータが私から見ますとまだ非常にラフなんではないかという気がいたします。

 フォーカスがソフトであればあるほど対策としてはあいまいにならざるを得ない、フォーカスがきちんと当たれば適切な対策が立てられるんではないかと思うんですが、本年1月から月別、都道府県別のデータが公表されるようになりました。大阪は20%、北川先生のところですが、増え、愛知は何と59%も激増しているという状況が出ております。

 今、市区町村単位でのデータが出るというふうに聞いておりますので、これはやはりもっと、都道府県別、それから男女別総数とかというのではなく、市区町村別に詳細なデータをやはり公表されて、様々な団体がこの対策を取っておりますので、みんなでそこを活用していくべきではないかと思いますが、そこはいかがでしょうか。

 

○園田警察庁長官官房審議官 お答え申し上げます。

 警察庁といたしましては、自殺対策に資するために本年の1月以降の月別の自殺者数につきまして、総数、それから男女別及び都道府県別の暫定値を公表しているところでございます。

 ただ、月別の自殺者数につきまして、市町村別など更に詳細なデータを公表あるいは関係機関に提供することにつきましては、月別の数値はあくまで暫定値でございまして、詳細にしますと統計数値として一層不安定なものとならざるを得ないということ、それから、詳細にすることで特定の個人が推認されるおそれもございまして、自殺者御本人や御遺族の名誉、プライバシーの問題があることから、これにつきましては慎重な検討が必要であると考えております。

 

○石井みどり ただ、本年3月も急激に増えたわけですね。そうすると、やはりその直近の原因を探らないと適切な対策は取れないと思いますが、月別で出ないというのは、私は統計学とか推計学の専門家ではありませんが、少なくとも、翌月の5日とか10日とか言いませんけれども、翌月末ぐらいであれば出るんではないかと思うんですが、このデータは多分ソフトがあってフォーマットがあるんだと思うんですが、警察の中でこれはもちろんオペレーターが打ち込んでいらっしゃるんだと思うんですけれども、きちんとそういう統計学的な専門家の使いやすくするような、データとして使いやすくするような、そういうソフトになっているんでしょうか。ちょっとそこをお教えください。

 

○園田警察庁長官官房審議官 お答えを申し上げます。

 現行の自殺統計のシステムにおきましては、市町村別などの詳細なデータというのを出すことについては困難な状況にございます。

 

○石井みどり 個人情報を守るというのは大変大事でございますし、個人が特定されないような発表の仕方はできると思うんですね。ただ、警察が詳細なデータを持って、そしてそれをどう関係団体にも公表していくかという、それはまた次の段階だと思うんですが、なぜ市区町村別のデータが出ないんでしょうか。そこはちょっとお教えください。

 

○園田警察庁長官官房審議官 お答えします。

 警察庁におきましても、自殺対策に協力するということは大変重要なことというふうに考えておりまして、内閣府等に対しましては、既に年間の全国の警察署別の詳細なデータを提供しているところでございます。

 また、本年から集計をいたしております市町村別データにつきましては、年間の数値が確定した段階で提供するなど、可能な範囲で協力していくことと考えております。

 自殺統計資料の関係機関等への提供の在り方につきましては、これから自殺統計のシステムの在り方も含めまして、今後とも関係機関と協議し、検討してまいりたいと考えております。

 

○石井みどり 今のを伺っていると、いかにも内閣府が意地悪をして数字を公表しないみたいに聞こえますが、決してそうではない。警察から送られないと内閣府も発表できないんではないかと思うんですが。

 少なくとも、数値が特定できるというのは、今の時代、日本人のアストロノートが宇宙ステーションで今もう2か月暮らしている時代ですね、どんなソフトをお使いなんでしょうか。私、そこが本当に疑問でなりません。一番緊急を要する対策です。1人でも救うというお気持ちがおありになるんでしょうか。是非、もう少しきちんとした民間の知恵を借りながら、データというところを解析をもう少し前向きにやっていただきたいと思います。

 もう残された時間がわずかですので、やはりエリアが広いと地域特性がぼやけて対策も非常にあいまいになってしまいます。是非そこをお願いをしたいと思います。

 それから、このことに関しては、もう少し統計システムをもっとブラッシュアップする、より専門的に高度化するというおつもりはないんでしょうか。

 

○園田警察庁長官官房審議官 お答え申し上げます。

 現在の自殺統計システムは本年1月から運用を開始したものでございますが、旧システムを根本から改めて高度化したものと考えております。これによって、旧来のシステムではできなかった月単位の自殺者数の把握が可能となったわけでございます。

 今後とも、統計システムの在り方も含めまして、関係機関と協議いたしまして検討してまいりたいと考えております。

 

○石井みどり 協議いただくのは結構ですから、是非前向きに、1人でも救う、追い込まれた上の苦しい苦しい死です。選ばなくて済むかもしれない死でございますので、できるだけ、政府が1人でも救うんだと、そういうメッセージもきちんと出す意味でもちゃんと取り組んでいただきたいと思います。

 ちなみに、アメリカの場合はカウンティーで全部出ます。年間人数、月別人数、男女別、五歳区分の年齢、性別、手段、ピストルかライフルか薬物か、場所、要因、未遂歴、自殺予告歴、婚姻歴、この10項目で出てきます。

 これでしたら、かなりクロス集計していろんなことが分かります。それぐらいのつもりでおやりいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

 

○溝手顕正予算委員長 いいですか。

 

○石井みどり これで質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。