↓議事録PDFはこちら
ODA090325.pdf
参議院政府開発援助等に関する特別委員会
2009年 3月25日
自由民主党 石井みどり
○石井みどり 自由民主党の石井みどりでございます。
先ほど来、木俣委員、藤末委員から御質問が続いておりますので、同じ案件ばかりが続きますが、私も少しPCI事件のことに関してお伺いしたいと存じます。(発言する者あり)集中審議という意識はございませんが、私は少し視点を変えてお伺いしようと思っております。
現下の経済状況、大変日本は厳しくって、若者も非常に苦しい生活をしている。雇用、住まいを失うという状況の中で、その中から国民の方々は税金を納めていらっしゃる。まさに血税であります。
この税金を私どもやはり有効に生かすということが一番大事なことでありまして、まさに、残念ながらベトナムにおいても起こったPCIの贈収賄事件でございますが、これに対して本年2月に日本・ベトナムODA腐敗防止合同委員会から報告が出ているかと思いますが、先ほど来の質問の中でも御指摘でありますが、いかに大変大切な国民の血税を生かしていくか、ODAというのは日本外交にとって大変大きなことでございますので、いかにこの不正腐敗を今後二度と起こらないようにするか、再発防止策を取っていくかということだろうと思いますけれども、その辺りをこれからどう取り組んでいかれるか、お聞かせいただければと思います。
○木寺国際協力局長 お答え申し上げます。
事件の発生を受けまして、先生御指摘のように、2月に日越ODA腐敗防止合同委員会を立ち上げまして、ODA事業に関する不正腐敗防止改善策をまとめ報告書を発表いたしました。
具体的には、ベトナム側におきます措置といたしまして、調達や契約手続の公平性、透明性を向上させる、それから個別腐敗事案の早期探知と厳正対処、それから腐敗防止の制度・体制強化といった取組がございます。それから、日本側の措置といたしまして、手続の公平、透明性向上、競争性を高める工夫をする、それから腐敗防止の制度・体制強化、日本のコンサルタント業界におけるコンプライアンスの取組強化と、こういった内容が盛り込まれております。
この報告書に盛り込まれました措置は、ベトナムだけではなくODAを供与しておりますその他の国にも効果的だと考えておりまして、そこで、日本側措置につきましては、原則としてすべての円借款供与国に適用していくことを考えております。また、ベトナム側措置と類似の措置につきましても、順次ベトナム以外の円借款供与国との協議を経て実施の協力を要請していくことを検討しております。
外務省といたしましては、PCI事件のような不正事件の再発防止に真摯に取り組んでまいる所存でございます。
○石井みどり 取組ということで改善策が出たわけでありますが、これをやはり本当に今お答えになったように真摯にきちんと取り組んでいただきたい。
特にお願いをしたいのが、日本側の措置の中で、不正腐敗に関する情報の提供というところで情報の処理体制を整備するということでありますが、今企業のコンプライアンスに関して内部告発ということが随分出てきておりますが、その情報提供の方々に対して決して身分が保障されるというか、そういうところは十分お気を付けいただきたい。そうしませんと、なかなかこういうことは出てこない。先ほどの御指摘もあるように、なかなか発見するのが外務省だけでは難しいんではないかと思いますので、そういうところを是非気を付けてお取り組みいただきたいとお願いいたします。
続きまして、昨年、日本にとりましては大変ODAの記念すべき年であったというふうに思っております。TICADⅣあるいは北海道で洞爺湖サミットもございました。しかし、残念ながらODAの予算は減り続けていると。今や日本は第五位ということで、来年はひょっとしたらイタリアにも追い越されて6位になるんではないかというふうに言われています。
こういう中で、国際公約として日本が表明したことの中で一番私の関心があるのは、医療者としてやはり保健医療分野での国際公約ということが私にとりましてはやはり一番関心があることでございますので、そこに関してちょっとお聞きをしたいと思っております。
我が国は、小渕内閣以来、人間の安全保障の視点から、やはり非常に健康政策といいますか、こういうことを重要視してまいりました。昨年の洞爺湖サミットにおいては、ヘルスシステムの強化ということで、健康に関する洞爺湖行動指針というようなことも挙げられております。それが政策としての具体的な成果であろうかというふうに思っておりますが、これから先はやはりグローバル・ヘルスということが大きな外交政策上の私は課題であろうというふうに思っております。
今までお約束された医療、保健に関する分野での国際公約の、どのように進めてこられたのか、進捗状況。また、今後、非常に厳しいODA予算の中でどのように展開をしようとしておられるのか、その辺りをお聞かせいただけますでしょうか。
○伊藤外務副大臣 石井委員御指摘のとおり、保健医療分野での約束をしたわけでございますけれども、昨年の第四回の、北海道洞爺湖サミット及びTICADⅣ等において日本が表明した保健医療分野での国際公約、いろいろありますけれども、人間の安全保障の観点から、特に保健の分野に焦点を当てました。我が国は、保健関連のミレニアム開発目標、いわゆるMDG3の達成に向けたメッセージとして、特に感染症対策、母子保健の向上、保健システムの強化について包括的な取組と、こういうものを推進すると。このことを中心に、重要性というものを強調して技能を指導してきたわけでございます。
特にTICADⅣにおいては、我が国自身の取組として、世界エイズ・結核・マラリア対策基金に対する当面5.6億ドルの拠出、またアフリカにおける10万人の保健医療従事者育成等の具体的な支援策等を打ち出しており、その実施に努めてきているところでございます。
このうち基金については、まさに3月24日ですから昨日でございますけれども、約1.9億ドルの拠出をしたところでございます。また、TICADⅣ以降アフリカ向けに40件以上の保健分野に関する無償資金・技術協力のプロジェクトの実施を決定いたしました。
北海道洞爺湖サミットでは、我が国はもちろん議長国としてTICADⅣの成果をG8の首脳と共有いたしまして、保健分野での包括的取組を推進することの重要性を改めて発信したところでございますが、またG8としてアフリカにおける保健医療従事者の育成、マラリア対策として2010年までに蚊帳一億張りといいますか、を供与すること等を行うことを合意しております。我が国も、G8各国とともにこれらの実施に努めてまいります。また、その履行状況についても、G8保健専門家会合等を通じてモニターすることとしております。
○石井みどり いろいろ表明されたことを確実に一つ一つしていただきたいんですが、今感染症対策ということも出ましたが、今や感染症のみならず、非感染症の脅威も確実に増大してきておりますので、日本が戦後培ってきた保健医療のすばらしい実績、経験がありますので、その辺りを是非生かしていただきたいというふうに思っております。
今おっしゃったマラリアに関しては、非常に官民連携ということで、蚊帳を作った蚊帳メーカーが非常にアフリカで頑張っていらっしゃいます。そういうようなことも、是非民間の知恵も生かしながら、政府だけがやるんではない、NGOあるいは民間、そういうことが大いに協力をして、日本の支援が本当に現地で生かされるような形でお取り組みいただきたいとお願いいたします。
それにつけましても、やはり物をつくる、あるいはお金での供与をするということは、これは予算ということもありますが、そんなに困難なことではない。しかしながら、一番難しいのは私は人材だろうというふうに思っております。
昨年のこの委員会でも、ちょうど昨年の3月であったと思います。昨年、ODAの派遣ということでインド、ネパールへ行かせていただいた後でしたので、私、同様の質問をさせていただきました。そのときは、ムンバイで出会った外部委嘱員の方が非常にすばらしい方で、そういう外部委嘱員で働いている方々が国際援助活動においてのキャリアパスということで、やはり積極的に国際NGOとかあるいは国連機関とか、そういうところでも活躍をしたいという希望を持っておられた方がいらっしゃいましたので、是非外部委嘱員とかあるいは青年海外協力隊の経験者の方々をやはり大いに積極的に登用していただきたいということを当時の外務大臣にお願いをいたしました。
日本は世界基金に対しても非常に多額の資金を出しておりますが、残念ながら日本人の方が非常に少ない、働いておられる方が大変少ないということを聞いております。先ほど申し上げたようなやはり海外で今活躍している日本の若者、大変多い。すばらしい方が多いんですね。そして、まさにこの方々が顔の見える、日の丸をしょって顔の見える外交として活躍をされている。私はそのことを自分の目で見てきましたので、やはりこういう方々を大いに、昨年と同様、これからも活用していくべきではないかというふうに思っていますが、残念ながら、欧米先進国と比較すると、この部分が大変日本は、遅れているとまでは言いませんが、ネックではないかという気がいたしますが。
実は、昨年ムンバイでお会いした外部委嘱員の方が昨年の10月から海外青年協力隊員として国連世界食糧計画、WFPでプログラムオフィサーとして派遣されておられます。非常に働くことができて、何か非常に競争率が高かったというふうに聞いております。しかしながらやっぱり運良く合格したという。こういうやはり国連、国際的な機関あるいは国際NGOで働くときにやっぱりキャリアパスとして評価されるんだろうと思いますので、やはりこういう方が多く出ていただきたいという思いがありますので、昨年と同様の質問になりますが、その辺りをどのようにお考えか、ちょっとお聞かせいただければと思います。
○中曽根外務大臣 今、石井委員がおっしゃいますように、海外での豊富な経験を有する青年とかいろんな方々を活用するというのは大変大事なことでありますし、また、そういう人たちにとりましても、そういう経験を生かした職場というものがあるということは大変私は本人のためにもなりますし、我が国としてもこれは大変な結構なことだと、そういうふうに思っています。
それで、ODA事業で派遣されている青年海外協力隊員、それからシニア海外ボランティアもございますけれども、こういう方々はかなり大勢今、日本にいる、そういう人材がおると、そういうふうに認識をしておりますけれども、外務省、JICAといたしましては、こういう青年海外協力隊の経験などを生かすべく、そういう方々に対しましては、企業とかあるいは地方自治体への採用の働きかけ、また就職セミナー、そういうような形でいろんな就職支援を行っております。
さらに、外務省またJICAといたしましては、こういう青年海外協力隊の経験者の多様な知見を取り入れるべく、こういう方々の採用にも努めているところでございまして、ちなみにJICAは青年海外協力隊の経験者を平成19年度2名、20年度五名採用しておりますし、さらにJICAは国際協力人材登録制度、こういうものを設けまして、これらの国際協力に知見のある人材と国際機関、企業、公益法人、NGO、こういう団体等を引き合わせを行う業務も行っております。この国際協力人材登録制度、これは国際協力の世界で活躍する意思とか知識とか経験とか技術とか、そういうものを持つ人たちの人材の登録制度でございますが、平成20年度の3月現在で約9000名が登録しているわけでありまして、豊富な人材が大勢おられるわけであります。
そういうことでありますので、今申し上げましたようないろいろな取組を通じまして、青年海外協力隊の方々などがそういう経験を生かしてまた活躍していただけるよう外務省といたしましても支援を続けていきたいと、そういうふうに思っております。
○石井みどり 是非積極的に御支援をお願いをしたいと存じます。
それでは、先ほどの大臣の表明の中にもございましたが、本年の3月22日にTICADのフォローアップ会合に大臣、御出席をされました。国際金融危機ということでございますので、アフリカ諸国も大変な状況になっているのではないかというふうに思っております。やはり先進国は投資あるいは援助を非常に急激に減らしている。一部の国では株価が50%も落ち込んだというような深刻な経済危機に陥っている状況であるというふうに報道がされています。
そういう中で、やはりこの会合に出られて、50か国に上るアフリカの諸国の閣僚が一堂に会されたと。その中で大臣は議長を務められて、今後のアフリカ支援に対しての表明をされたというふうに伺っております。その大臣の御決意をお伺いして、やはりこのTICADⅣ、TICADのそのアフリカ諸国に関しましては、日本の国益にもかなうといいますか、やはり非常に将来性が期待される国々でありますので、やはり一番大事な、外交でも国と国との関係も人と人との関係もやはり信頼が一番ベースになる、信頼関係を深めるということが大変重要なのではないかというふうに思っております。
一番苦しいときにこそ積極的な御支援をして、より厚い信頼関係を築いていくということ、このことは私は国益にかなうというか、日本の国益だけでなくアフリカの諸国が発展するためにも非常に重要なことではないかと思っておりますので、大臣の御決意を少しお聞かせいただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○中曽根外務大臣 今委員がお話しされましたように、3月の21日でございますけれども、アフリカのボツワナで開催されましたTICADⅣの閣僚級フォローアップ会合に出席をいたしました。そこで共同議長を務めたわけでありますが、また、スピーチも行いました。
この私のスピーチの中では、昨年の横浜でのTICADⅣ、そこで取りまとめられました横浜行動計画、これの進捗状況、履行状況、これについて、大変その後いいスタートを切っているということを指摘をさせていただきながら、日本として我が国がTICADⅣの約束というものを必ず実行いたしますということを各国に表明をしたところでございます。
それから、それと同時に、アフリカへの支援ということに関しましては、他の国々、開発パートナーへも積極的なアフリカ支援というものを私からも働きかけを行ったところでございます。
さらに、これも委員からお話ありましたけど、現在の国際金融、国際経済、これの危機に直面をしておりますアフリカ、アフリカもこれも例外ではありません、この経済が大変今どんどんどんどん悪化しているわけでありますけれども、そういうアフリカへの支援策、これの表明も行ったところでございます。
具体的な内容については時間の関係もおありでしょうから御説明は細かいことはいたしませんが、さらにこの機会を活用いたしまして、これは海賊対策の方にかかわってくることでございますが、ジブチとルワンダ、それからソマリアとボツワナもそうでございますけれども、特にソマリア、ジブチの首席代表とも個別に会談をいたしまして、二国間関係、それから地域の情勢、安保理改革、あるいは海賊の問題等、また協力を要請するなどしてきたところでございます。
特に、皆さんも御承知と思いますが、TICADⅣにおきましては2012年までのアフリカ向けの我が国のODAを倍増すると、そういうこと、それを改めて確認をいたしまして、またこの会議で各国から寄せられた意見というもの、あるいは各国の状況を4月の2日からロンドンで始まります金融サミットですか、これに我が国がつなげていくと、皆さんの声をこの会議で反映をしたいということも申し上げまして、各国から大変なそういう意味ではよろしく頼むと、そういうようなお話があったところでございます。