2008.12.19

厚労委員会 議事録

厚生労働委員会(12月18日)での質疑内容をアップします「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案」についての質問となります。冒頭、レセプトオンライン化と介護保険について質問しました。是非ご覧ください。

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参議院厚生労働委員会

20081218

 

○石井みどり おはようございます。自由民主党の石井みどりでございます。

 法案の審議に入る前に、12月4日の本委員会において御質問したことに対しての御答弁で少し伺いたいことがございますので、誠に恐縮ですが、先に一点、二点、それをさせていただきたいと思います。

 先日の大臣に御答弁いただいた際に、レセプトオンライン請求義務化に対して、対応困難な場合には三師会、医師会、歯科医師会、薬剤師会による代行請求という方法があるという御答弁をいただきました。しかしながら、現実的には地区の医師会、歯科医師会、薬剤師会には機能や規模に大きな格差があります。代行請求を行うための体制が整えられず、代行請求ができないような場合があると考えられます。このレセプトオンライン請求義務化が地域医療の混乱を来すと度々指摘し続けておりますが、代行機関として特に地区の歯科医師会の中には、幾つかのものでは代行業務を人材、機能、費用負担の面で単独では行えない、また業務の長期継続は困難であるという状況が懸念をされますが、大臣はこのことについてどのようにお考えでございましょうか。

 

○舛添厚労大臣 地域の状況に即して様々の問題はあると思いますけれども、そういうことも含めまして、これはよく三師会、つまり医師会、歯科医師会、薬剤師会と御相談の上、どういう形で代行請求というのが円滑にできるか、そのための予算措置も既に講じてございますので、これはきちんと御相談の上、今後対応してまいりたいと思っております。

 

○石井みどり 地域医療が混乱しないように、是非しっかりした対応をお願いしたいと存じます。

 続いて、介護保険制度について一点だけお聞きします。

 現在、社会保障審議会の介護給付費分科会で審議が続けられていますが、多くの国民の方々は、住み慣れた地域や御自宅で必要なサービスを受けながら生活することを望んでおられます。私も要介護3の母を、認知症が日々ゆっくりではありますが進行しておりますので、今や自宅で24時間体制で介護をしております。医療や介護を必要とする高齢者の方が地域での生活を継続するためには、必要な様々な生活支援サービスが利用者の意向と実態に合わせて切れ目なく継続的に提供されることが求められています。そのために、サービスがばらばらではなく、包括的、継続的に提供できる地域での体制整備が必要となります。

 この地域包括ケアシステムを進めるためには、地域包括支援センターと介護予防支援事業者の人員体制整備や、地域包括支援センター単独で運営できるための市町村からの交付金提供により、多面的な対策を取るべきではないでしょうか。

 地域包括支援センターは、介護予防支援事業者との二枚看板を持っています。それぞれに人員基準も定められています。地域包括支援センターの三職種、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員は予防給付プランの作成も兼務できることとなっていますが、この予防給付プランの作成に忙殺されて、本来行うべき総合相談窓口業務、介護予防事業、権利擁護、包括的、継続的ケアマネジメントができない現状にあります。これではやはり地域の高齢者が一番困り、また高齢者の尊厳が守れないという事態が引き起こされることとなります。介護予防支援は、法的には介護予防支援事業者のみが行うこととなっているため、この部分のすみ分けをもっとするべきではないかと思います。

 地域包括支援センターの標準担当高齢者数を国が示した数になっているかどうかのチェック、人員体制のチェック、地域包括支援センターに対する交付金がきちんと提供されているかのチェック、この事柄についての体制整備、支援がされていなければ、地域支援事業、予防給付はうまく運営されないと思います。今回の介護報酬改定で介護予防支援の評価を高くしていただいても、このような多面的な対策を講じなければ効果が薄いと考えられますが、いかがでございましょうか。

 

○宮島老健局長 地域包括支援センター、本年4月にすべての市町村において設置され、現在、全国で3976か所、今委員から御指摘がありましたように、本来行うべき総合相談の窓口業務、権利擁護、あるいは包括的、継続的ケアマネジメント、これが大事であるということは御指摘のとおりでございます。

 それで、予防給付のプラン作成という、この二本立てになっているということで、今言ったような包括ケア、本来の業務がなおざりになってはならないという御指摘で、それはそのとおりのことだというふうに受け止めております。

 現在、20年5月に、先ほどチェックというお話がありましたが、全国の支援センターの調査をいたしました。人員配置で見ますと、それぞれの介護予防支援事業の配置基準、あるいは包括センターとしての、地域支援事業としての人員基準、それぞれ地域の高齢者数に応じて保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員、三職種の配置は全国的には満たしているという状況でございます。

 また、この運営費の問題ですが、支援事業費の、包括ケアの方の運営費につきましては、20年度からは保険給付費の3%という上限になりまして、これに対して20年度の当初の運営費の交付決定の割合は2.53%ということで、1745億円になっております。

 こういったことで体制を整えつつあるということで、一方で介護予防支援の方についても、今回の介護報酬改定の中では、分科会報告の中で、業務の労力実態などを踏まえ評価を行っていくという、そういう方向が出されております。

 私ども、この両方が、地域支援事業と介護予防支援事業双方、適切に実施する体制を整備することが重要と考えておりまして、今後とも必要な支援を行っていきたいというふうに思っているところでございます。

 

○石井みどり しっかりした対応をお願いしたいと存じます。

 それでは、法案に関する質問を続けたいと思います。

 私は、小児歯科医として歯科医療の現場で障害を持つ方々と接してまいりました。これまでの経験から、障害のある方々に対する社会的な取組、そしてその一層の充実の必要性を痛感してまいりました。障害のある方一人一人の可能性を応援する幅広い支援策の実現に取り組んでまいりたいと思っております。

 そこで、本日は、障害者雇用促進法改正案の審議ということでございますが、私の今までの経験、それから感じてきたことに基づいて御質問をしていきたいと思っております。

 私が診療してきた中で当然知的障害の方や発達障害の方がたくさんおられました。ある発達障害の方は、当初は1歳でありましたので発達障害児でしたが、診療の最後の時点では30歳を過ぎて障害者ということになっておられましたが、本当に幼児のときは診療自体が大変でありました。しかしながら、小学校の高学年ぐらいから1人で電車やバスを乗り継いで通院をしてくるようになりました。診療のときも、私の言うこともそしてスタッフの指示も本当によく聞き入れて、当然私どもに慣れているということもありますが、治療の内容は定期的な予防管理で、ほとんど治療をすることがない、削ったり抜いたりすることがない、まさに優等生の患者さんに成長をいたしました。

 こういう変化は将来1人になっても自立して生活していけるようにという御両親の家庭教育のたまものとは思いますが、やはり障害を持った方々に対してはゆっくり時間を掛けて周囲の人々が温かく見守る、そして必要に応じて障害のある方に対して適切な支援をすることが重要なのではないかと思っています。

 このことは、障害のある方が一般企業などで働く場合でも同じことが言えるのではないかと思います。実際の職場で、働く場においても、職場の人によるきめ細やかな支援が非常に重要なのではないかと思っています。また、知的障害、発達障害のある方が仕事に就く場合、仕事に慣れるまで掛かる、所要する時間が障害のない方と比べると多少長く掛かったり、あるいは慣れるまで様々なトラブル、問題が生じることがあるかもしれません。しかしながら、いったん仕事を身に付けて仕事に慣れてくると、その任された仕事についてごまかしたり手抜きをしたりすることがなく、障害のない人よりも、失礼な言い方になるかも分かりませんが、むしろしっかりと、一生懸命に誠実にこつこつと、しかも正確に仕事をしてくれるという話はしばしば耳にいたします。

 このように障害のある方の就労のための支援という点では、特に職場で働く障害のある方に対して相談に乗ったり、具体的な仕事の方法などについて支援、指導することが極めて重要であると思いますが、現在の取組と、今後どのようにこの取組を充実させていくのか教えていただきたいと思います。

 

○岡崎 高齢・障害者雇用対策部長 障害をお持ちの方の就職、そして定着を図っていくためにはそれぞれの方の状況に応じた適切な対応が必要だろうというふうに考えております。

 特に最近、知的障害者あるいは精神障害者の方々、就職希望する方も多くなっておりますし、現に働いている方も増えてきております。そういう中で、特に今委員からも御指摘のようなそれぞれの人に応じた、それから少し時間を掛けた対応というものも非常に重要だろうというふうに考えております。

 そういう中で、事業主が知的障害者あるいは精神障害者等の方を雇用した場合にその適切な雇用管理が行われるということのために、職業生活に関します相談指導を担当するコンサルタント的な仕事をする方でありますとか、あるいは業務遂行上の指導、援助をする方、こういった方々を配置した場合につきましては、これは納付金制度に基づきます助成金を支給するというような対応をしております。

 それから、ジョブコーチという制度もございます。これはどちらかというと、まず職場に入っていく中で、御本人の状況も十分承知しながら、企業の方、受入れ側との様々な調整をする役目を負うわけでございますが、これにつきましても、先ほど来お話がありましたが、平成23年までに5000人養成するというような目標も持っております。

 そういう様々な支援体制の中で、知的障害者あるいは精神障害者の方々がうまく働けるような取組を進めていきたいというふうに考えております。

 

○石井みどり 是非その取組を更に充実させていただきたいと思います。

 また、人による支援という点では、重度の視覚障害、四肢障害のある方については、障害のある方が実際に仕事をする場合に、書類作成等を手助けするような支援をすることは非常に重要となります。現在、こうした職場での介助を行う者を事業主が置いた場合、納付金に基づく助成金が基本的に10年間支給することとされていますが、平成17年からは、10年経過後も継続して障害のある方を雇用して職場介助者を置く場合には更に5年間助成金が支給されることとなっています。このため、近年中に支給期間が切れる場合もあると考えられますが、このような重度の障害のある方に対する職場介助者による支援は継続して行われるべきだと考えます。

 合計15年間で助成金の支給が打ち切られるべきではないと思いますが、今後どのような対応をされるのか、お伺いしたいと存じます。

 

○岡崎 高齢・障害者雇用対策部長 御指摘のような重度障害の方に対します職場介助者でございます。これはやはり必要な部分があるだろうというふうに考えております。

 そういうことで、助成金、今御指摘ありましたように、当初10年の支給期間でありましたけれども、10年間たっても職場介助が必要な方々がおられるということで、平成17年に見直しまして、更に5年間の延長をしたわけでございます。

 御指摘のように、平成17年に措置しておりますので、近々5年間の期限が切れる方々も出てくるというのは私どもも認識しております。その状況を十分把握しながら、やはり更に必要かどうかきちんと調べた上で必要な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。

 

○石井みどり それでは、中小企業における障害者の方々の雇用について伺いたいと思いますが、今回の法案の内容にもかかわると思いますが、先ほど部長もお答えいただいたように、障害のある方の就労意欲が高まっていますが、民間企業での障害者の雇用は進展していると思いますけれども、具体的に規模別に、企業の規模別の状況を踏まえてその状況を御説明をいただきたいと存じます。

 

○岡崎 高齢・障害者雇用対策部長 障害者の規模別の状況でございます。

 全体は先ほど申しましたように1.59%でございます、実雇用率が。1000人以上でありますと1.78でございますから、ほぼ1.8に近い数字になっております。これが、規模が下がるほど実雇用率は下がっておりまして、500人から999人でありますと1.59、平均と同じ1.59でございます。それから、300から499でありますと1.54。それから、100から299、これが一番低いわけではございますが1.33でございます。それから、100人以下は若干高くなっておりまして、1.42という数字、規模別にはそういうような状況になってございます。

 

○石井みどり 前回の法改正の審議の際には、中小企業の障害者雇用の状況は低水準であること、それに対応して、暫定措置として301人以上の企業にのみ適用されている納付金制度を300人以下の中小企業に対しても適用すべきとの指摘がされました。今回の法改正はこうした指摘を踏まえたものと思いますが、本法案では具体的にどのような対応をされるのか、繰り返しになるかも分かりませんが、御説明をお願いしたいと存じます。

 

○岡崎 高齢・障害者雇用対策部長 平成17年の法改正の際に、御指摘のように、中小企業を含めまして法定雇用率が設定されており、また法律の本則では納付金制度も適用されているんですが、300人以下については附則で適用除外してきた。それについてそのままでいいのかどうかきちんと検討するようにという御指摘があったわけでございます。

 これも踏まえまして審議会で十分議論させていただきましたけれども、先ほども申し上げましたけれども、制度創設当初に比べて、比較的規模の大きなところにつきましてはむしろ雇用が進む中で、300人以下のところの雇用がやや停滞しているということがあったわけであります。そういう中で、やはり必要な部分につきましては納付金制度の適用を含めて対応していく必要があるんではないかということで、審議会で御検討いただいた。

 ただ、その一方で、中小企業の置かれている厳しい状況等を総合的に勘案する中で、どういう形がいいかどうか、これは中小企業の代表の方、それから障害者団体の代表の方、相当厳しい御議論がございました。その結果としまして、段階的に中小企業につきましても納付金制度の適用をしていくということにしたわけでございます。

 具体的には、平成22年の7月から201人のところまで下げ、そして5年後、更に5年後になりますが、平成27年4月から101人のところまで下げると、こういうことで審議会で取りまとまりましたので、そういう趣旨の法案を提出させていただいておるところでございます。

 

○石井みどり 納付金制度の発足以来、この制度が適用されている301人以上の大企業については一貫して、今おっしゃったように、実雇用率が改善傾向にありますが、今回の納付金制度の適用対象拡大は、中小企業における障害者の雇用の伸展に一定の効果を上げるのではないかと期待しておりますが、この法案成立後はしっかり制度を運用していただきたいと思います。

 ただし、ここで現在の経済情勢を踏まえ留意すべき点があります。リーマン・ショック以来の世界同時不況とも言われる現況では、日本の基幹産業を支えている名立たる大企業においてさえ、連日の新聞報道によると1000人単位でいわゆる非正規労働者を削減するなど雇用への大きな影響が出ています。さらに、大企業でさえこういう状況であることをかんがみると、中小企業はもっと厳しい状況に置かれており、その影響が企業で働いている障害のある方々にも及ぶのではないか、そういった危惧を抱いています。

 法案の中に、あらかじめ中小企業に対する負担軽減、激変緩和的な措置は盛り込まれてはいるようですけれども、法案が提出されたら、今年の3月に比べ、先ほど申し上げましたように、現在の経済状況あるいは雇用環境は極めて悪化しています。こうした状況を踏まえ、納付金制度の適用に当たっては、法律案の中で用意された中小企業への負担軽減、激変緩和措置に加え、中小企業に対する支援策を十分に講じる必要があると思いますが、どのような施策を講じていくのか、具体的に伺いたいと存じます。

 

○岡崎 高齢・障害者雇用対策部長 中小企業への適用をしていく際に、御指摘のように、一方では障害者の雇用を進めていかなきゃいけないという考え方がございますが、やはり中小企業の負担というものについても十分考えなきゃいかぬ。そういう中で、御指摘のような経過措置をとることにはしておりますが、一方で、やはり納付金制度だけでは中小企業におきます障害者雇用は進んでいかないだろうと、むしろ十分な支援施策を進める中できちんとした形で中小企業での雇用を進めていかなきゃいかぬだろうと、こういうふうに思っています。

 今般、いろいろな形で中小企業におきます障害者雇用の助成制度について拡充を図っております。

 一つには、障害者を雇い入れた場合の特定求職者雇用開発助成金という制度がございますが、これにつきまして、12月1日から中小企業につきましては期間を延長しまして、それに伴いまして助成金の額を増やしているという措置をとっております。

 それから、生活対策の中では、やはり初めて障害者を雇用する場合には、中小企業につきましていろいろな従業員の教育その他掛かるところもございますので、そういった部分についての奨励金制度も創設するということにしております。

 こういうふうな様々な中小企業での雇入れ助成等について充実を図る、それからジョブコーチその他、人的な外からの支援も更に充実するというような形の中で、中小企業におきます障害者雇用が進んでいくように努力していきたいと、こういうふうに考えております。

 

○石井みどり 現在も必死で働いておられる障害のある方々は、自分で自立して生きていきたい、これは障害のあるなしにかかわらず、日々人々は自分の生活を守るべく必死で働いているわけですけれども、現在働いている職場から離職しないための防止、手だてが必要だと思います。

 企業で働く障害のある方の離職防止や定着に向けた支援としてどのような措置を講じていくのか、お伺いしたいと思います。

 

○岡崎 高齢・障害者雇用対策部長 厳しい雇用情勢、経済情勢の下でございますので、やはり障害者の方々についても離職をせざるを得ないような場面も想定せざるを得ない。この部分につきましては、障害者の方を解雇する場合にはハローワークへの届出制度もあります。そういう中で、適切に状況あるいはその理由等を把握しながら、必要な指導、それからどうしても解雇、それまで働いていた企業から離職せざるを得ない方については再就職の支援、こういったものは十分やっていきたいと、こういうふうに思っております。

 それから、やはり定着支援というのは非常に重要だろうというふうに考えておりまして、ハローワークでの紹介、就職した場合につきましても、適切なフォローアップということについては心掛けるように指示しておりますが、それとともに、就業・生活支援センター等、就職後のフォローアップするような、生活面を含めてフォローアップするようなセンターも今拡充しておりますが、そういった中できちんと、特に中小企業等で働いている方々について公的な部分でのフォローアップ支援も含めまして、適切な定着に努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。

 

○石井みどり 補正予算やその後の経済対策において、追加策として中小企業向けの支援策や障害者の離職防止策を盛り込んでいるということではありますが、現在の経済情勢、雇用情勢等を踏まえて、事業主、特に中小企業事業主の方々の理解もいただきながら、障害のある方々が安心して働いていけるよう、是非ともしっかりと取り組んでいただきたい、強くお願いをしたいと存じます。

 続いて、今回の改正法案の大きな二つ目の柱として、短時間労働者に対する障害者雇用率制度の適用があります。

 雇用率制度は、納付金制度と同様、昭和51年に創設されていますが、創設当時は身体障害者のみを対象としていましたが、昭和62年からは法律の対象者を拡大して、法律の名称を身体障害者雇用促進法から現在の障害者の雇用の促進等に関する法律としたのと合わせて、知的障害者を雇用した企業を評価するために、雇用率制度上実雇用率にカウントすることとして、平成10年にはこれに知的障害者も含めて法定雇用率の設定をすることになりました。

 さらに、平成17年の改正では、精神障害者についても知的障害者と同様に雇用した企業の評価をし、雇用率制度上実雇用率にカウントすることができるというふうに現在の雇用率制度になりましたが、このように徐々に範囲が拡大されてきたところではありますが、やはり検討すべき点もあると思います。

 また、現行の雇用率制度は、原則週の所定労働時間が30時間以内の場合のフルタイムを前提としていますが、短時間労働については様々御議論、御意見もあるかと思いますが、一つの働き方ではあるかと思います。

 障害のある方々の働く方法というところでは少し考えることも必要ではないかと思っておりますが、この短時間労働を雇用義務の対象とするに当たって、厚生労働省としてはこのニーズ、評価をどのように考えておられるんでしょうか。

 

○岡崎 高齢・障害者雇用対策部長 これまで重度障害者、精神障害者を除きまして、短時間労働の部分は企業が雇っても評価の対象にはしてきませんでした。

 そういう中で、現状としまして、障害者で短時間労働をしている方の割合、身体障害者で8%程度、知的障害者で2.8%程度、それから精神障害者で4.4%程度、実態としてはこういう数字になっております。

 一方で、障害をお持ちの求職者の方々で短時間労働を希望している方の率というのを見ますと、障害をお持ちの求職者だと24%ぐらい、それから今授産施設等を利用している方で一般就労も考えているという方ですと30%ぐらいの方が短時間労働を希望しているというような調査結果もございます。

 そういう状況等それから障害者団体の御意見も聞きましても、やはり障害の特性、程度から見るとなかなか30時間以上働けと言われると難しいという方も相当おられると、こういう御意見もございます。そういう状況を考え合わせますと、やはり障害の状況によりましては必ず30時間以上ということは難しい面もありますし、そういう方々のためには、30時間未満の働き方でも評価する制度を取り入れまして、そういう働き方も広げていくということは意味があるのではないかというふうに考えているところでございます。

 

○石井みどり 先ほど知的障害があるあるいは発達障害の方々について、慣れるとしっかり仕事をされるというようなお話をいたしましたが、仕事に慣れるまで一定の期間掛かります。そういう場合についても、仮に慣れるまでの時間は短時間労働で働いて、そして慣れた以降はフルタイムで働くということであれば、私は短時間労働は有効な活用方法であるのではないかと思っています。

 また、高齢化社会が進展する中で、障害のある方も含め高齢者が働く、あるいは障害の方も含めて高齢化していくということになったときに、やはり体力的にもフルタイムで働くということがつらくなるということも考えられます。そして同時に、フルタイムで働くのではなく、少しずつリタイアの方向へ向けて御自分の働き方を考えていきたいということもあるかと思いますが、特に障害のある方についての短時間労働は、今の部長のお話の中にも、障害者の方々からもそういう御要望があるかというふうに思います。

 しかしながら、一方では、先ほど風間委員や金子委員からも御指摘ありましたし、衆議院での法案審議の際にも何名かの委員からの御指摘がありましたように、事業主がこれまでフルタイムで雇用していた障害のある方を、本人の希望や能力を考慮しないで安易に、イージーに非正規労働である短時間労働に移行させることがないようにしっかりと対応していく必要があると思います。

 何度も答弁されていて恐縮ではありますが、大変重要な点ですので、どのようにお考えか、改めて確認の意味も含めてお答えをお願いしたいと存じます。

 

○岡崎 高齢・障害者雇用対策部長 今回、短時間労働の方を含めて雇用率のカウントの対象にするというのは、先ほど来申しましたように、障害の程度、特性等によっては30時間以上働けない方も多い。それから、今御指摘のように、障害者の中にはやはり加齢に伴って体力面で低下する方もおられます。そういう方々で30時間以上働き続けるのは困難な方というのもおられます。そういう方々のために今回の制度をつくったわけでございます。

 したがいまして、この趣旨にのっとった形で企業でも対応していただくというのは非常に重要だろうというふうに思っていますし、今委員御指摘のような形で、これまでフルタイムで働いていた方が本人の希望もないのに30時間未満の時間になるということは、これはあってはならないことだというふうに認識しております。

 そのためにも、法律に基づきまして障害者雇用対策基本方針というのを定めておりますが、これの中で今申しましたような考え方をきちんと明記するということにしたいというふうに思っておりますし、それから障害者雇用対策法の80条には、短時間労働で働いている方がフルタイムを希望する場合には、事業主の努力義務としてそれに応じるようにというようなことも書いてございます。

 そういった様々なことをきちんとした上で、ハローワークにおいても適切な雇用管理指導を進めていくということにしたいというふうに考えております。

 

○石井みどり 続いて、今後の課題ということになろうかと思いますが、何点か御質問をしたいと存じます。

 精神障害者の雇用に関してでありますが、前回、平成17年の法改正の際、精神障害者についてはいきなり雇用義務の対象、すなわち法定雇用率の基礎に算入するところまではしないで、まずは精神障害者を雇用した企業を評価するため、雇用率制度上、実雇用率にカウントすることができるようにしたというところでありますが、一方、前回の法改正の際には、精神障害者の雇用を進めるためにも、精神障害者を雇用義務の対象とすることについて検討を行うこととされています。しかし、今回の改正法案には精神障害者を雇用義務制度の対象とする内容が入っていません。

   〔委員長退席、理事谷博之君着席〕

 今回の法案を策定するに当たって、精神障害者を雇用義務の対象に加えることについてどのような検討がされたのでしょうか。また、精神障害者を雇用義務の対象とすることについて対応しなかった理由についてお聞かせいただきたいと存じます。

 

○岡崎 高齢・障害者雇用対策部長 前回の法改正の際にも精神障害をお持ちの方々についてどういうふうな位置付けにしていくかという議論があって、その際には、完全な形で法定雇用率制度に取り込むのは時期尚早ということで、まず今委員御指摘のように、雇った企業について評価するという意味で、実雇用率の算定についてのみ入れる形にしたわけでございます。その際には、将来に向けては完全な形で雇用率制度に組み込むということを視野に入れて今後も検討していくというふうな取扱いになったわけでございます。

 そういう経緯でございますので、今回の法改正の検討に際しましても、審議会の場では精神障害をお持ちの方々についてどうするかという議論をしました。ただ、その時点であったデータでは、前回の改正以来2回、実雇用率の状況を把握したわけでございますが、そのときで4000人強という数字だったわけでございます。そういうような状況等を基に審議会で種々議論したわけでございますが、現時点で精神障害の方につきまして雇用率の義務制度に完全な形で入れるのはまだ時期尚早ではないか、むしろ企業におきまして精神障害の方が受け入れられるような適切な雇用管理を広げる、あるいは精神障害者が受け入れられるような土壌をつくっていくという、そこをまずやっていくことが必要だというような結論になったわけでございます。

   〔理事谷博之君退席、委員長着席〕

 そういった意味におきまして、法案の中では今回精神障害者の方の部分は触れておりませんが、むしろ施策としては充実するという方向で対応することにしたということでございます。

 

○石井みどり 審議会での対応はそうであったろうというふうに思いますが、現在のストレス社会ではだれもが、だれでも精神疾患を罹患する可能性はあると思います。また、現にそういう方々が増え続けています。こういう状況の中では、雇用義務制度の対象とすることが精神障害を持った方々の雇用を進めるためには重要ではないかと思っています。

 精神障害者の雇用促進のために、今後雇用義務制度の対象とすることについてどのようにお考えなのか、大臣の御見解を伺いたいと存じます。

 

○舛添厚労大臣 精神障害者が企業の中で十全にその力を発揮して働くことができるようになる、そしてまさにその雇用率に、義務規定の中に入るというのは理想なんですけれども、現実見たときに、委員御承知のように様々な困難な問題があります。雇う側にとっても問題がある、それから働く側も、いろんな意味でプレッシャーに弱いとか、先ほどるる発達障害のお子さんについてはお話ししたようなこともあります。

 ですから、まず一つは、そういう職場の環境を整えるということをこれ全力を挙げて受け入れやすいようにしたいと、そのための環境を整えるということが必要ですし、それから先ほど委員の御説明にあったように、一気にフルタイムで働くようにはできない、少しずつ慣らし運転的にやっていかないといけない。そうすると、ステップ・バイ・ステップでやる雇用システムをつくっていく、そういうところに対しては事業所に対して様々な助成金を与えるというようなこともしておりますので、全体的なそういう施策を整えながら義務化の方向に持っていきたいと思っております。最初からぱっと義務化しても現実にそれが動いてこないということがありますので、総合的な政策を取りながら理想に向かって進んでまいりたいと思っております。

 

○石井みどり 障害者をめぐる国際的な動きとしては、障害者権利条約の採択があります。本条約については、2001年12月以来国連において議論されてきたわけですが、一昨年12月に国連総会で採択されました。昨年9月には我が国も署名をしております。本条約は、障害者の人権及び尊厳を保護、促進するための包括的かつ総合的な国際条約であるとともに、雇用・労働分野も含め広い分野にかかわるものであります。我が国で今後講じられていく措置について、障害のある方々本人を始め、関係者の関心、期待も高まっています。

 そこで、厚生労働省においては、本年四月に条約について雇用・労働分野に関する研究会を立ち上げ、他の分野に先んじて検討を開始したということでありますが、現在までの検討状況をお伺いしたいと存じます。

 

○岡崎 高齢・障害者雇用対策部長 国連障害者権利条約は幅広い広範な条約でございますが、その中でも労働・雇用分野は重要な一つの分野であるというふうに認識しております。

 この条約は、障害を理由とする差別の禁止と、それからその際におきます合理的配慮という、これまで我が国では余りなじみのなかったような考え方を含めた制度になっております。そうしますと、合理的配慮というのはどういうことをすべきかというようなことについて、労使、障害者団体共通の認識を持っていないとなかなかうまく機能しないのではないかと、こういう考え方の下に労使、障害者団体の方々に入っていただきました研究会を立ち上げまして、これまでにほぼ毎月1回程度開いてまいりました。

 その中で、最初に論点をある程度出した後に、外国の制度の勉強をし、それから障害者団体、多くの団体がございますので、できるだけ多くの団体からヒアリングをするということで、4回にわたりましてヒアリングも進めてまいりました。一応、現在の段階では一通り関係者からのヒアリングは終わったということでありますので、それらの諸外国の状況やヒアリングの結果を踏まえて、これから委員の間でどういう方向でこの条約に我が国として対応すべきか、この議論をこれから始めると、こういう段階に至ってございます。

 

○石井みどり 我が国は署名はしておりますが、まだ締約国とはなっていません。大臣に条約締結に向けての考えをお聞かせいただければと存じます。

 

○舛添厚労大臣 まず、国内法制含めての整備をきちんとしないと締結まで至らないということでありますし、今部長の方からお答えしましたように、特にその合理的配慮、この点をどうするか、そしてやはり企業にとっても過度の負担になってはこれはやっていけないということですから、じゃ、その過度の負担の場合、これはフランスなんかの場合は公的な助成という措置をとるということなんで、これも少し検討しないといけない。

 それから、その雇用についての紛争が生じているときの紛争の調停をどうするか、これについてもだれがどういう形で調停をやるのかと、様々な今後解決しないといけない課題がありますから、法的整備を含めて、そういう国内環境を整えて1日も早くこれに締結に向かっていきたいと思いますので、少なくとも我が厚生労働省の管轄する分野においては他省庁に先駆けてこの点について鋭意努力をしているところでございます。

 

○石井みどり 私は、かねがね人間には2種類あると思っています。一つは現在障害を持っておられる方、そしてこれから障害を持つかもしれない方だというふうに思っています。これはどういう意味かといえば、高齢になれば身体機能、精神機能が低下、退行してまいります。そして生活機能も低下してくる、そして様々なサービスを受ける必要が出てまいります。程度の差こそあれ、高齢社会とはだれもが障害を持つ可能性がある社会と言えるかというふうに思います。また、現代はストレス社会とも言われていますし、働いている途中に心の問題を抱えることも考えられます。

 しかし、これらは決して他人事と言えるものではありません。障害のあるなしにかかわらず、他者への理解と思いやりのある社会を実現し、障害のある方の雇用が更に進んでいくよう今後とも積極的に取り組んでいくことを強くお願い申し上げて、少し早いんですが、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。