2008.05.22

厚労質疑全文(2008年5月20日)未定稿

先日(5月20日)の厚生労働委員会での質問内容(未定稿)となります。

前半は、医療安全調査委員会について、後半は予防給付の中の口腔機能向上サービスの現状と課題や療養病床等について質問しました。1時間の質問とちょっと長めですが、ご覧いただけたら幸いです。
 


石井みどり 自由民主党・無所属の会の石井みどりでございます。
 本日は、介護保険制度またそれに関する御質問をさせていただこうと思いますが、冒頭、大変恐縮なんですが、4月28日の決算委員会におきまして、医療の安全の確保に向けた医療事故による死亡の原因究明・再発防止等の在り方に関する試案、いわゆる第三次試案に対しての御質問をさせていただいたわけですが、そのとき舛添大臣そして外口医政局長の御丁寧な答弁を賜りましたが、まだ私の疑念が晴れておりませんので、しつこいようでありますが、もう一回、本日で3回目になりますが、御質問をさせていただければと存じます。
 そのときに、実は議事録でいろいろとお答えいただいたんですが、まず最初に外口医政局長の方が、初めに私が医療事故の原因究明というのは医療の専門家によってなさるべきである、高度に専門的な判断が求められるわけであるので、そこにいわゆる素人というような方々を入れるべきではないのではないかということをお尋ねしましたところ、医政局長の方から、委員会の中立性と公正性が大変大事だと思う、このためにも、委員会は医療者だけで構成するのではなく、法律家やその他の有識者も入れることが必要であると考えているというお答えをいただいたんですが、私はやはりこのお答えでは納得いきません。
 なぜ法律家や有識者を入れることで中立性や公正性が保たれるんでしょうか。医療上の専門的議論をしている場に法律家や有識者を入れることによって中立性が保たれるんでしょうか。例えば、数学の議論の場に国語学者が入るようなものだというふうな気がしてならないんですが。逆に、医学知識がなく、そういう方々であれば、医療サイドが特定の報告に議論を進めることすら可能なんではないかという気がいたします。医療の専門的議論の場に法律家や有識者がいるということは、患者さん、遺族の気持ちを代弁することはできるだろうと思います。しかし、それが科学的な原因究明、再発防止に役立つんでしょうか。その議論が進んでいるかどうかということの監視はできると思うんですが。
 ですから、やはり法律家や有識者の権限を明記する必要があろうかと思いますが、いかがでしょうか。

外口医政局長  委員会が適切に機能するためには、これは広く国民の信頼を得るものでなければならないと考えております。すなわち、中立性と公正性が求められるわけであり ます。そのために、委員会は医療者だけで構成するのではなく、法律家やその他の有識者を入れることが必要であると考えております。
 この理由でございますけれども、まず医療の専門家の間では常識であることについても医療者以外には理解が困難であることも多いものでございます。国民に分かりやすい調査報告書を作成するというためにも、一般の有識者の参画は重要と考えております。
 なお、法律家の参画でございますけれども、これは、法律家の場合は特に医療者でもまた医療を受ける立場を代表する者でもないことから、より中立的な立場からの参加、あるいはこの委員会が責任追及を行うものではないことを踏まえ、委員会が法的評価を行わないことの確認などの役割も期待できると考えております。

石井みどり しかし、航空機事故調査委員会には同様の趣旨で法律家、有識者は入ってはいないわけであります。なぜ医療事故のみにおいてこの方々が入るのか。特に法律家が入るのは、私にはやはり捜査の前段階としての意味があるとしか思えない。
 やはり水掛け論になってしまったなと、想定内ではありますが。

舛添厚労相  これ非常にもっと議論しないといけないと思いますが、数学と国語の例とか鉄道や航空とはちょっと違うなという感じがしております。というのは、航空機、鉄道、例えば車輪が脱線したとか、エンジンのどの部分が不調であったと、これはまさに機械ですから、機械工学の専門家が見れば分かる。恐らく二つの解釈なんというのもあり得ると思います。
 しかし、医療事故について言うと、いろんなお医者さんとも話をしますけれども、今の医療の水準がどうであって、それで、対象は私たちの生身の体ですから、同じオペをやってもこの方には合ってこの方には合わないとか、薬についてもそういうことがあると思っています。お医者さんの先生方おられますので、間違っていたら御訂正願いたいと思います。それと、やはりインフォームド・コンセントというか、一番多いのは、もっと事前にきちんと説明していただいておいたならばというのが、もう非常にそういう感情的なものが多うございます。
 ですから、そういう生身の人間そのものにメスを入れる、それは、私たちが飛行機に乗るときに、鉄道に乗るときに、一回一回、これ落ちるかもしれませんよ、ぶつかるかもしれません、それでも乗りますかというのは書いていない。それは車両約款とか航空約款の中に入っていることで済むんだと思うんです。
 だけれども、この非常にどろどろとしたというか、人間的な側面、医師と、つまり医療提供者と、国民、患者の間の密接な人間関係というのは一つある面もありますから、そういう意味でも法律家や患者の方々が入っていただいていた方が全貌が明らかになるんではないかと。そして、その上で議論をすればいいんで、法律家が入っていることは、法律家が入っていてすぐ、刑事訴追の準備のために入っているということではないと思いますので、鉄道や航空機とどこが違うかというと、私はそういうふうに理解をしていますと。それでも委員の御疑問は氷解しないと思いますけれども、私はそういうように。
 したがって、例えば医療メディエーターなんというのを考えようというのは、そういうところにもあるわけでございます。

石井みどり  その部分に関してはやはり平行線かなという気がいたしますが、また、前回の、4月28日のときに私、WHOのガイドライン、ドラフトではありますが、について伺ったんですが、そのときに、医療事故情報収集事業の中心は医療関連死でないから、ヒヤリ・ハットを含んだ、範囲が大きいので、WHOのガイドラインは該当しないということであったと思うんですけれども、一部、この委員会は死亡事故だけを、医療事故の死亡事故だけを扱うということなのでガイドラインは妥当しないというお答えだったんですが、私にとってはやはり詭弁にしかすぎないという気がいたします。
 基本理念というのはやはりガイドラインに沿うというのが世界水準でありますし、そのことがこれからの社会に対してやはり良好な結果をもたらす成功の基準 ではないかという気がいたしています。基本理念を基にして実務レベルをつくってこそ成功していく、再発防止にも貢献するものではないかというふうに思って おりますが、いかがでございましょう。

外口医政局長 WHOドラフトガイドラインの考え方でございますけれども、その中には、こういった報告制度は懲罰につながらないこととか、懲罰を行う機関から独立していることとか、そういったことが記載されているわけでございます。
 先ほど委員御指摘の医療機能評価機構で行っている報告を聴取する事業については、これはヒヤリ・ハットとかも含めて幅広くやっているので、匿名性のことも含めて割とそのドラフトガイドラインの考え方に沿っているのではないかと思います。
 今回、第三次試案で示しているのは、その中のコア部分というか、医療事故の中のコア部分である医療死亡事故の調査でございますけれども、そこはまず、調査と処分の分離ということについては、これは第三次試案でも、医療事故の調査は医療安全調査委員会が行い、医療従事者に対する行政処分や刑事処分は別の機関でその必要性を判断することを前提としており、調査と処分は分離しているところでございます。
 それから、御指摘の調査と責任追及、処分の分離に関してで、捜査機関に対しての通知をどうするかということでございますけれども、第三次試案で示しているのは、これは医療関係者を中心とした委員会からの通知を踏まえ捜査機関が対応するという、委員会の専門的な調査を捜査機関が尊重する仕組みを構築しよう とするものであります。

石井みどり 通知をすれば処分へつながっていく可能性は極めて大きいのであります。私にはそう思えてなりません。やはり詭弁ではないんでしょうか。

外口医政局長  まず、医療死亡事故の中には、これは故意や重大な過失を原因とするものであって、刑事責任を問われることがやむを得ない事例が含まれることはこれは否定できないと思います。そういった場合に、じゃ、通知もなしでやるかというと、この場合は現在行われているような最初から警察の捜査が始まると、こういった状況が続くことになるわけでございます。これを変えようというのが第三次試案で示している考え方でございます。

石井みどり  前回のときも今もおっしゃったんですけど、故意や重大な過失を原因とするものであって刑事責任を問われることがやむを得ない事例というふうにおっしゃるんですが、過失の定義は医療の中にはないと思うんですね。過失概念というのは法的な概念であって、医学的概念では私はないと思うんです。
 重大な過失というのは、結果が重大であるということではないと思います。医療においては、重大な結果を回避することが極めて困難な、事実上不可避に近い例が紛れもなく存在するわけであります。過失が重大であるか否かというのはやはり法的な概念ですから、司法の場においてこそ判断されるべきであって、これはもう司法当局者が判断すべきであって、医療安全委員会において判断しようとするのはやはり混乱するんではないんでしょうか。委員会において過失が重大で あるか否かを判断するというのは、私は法的になじまないのではないかというふうに思います。いかがでしょうか。

○舛添厚労相 済みません。私に答えさせてください。
 こういうケースを。例えば、ある治療の標準的なパターンは、例えばこの薬を何ミリグラム投薬しなさい、これが標準であったと、ところが、二日酔いか何か やっている医者が、仮にですよ、極論すれば、それを20倍の分量をやっちゃったと、これは医療専門家から見ても過失でしょうと。この前、私申し上げましたけど、大変残念なことに、患者、国民の側から見ると、そういう訴えがあって、お医者さんに対する不信感が物すごく強いんです。そうすると、航空機や鉄道事故についての例でいうと、医療専門家だけでやっていたら、パイロットの組合が調査やっている、鉄道の運転士の組合が調査やっているように見えちゃうんです。
 だから、私はこの前から言っていますように、もちろんきちんとした、何でもかんでも刑事訴追なんてやらない、やっちゃ駄目です。それはもうおっしゃるとおりなんですけど、やはり患者さんの側から見たら、その不信感をどう取り除くかということもやはり一つの課題だろうということで申し上げているんで、そういう例がないことを祈りますよ。私が先ほど出した、標準の治療体系と違う、オペのときもそういうことをやったと、それがある場合については、やはり医療委員会でこれは標準的な医療の手当てから著しく逸脱しているという判定はできるんではなかろうかというふうに思っています。

石井みどり  これまでの医療事故の判例を見ますと、司法の場においては、もう非現実的としか言いようがないほどのレベルの高さが医療側に求められているんですね。救急においては脳外科医がいて最善を尽くしても、心臓外科医でなかったからそれは過失であるというような認定をされているわけですね。そうすると、すべての専 門医がそろっている救急の場なんて今どきないわけですね。
 例えば、これは日経メディカルか何かに出て、私も記憶が少し飛んでいますけれども、その中で四例の判例が出ていますけれども、そのどれもが、非常に医療サイドは最善を尽くしているにもかかわらず、本当に高度な判断で追及をされている、結果から追及されているということがあるんですね。
 そうすると、まさに医療においてはその時点でベターな判断、最高というわけにはいかないと思いますけれども、ベターな判断を選択するわけですね。医療の本質というのはやはり蓋然性だと思うんですね。ところが、やはり司法の場というのは非常に厳しい。究極的には司法における医学への理解というか、業務上過失の医療への適用は妥当かというような大きな問題も含めてですけれども、私はやはりそこのところがあるのでしつこくお伺いするんですね。
 少なくとも、重大な過失というところだけは、私はやはりこれは看過できないというふうに思っております。もうそこは、もはや故意であるかあるいは未必の故意であるかというような、そういう犯罪性があるかどうかだけに限るのではないかという気がしているのですが、いかがでしょうか。

外口医政局長  医療の場合、医療というのは不確実性というのがあるわけですから、その点で診療行為そのものには一定のリスクが伴うものだと思います。そういうわけであり ますので、これを事故の当初から捜査機関が捜査するのではなく、委員会がまず調査を行って、委員会からの通知の有無を踏まえて捜査機関が対応するという仕組みを考えているわけでございます。
 この仕組みをうまく動かすためには、逆に捜査機関あるいは一般の国民の方にも、この仕組みが今までの状況よりもっと悪いものにならないということを、悪いものというのは、要するに医療機関側が本当に医療死亡事故を起こして、それで例えば隠ぺいだとか、それからかなりひどいような事故を起こしたような場合とかが隠れてしまわないようにということの意味ですけれども、そういったことの信頼性を確保する意味があるわけでございます。
 そのためには、委員会が適切に調査を行って、故意や重大な過失のある事例その他悪質な事例に限っては捜査機関に対して適時適切に通知する、こういった仕組みをしっかりと動かす必要があると考えております。

○石井みどり  どうもちょっとうまくかみ合ってないんですけれども、委員会での判断というのが故意あるいは重大な過失というのは、やはり私は故意又は未必の故意のみになるのではないか。そうでなければ、もうオール・オア・ナッシング、すべて通知するのかあるいはもう本当に故意又は未必の故意のみかにしかならないのではないか。その重大なというところの判定は、先ほども申し上げたけれども、医学的には重大な過失ということはあり得ない、犯罪性というところで判断するしかないのではないかという気がしています。
 これはやっぱり、アメリカでの刑事事件にされる場合の通知の要件が故意又は未必の故意ということでありますので、これがやはり私は国際常識だと思いますけれども、いかがでしょうか。

○外口医政局長  例えば実際にあった例で申し上げれば、抗がん剤の量を間違えて、それも週と一日というのを読み間違えてかなり多く打ってしまい、それからその後出てくる副作用にも気が付かずに漫然と経過を見て、それで患者さん亡くなってしまったと、そういう事例あるわけでございますけれども、これ故意ではないんですけれども、やはりこれは著しく標準的な医療を逸脱している、また重大な過失のある事例ではないかと思っております。

○石井みどり  あえてそういう例をお挙げになるんですけれども、現実に医療事故の裁判で裁かれているものは、脳卒中のときのマンニトールの投与等、これ非常に専門性が高くて経験が有してなくていけない、それでもまさに過失があったというような、本当に結果から追及されているわけですね。ですから、やはり私としては、重大な過失というところだけを取り上げる必要であるんではないかという気がしています。
 もうどうしてもこれは水掛け論になるかと思いますけれども、このことによって、実は大臣が御答弁の中で、訴訟リスクということも一つ挙げられました。例の大野病院事件以来ですね。ただ、訴訟が嫌なんではないんですね。もちろん不当な訴訟を起こされるというのも嫌ですけれども、もちろん。ただ、何が問題かというと、やはり先ほどもお答えの中にありましたけれども、どうしても医療の中には必然的なリスクというのを内在しています。その医療の本質を理解していない、どうしても刑事当局というのは非常に理不尽で強権的な事件化をしてくる。それがその前の段階でこの委員会が通知をすることによってそういうことへつながるという、このことが嫌なんですね。これが医療崩壊の一因になっていくと。
 そして、一番この被害を受けるのは国民なんですね。もうくどくどとは申しません、時間もたったので。私としては、このことで立ち去り型サボタージュということにつながるとか言われていますけれども、過酷で危険な重労働している国民はほかにもたくさんいらっしゃるわけですね。ですから、このことで国民の共感を得ようと思っているわけではないんですね。医療システム不備が医療水準の低下につながって、そのことが医療の崩壊の方へつながっていく、結果的には国民が大変な被害を及ぼしてしまうということが問題だろうと思っています。これが萎縮医療や医療の高いリスクの分野から崩壊へつながらないように、是非そういう在り方をおつくりいただきたいと思います。
 では、介護保険について伺います。
 歯科保健・医療分野における介護保険の課題ということで少し伺います。
 平成18年度に介護予防という分野で口腔機能向上サービスが導入されましたけれども、非常に利用が低調であります。このことについて、予防重視型システ ムという転換が行われたんですけれども、その中の一つのサービスとして口腔機能向上サービスがあるわけですけれども、利用状況とか効果とかの検証は行っておられるんでしょうか。

○阿曽沼老健局長 お答えを申し上げます。
 先生御案内のように、平成18年度から予防給付がスタートいたしました。要支援者に対する予防給付の中で、運動、栄養、口腔衛生ということで、御指摘のように口腔機能の向上ということについても一つの重要な事項として柱で導入いたしました。
 この口腔機能の向上加算の算定の実績でございますが、現在のところ、介護予防の通所介護でいきますと月約七千件、それから介護予防の通所のリハビリテーションでまいりますと約1500件ということで、これは今年の2月の審査分の実態調査でございますけれども、残念ながらそんなに大きな数字ではないという状況でございます。
 この検証でございますが、現在、この口腔機能の向上サービスを含めまして、介護予防につきましては全体の効果を分析評価するために継続的評価分析等事業というのを実施をいたしております。本年度末までに取りまとめを行って、21年度以降の事業の実施に参考にするということで今検証作業を行っている途上でございます。

○石井みどり  これ、広島県歯科医師会が調査したところ、指定介護予防事業所のうち口腔機能向上サービスを実施している事業所というのは40.7%と半分にも満たないん ですね。第四期の介護保険事業計画に向けて今おっしゃったように検証を進められていると思うんですけれども、この原因というか、なぜ低調なのか、その要因というところをどのようにお考えでしょうか。

○阿曽沼老健局長 お答えを申し上げます。
 今お話にございましたように、事業者数によりまして全国的に見てみますと、受皿としては指定介護予防通所介護事業者数の中で33.8%、それから指定介護の予防通所リハ事業者数でいえば68%という、そういうことをやるという受皿はあるんですが、現実には、利用者のサイドから見ますと2.4%あるいは 1.4%という形でしかサービスが提供されていない面がございまして、率直に言って、運動機能の向上の加算と比べるとかなり利用の仕方が低調であるということは否めないというふうに思っております。
 今御指摘いただきましたその原因でございますけれども、これは私どもまだ研究途上ではございますが、市町村とか地域包括支援センターに対してアンケート調査を行いました。そういたしますと、口腔機能の向上サービスが伸びない要因としては、例えば人材の育成確保がなかなか難しい、それからなかなか実際に実施をする事業者の数が少ない、それから、これも事業者サイドの問題ではあるんですが、事業者の側になかなか認識あるいは理解が低い、それから手続、手順が面倒くさくて、報酬の割には非常に面倒くさいという指摘がなされております。
 したがいまして、私どもとしては平成20年度は今後21年度以降この対策をもう少し実のあるものにしていくためにどうすればいいかということで今検討しておりまして、その研究成果を踏まえて来年度以降の取組に反映させていきたいというふうに考えております。

○石井みどり  今、低調の理由を少しお述べいただいたんですが、歯科診療の中で虫歯、歯周病の治療というのは一般的な治療でありますが、この治療をしている方に対しては口腔機能向上サービスが利用できないということがあるのは御存じですよね、御存じですね。このことがやはり低調の理由の一つだと私は思うんですけれども、 歯科診療を受けている人がなぜ口腔機能向上サービスの介護報酬が算定できないのか、これはどういう趣旨によるのかお聞かせいただければと思います。

○阿曽沼老健局長  御指摘のように医療保険のサイドで歯科の治療を受けている、例えば虫歯の治療とか歯周病の治療とかあるいは入れ歯の作製とかかぶせものを作るとか、そういった形で歯科の医療を受けている場合には介護保険のそういう口腔機能の向上加算が取れない、これ制度上の医療保険と介護保険のいわゆるデマーケーション といいますか、給付の調整という形でそういう仕組みになっているというのが現行制度でございます。
 その点につきましては、今のようなことで、例えば本当に口腔機能加算の中で単に口腔内の衛生状態の管理をされるようなものであれば歯科の診療とオーバーラップする部分があろうかと思いますけれども、それ以外の部分もあるということであれば、その辺について更に工夫は要るのかなという感じはいたしております。

○石井みどり  診療報酬上の指導料に当たるというふうな考え方なのかなという気もするんですけれども、ただ、そうだとすると、今制度上の違いだということだったんですけれども、そうすると、口腔機能向上サービスというのは医療の範疇に入るんですか。本来、予防重視型介護保険のサービスというのはまさに加齢や廃用による生 活機能の低下であったはずなんですね。虫歯、歯周病の疾病を前提とする医療とは全く根本的に別のものだと思うんですけれども、その辺りをどうお考えでしょうか。

○阿曽沼老健局長 お答えを申し上げます。
 全く別のものかと言われると、なかなか大変難しいところがあろうと思います。口腔内の衛生状態の管理という部分については、ある意味では歯科の疾患の管理料とオーバーラップする部分があろうかと思いますが、ただ口腔機能向上加算のサービスすべてが歯科の医療に入るのかというと、それはそういうわけでもないだろうというふうに思っております。

○石井みどり いや、そうであれば少し私は矛盾しているんではないかというふうに思うんですけれども。
 例えば、その口腔機能向上サービスより先に虫歯や歯周病があるんであれば治療を優先すべきだという考え方もあろうかと思うんですけれども、確かにそういう疾病が原因でそしゃく機能あるいは嚥下機能に障害がある場合はそういう治療が前提になる、不可欠だとは思うんですけれども。しかし、先ほど申し上げたように、口腔機能向上サービスというのは、まあ予防重視型であって、生活機能に対して更にそれを低下させない、生活機能をより活性化させるというところでの サービスのはずであったものが、なぜ、ここの口腔機能向上サービスだけでは口腔機能の向上は望めないわけですね、治療とは別物のはずなのに、どうしても重なる部分もあるけれども別のものだというお答えですので、ちょっと私としては、このことがやはり非常に口腔機能向上サービスの利用が伸びない一因であろう というふうに私としては思っています。
 もちろん、歯科の疾患というのは非常に疾病管理というのが重要ですので、また予防と治療、そしてリハビリ、機能向上というのは同時並行に行われるものですので、ここをきちんと判断していただかないと、医療と介護の役割分担を明確化するということと治療を、サービスの実施を制限することとは違うんではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○阿曽沼老健局長 お答えを申し上げます。
 口腔機能向上サービスが伸びない原因の一つとして、石井先生はそういう医療保険との整合性で治療と予防の部分のオーバーラップの部分があるんじゃないかという御指摘ですけれども、確かにそういう給付調整の問題が一つの課題であるということは私ども事実だろうと思います。
 したがって、この部分というのは大変デリケートな話でございますので、これ口腔予防サービス、口腔機能向上サービスについては、ほかにも今の介護報酬上の問題、まあアクティビティー加算との整合性をどう考えるかとか、あるいは事業者の受ける事務量の問題をどう考えるとか、ほかの要因もございますけれども、今御指摘いただいた点については、医療保険と介護保険の関連するサービスの予防と治療の給付サービスをどう調整するかという問題でございますので、関係団体の意見も十分聴きながら必要なサービスが継続できる、確保できるという観点で今後検討していきたいというふうに思っております。

○石井みどり 是非御検討をお願いしたいと存じます。
 というのも、このことが、ケアマネジメントの際に必ず歯科について受診しているかどうかということを聞くわけですね。そうすると、ここでまずもうケアプランに反映されなくなってしまうんですね。治療を受けているということでもうケアプランに入らないという事態になってしまいます。そのことがやはりサービスの低下、利用が低調であるということだろうというふうに思います。
 虫歯やあるいは歯周病というのは非常に罹患率が高い、疾病としては非常にその有病率が高いわけですね。健康日本21の中でもかかりつけ歯科医で定期的に歯科健診や歯石除去を受けるということを国民の方々に推奨しているわけですね。にもかかわらず、この時点で、ケアマネジメントの時点で歯科治療を受けていればサービスから除外されてしまう、ケアプランにも組み込まれないということが出てまいりますので、その辺りを是非御検討いただきたいと思います。
 一方で、じゃその介護報酬がないというだけでサービスを提供してはいけないという考え方もあろうかと思うんですけれども、しかし、やはり、もはや介護の分野においても、もちろん医療もそうですけれども、きちんと報酬ということをイニシアチブにしてやはり政策誘導するべきだろうというふうに思っています。 ボランティア精神に期待すべきではないというふうに思っております。
 また、もう一つサービスの利用が低調であるというところで先ほど人材のお話が、お答えがあったんですけれども、これに関しても、広島県歯科医師会が調査したところでは、歯科衛生士等の従事者の確保が困難であるというふうに多くの事業場が答えているんですけれども、非常に介護の現場においては介護スタッフですら離職率が高くて人材が不足しています。
 特にこの口腔機能向上サービスというのは、歯科の専門職がやるということは大変意味があるわけでして、もちろんこのときは介護職あるいはSTとかそういう方々がやってもいい、また本来口腔ケアというのはどなたでもやるべきことですけれども、さらに専門家がやるというところに意義があるわけですけれども、 非常に歯科衛生士あるいはスタッフの確保というところが非常に皆さんお困りになっていらっしゃる。その現状をどのようにお考えになって分析をされているの か、お聞かせをいただければと思います。

○阿曽沼老健局長 お答えを申し上げます。
 口腔機能の向上をするサービスというのは、実は高齢者介護にとっては、私は極めて重要だというふうに思っております。したがって、私ども厚生労働省としても、予防給付の中でも残念ながら今まだ口腔サービスの部分はかなり低調でございますけれども、とにかくこれから力を入れて伸ばしていかなきゃいけないというふうに思っております。
 それで、御指摘いただきましたように、口腔機能サービスというのは、嚥下の問題とか日常生活のケアの問題とか、そういう意味で、専門的知識、技術を兼ね備えております歯科衛生士さんだけではなくて、言語聴覚士の方とかあるいは看護師の方も現実には口腔機能向上のサービスの提供に参画をしていただいているという現実であります。
 今御指摘の人材の確保の問題ですけれども、事業者について言えば、受皿としては半数近くあるところもあるわけですけれども、現実に進んでいないということで、そういう意味では歯科衛生士をもう少し強制的に配置をするとか、そういう仕組みにしたらどうかという議論もございますが、逆に今度は歯科衛生士さんが例えば歯医者さんの方からこちらに移動した場合に本当にうまくいくのかというようなこともございまして、ただ、結論から申し上げますと、この口腔機能の 向上に極めて重要な役割を果たしている歯科衛生士さんの関与というのはいずれにしても大切なことだと思っておりますので、その関与、機能の確保というのを どういうふうにこれからしていくか、適切に検討していきたいと思っております。

○石井みどり 是非、切実にお感じいただいて、効果的な方策を取っていただければと思います。
 御存じのように、平成17年に歯科衛生士学校養成所の指定規則の改正によって歯科衛生士の修業年限が3年以上に引き上げられました。今や歯科衛生士という専門職は、口腔機能向上だけじゃなく、食育、育児支援、あるいは防炎教育といったような、幅広く、本当にヘルスプロモーションの部分にまで従事できるというその歯科衛生士の使命と業務というのはやはり拡大をしてまいりましたので、期待される歯科衛生士というのはやはり知識もスキルも大変高いもの、高度なものが求められているわけであります。今、四大化(四年制大学化)しているところも既に全国に5校ございますので、こういう高度で専門的なスキル、知識を持った歯科衛生士を十分活用していただきたい、その役割を発揮させることを是非お取組いただければと思います。
 続いて、療養病床の再編についてお伺いしたいと存じます。
 本委員会でも小池委員が御指摘をされたんですが、中央公論の3月号に村上正泰さんという方の論文といいますか、載っておりまして、その週の週刊東洋経済ですか、私も読ませていただいたんですが、「このままでは医療・介護難民が発生する」、サブタイトルが「療養病床23万床削減の舞台裏」、本当にこうだったのかなともう愕然といたしました。もうこんなことで国民の大事な介護を預かる政策が決められているのか、半信半疑で読ませていただいたんですが、今回の療養病床の再編というのは、目的は不要な社会的入院の是正であったはずだというふうに認識をしておりますが、まず、介護療養病床が果たしてきた役割と いうのをお教えいただけますか。

○阿曽沼老健局長 お答えを申し上げます。
 療養病床につきましては、かなり長い歴史のある委員御案内のように問題でございまして、老人保健法の制定あるいは特例許可老人病棟の実施以降、介護力強 化病院でありますとか療養型病床群制度、それがさらに最終的に、平成13年に医療法が改正されて療養病床という形に位置付けられたわけです。
 長期にわたる療養を必要とする患者のための療養病床でございますが、これは平成12年の介護保険の創設のときに、医療保険から給付を受けるものを医療療 養病床に整理をし、介護保険から給付を受けるものを介護療養病床に機能分担をするという形で整理をいたしました。そのときの考え方は、介護療養病床につき ましては介護を中心に医療を併せて提供すると、そういうふうな施設として位置付けられたものと承知をいたしております。

○石井みどり 平成12年の介護保険の制定のときに、その定義に従って重度の要介護者の方のための医療施設として大きな役割を果たしてきたというふうに思っております。
 本日資料で出させていただきました資料1、ここで、やはり要介護度そして認知症に関しても、他の介護保険3施設のうちの、やはり明らかに重度であって、 そして寝たきりであったりあるいは認知症も進行していたりとか、そのどれを取っても非常に、大変そういう御苦労を抱えた高齢者の方々にとってのまさに役割を果たしてきたわけですね。ここで終末期の医療ケアが行われたり、ここで、御覧いただけば2枚目のところにも看取りも出ておりますが、療養病床ではもう看取るというのが大変高い割合でありますし、老人保健施設や特養と比べると非常に施設で人生を全うされる方も多いわけですね。そういう終末期の医療ケアも行ってきた。あるいは、治療やリハビリを行うことによって生活機能を維持したり低下させないということもしてきた。そして、何よりも急性期の病院や病床の患者さんの大きな受皿であった。私も自分の母が急変したとき、増悪したときに、病院、一般病院ですけれども、入れたら、2週間たったらもうすぐ出てください、もう次を探してくださいと言われるんですね。本当にそういう状況であります。
 そしてまた、例えば医療機関以外で受け入れられないような方々をも受け入れてきた。そして、もうこれ以上在宅では介護できない、そういう方々をも、高度の認知症であったり寝たきりであったりしても受け入れてきたという、大変大きな役割をしてきたというふうに思っているんですが、なぜ全廃するんでしょうか。

○阿曽沼老健局長  療養病床につきましては、先ほど申し上げたような、基本的に医療の非常に必要な方については医療の療養病床でと、介護の必要な方については介護の療養病床 でということで、実際平成17年度に今この二つの療養病床に入床されている方の入院の実態を調査をいたしましたところ、必ずしも両者の役割分担が明確では ないということが分かったわけでございます。
 したがいまして、平成18年の医療制度改革におきまして、施設の機能分化を図って、高齢者の方々の状態に応じて適切なサービスを提供していくと、そういう考え方からいたしますと、医療の必要性の高い方たちについては引き続き医療療養病床、これは当然医療保険の適用になるわけでございますけれども、そういう形で対応する、しかし必ずしも、医療の必要性の相対的に低い方々については医療療養病床から転換した老人保健施設などで対応するというふうに考えたところでございます。
 したがいまして、これまで介護の療養病床が果たしてきた機能につきましては、先般ずっと御議論いただきましたけれども、介護療養型の老健施設などの転換先の受皿を用意いたしまして、そういう中で十分処遇をしていきたいというふうに考えているところでございます。

○石井みどり  機能を分けたということですけれども、決して、医療の必要度が低いという今言い方でしたけれども、直接医療提供の頻度がないというのは、医師の指示が少ないという設問に対して頻度が少ないというような、そういうところからのこの振り分けだというふうに私は認識をしているんですけれども、高齢者の方は、大臣はよく御存じですけれども、非常に急変しやすい、医療区分1から2、3、もう行ったり来たりですね。そのことでじゃ医療が不要だと判断するのは、私は少しおかしいんではないかというふうに思っています。
 むしろ、今受皿の話が出ましたが、果たして本当にこの受皿が、国民の方々がちゃんとこのことはよく御覧になっています。ただ、まだこのことが広く知られていませんから、私が心配するのは、広く知られたらまたぞろ後期高齢者医療制度の二の舞で、本当に皆さん方がまた責められることへつながると私は懸念して おります。本当に医療難民、介護難民という形で出てきてしまう、そういう気がしてなりませんが。
 では、これは先ほど、社会的入院の是正であったはずだというふうに冒頭申し上げたんですが、それと医療費適正化というところがもう一つのキーだろうと思うんですけれども、この療養病床を削減することで医療費は減少するとお考えなんでしょうか。

○水田保険局長  療養病床の再編成に伴って医療費は減少するのかということでございますけれども、これは先ほど老健局長から話がありましたとおり、医療と介護の機能分担を 図るということでございまして、医療の必要性の低い患者のニーズを介護保険施設等で受け止めることによりまして、結果として医療費が、医療給付費が減少するものでございます。
 医療の必要性が低いと申し上げましたけれども、これは必ずしも医師のサービスと看護師さんのサービス、これは様々、医療と一言で言ってもあるわけであり まして、むしろ看護師さんのサービスが必要な方、必ずしも医師のサービスが必要でない方、こういう区分で見ますと、今申し上げましたような整理ができるんじゃないかと考えております。
 減少効果がどう出るのかということでございますけれども、これにつきましては、今後、各都道府県の医療費適正化計画におきます療養病床の目標数が明らかとなり、かつ全国ベースの目標数が定まった時点で推計を行いたいと考えております。

○石井みどり  厚生労働省の試算では、差引き3000億円ぐらいは浮くという計算ですけれども、ただ、今本当に、随分この転換の老健ですか、これの、5月からですね、今年の、から平成23年までということですけれども、本当に国民の方々は非常に、うちのおじいちゃん、おばあちゃんはどこに行ったらいいんだろうという不安におびえておられるわけですね。国民の方々を不安に陥れて、そしてなおかつ、本当に3000億円削減効果が出ればいいんですが、どうもいただいた資料を見ていますと、そんなに削減できないんじゃないか。なぜなら、今医師の数とか、医師がいなくても看護職でいけるんじゃないかとかということをお答えになりました けれども、一人プラスアルファということで365日24時間対応できるとお考えでしょうか。少なくとも医療型の方は3人ですね。全く休みを取らない で働けというんなら一人でいいかも分かりませんが、そんなばかな話があるはずもないです。
 それから、看護、介護職に至っては、後ほど大臣にお伺いしますが、今本当に介護現場で人材がいない、非常に皆さんお困りになっている。看護職もそうであります。それをこれだけ配置しているからいいんだということでありますが、しかし、ここに入る方々は、医療の必要度が低いというような言い方をされましたけれども、しかし介護度も重い、認知症も重い、非常にはっきり言って手の掛かる方々なんですね。
 そういう方々が、むしろ介護の現場では施設基準よりも更に多く、スタッフの疲弊度が大きいから、むしろその基準よりも多く配置してあるのが現状なんですね。ほとんどのところが、95%がそういうふうに非常に手厚いスタッフを置いている。それで、今回、医師が一人プラスアルファぐらいで医療の必要がないから十分なんだという。しかし、そうすると、まさに増悪したとき、あるいは急変時に、それこそ救急車呼んで、こういうところはすぐよそへ持っていくわけですね。老健がまさにそうですね。
 そうすると、私は、先ほど申し上げたように、思った以上に削減効果はないんじゃないでしょうか。また、一般病院に転院したりということもあるわけですから、これは十分精査してみないと、果たして本当に減少の効果があるのかどうか、極めて不明だと思いますが、いかがでしょうか。

○水田保険局長  どのくらい医療費が削減されるかということを主題として申されておりますけれども、私ども、別にこれは医療費の削減そのものを目的としてやっているわけではございません。あくまでも、その患者さんの状態に応じた過不足のないサービスが提供されることによって現在の慢性期の治療現場の効率性がより高まるものと、このように考えております。
 したがって、金目で判断するだけでなくて、例えば医療の必要性の低い方々につきまして、患者さん百人当たり3人の医師が配置されていると。それが一人プラスアルファということで対応可能であるならば、まさに医師という社会資源の適正配分の観点からもこれは必要なわけでありまして、そういった全体の適正化の、医療費に限らず、医療資源も含めました適正化という意味でこれは追求していくべき課題だと考えております。

○石井みどり  医療資源の適正化ということであれば、本当にこういうスタッフがきちんと確保できてということであれば、この介護報酬の評価でそれが確保できるんでしょうか。今、それが難しいからこそ様々問題になっているというふうに思います。いずれは既存の老健と変わらなくなってくるという、そのときに、やっぱり失敗だったというわけにはいかないと思うんですけれども、まだ、これは自民党の中ででも十分議論をして、本当にこの受皿でいいのかどうか、私は議論を尽くしていくべきだというふうに思っています。
 大臣の方、ちょっと、済みません、通告しておりませんが、お聞かせいただければと思います。

○舛添厚労相 介護労働者、特にその介護に従事する人材を確保するというのは非常に重要ですから、それで、私も、これは処遇をきちんと見直さないといけないということを申し上げております。
 それから、先ほど来議論になっています介護療養型老人保健施設にしても、看取りの場であるとか増悪時の対応とか、いろんないい点もあるわけですから、この転換した受皿として、今はこれは十分機能はまだ果たせる段階に来ていない可能性があります。しかし、これは、その元々求められた機能を十分生かすべく、 きちんとそこに人も付けてやる必要があるというふうに考えておりますので、来年四月のこの報酬改定時にきちんと対応したいと思っております。

○石井みどり 是非、大臣に御期待を申し上げたいと思います。
 それでは、今の介護サービスの従事者の確保ということで、これは午前中の津田委員からも出た御質問ですが、EPAで、今日資料でお出しをしておりますが、インドネシアから介護士、看護師を受け入れると。フィリピンの方はまだフィリピンの国内法のところで実現をしていないけれども、最初にインドネシアから受け入れるということで、EPAで受け入れるのは、まだかなりいろいろな制約というか、きちんとした仕組みがあるのでいいんですが、実は、経済財政諮問会議の議論の中で、国際的人材強化ということで、非常に外国人労働者を受け入れる、緩和しろというような、そういう御議論があったように受け止めているんですが、私はやはり、今の日本の介護労働者の報酬ではまさに日本人が働かないからこそ、経済格差があるからインドネシアとかフィリピンから来た人ならば喜んで働くだろうというように経済界がおっしゃっているような気がしてならないんですね。そうではないはずなんですね。
 非常に介護というのは、だれでもできるわけではない。技術の継承とかノウハウとか、そして何よりも、同じ文化、風土を持ったところで育った人たちが、大きく高齢になって機能が衰えて、あるいは病を得た人を受け止めるというところが大事なわけでありますので、決して私はインドネシアの方やフィリピンの方々をおとしめるわけではありませんが、まず日本で日本の介護職がきちんと育成されて、介護技術というものが伝承されて、そういう仕組みをつくることの方が優先なんではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○舛添厚労相  人、物、金が国際化してグローバライゼーションが起こる、そういう中で、日本にとって異質な要素、人であれ、物であれ、文化であれ、そういうものが入ってきて門戸を開放するということは一般的に悪いことではありません。しかしながら、人の移動ということについて言うと、いわゆる外国人労働者の問題、これはヨーロッパがずっと戦後悩んできた問題で、私はそれの研究をやっていましたから、今、第3世代にまで来ています、2世、3世。そういう中で、例えば本人に とってアイデンティティーの問題があります。トルコ人なのか、ドイツ人なのか。そういうことまで含めて広範な議論をする必要はありますし、まさに人のサー ビスですから、例えばその介護が必要な方と同じ方言がしゃべれるかどうかだけでも全然違うんですね。それぐらいにコミュニケーションが大事なわけですか ら、日本語の習得ということも要件にしております。
 ともすれば、経済界で、安かろう悪かろう、人材が確保できない、ですから安いものを外から持ってくればいいと、そういう安易な議論に走っては私はいけな いと思いますし、お受けしたインドネシアの方にとっても不幸になります。そして、じゃ日本に人が足りないかというと、女性、高齢者、まだまだ働ける方々は たくさんおります。
 そういうことを総合的に議論をして、そして介護の現場で働く日本人の人材の処遇がまさに津田弥太郎委員がおっしゃったように引き下げられるというような 結果をもたらすようなことは避けないといけないと思いますので、きちんとそういう議論をした上でしかるべき対応を取って対応するということが必要だと思っております。

○石井みどり  もう時間も限られましたので、資料で出させていただいております。これは以前も出たかと思いますが、資料の5の方で、財政制度等審議会でいきなりこんなものが出されてしまった。承るところ、大臣も御存じなかったと。今までの議論を聞かれて、今日は局次長がお答えくださるそうですが、全く介護の現場を知らないとしか言いようがない。こんなものがぽんと出てきて、まさに国民の方々は本当に不安にさいなまれるわけですね。お年寄りにとっては非常に酷な、試算を出しただけだと言っても、本当にこういう、いつもいつもこういう情報の出し方されるんですね。それでアドバルーンを上げて探るというような。本当に私にとっては国民の方々は何と思っているのかというふうに思えてならないんですが。
 ましてや、介護保険の給付限度額使っている方なんかほとんどないんですね。皆さん本当に、先ほどの質問では、限度額までをプランに入れないというお話もあります。そうではなくて、使いたくても利用料一割を払えないから、非常に限度額、プランがあっても、要らないという方が多いのが実態なんですね。にもかかわらずこういう報道がされる。本当に怒りを覚えます。いたずらに国民に不安を与えるだけだと思うんですけれども、財務省いかがですか。

○真砂財務省主計局次長  先生の資料の5の機械的試算についてのお尋ねでございますが、これは先週私ども財政制度審議会に提出した試算でございます。当委員会でも一度答弁させていただきましたけれども、あくまでも審議会での議論の参考となるように機械的な試算を行ったものでございまして、財務省として具体的にどうするというような 提案をした性格のものではございません。
 それで、どうしてこういう資料を出したかという点でございますけれども、財政制度審議会では有識者からのヒアリングも行っておりまして、一部の有識者から軽度者への給付についての問題提起がなされたということもございました。それからまた、我が国と同様に社会保険方式で介護サービスを行っておりますドイツにおきましては、いろいろ制度違いますけれども、軽度者は給付の対象となっていないという点もございまして、軽度者に対する介護給付の見直しについて機械的な試算ということで財政制度審議会に提出させていただいたものでございます。

○石井みどり  もう時間がありませんので、財務省のお答えとしては当然そうなると思いますが、是非、舛添厚生労働大臣、財政制度諮問会議辺りで非常に民間議員から責めら れているような、そういうところがあるので、何としても国民の本当によって立つセーフティーネットであります社会保障のためにも、2200億のシーリング枠を外すということも含めて頑張っていただければと存じます。
 ありがとうございました。