2008.04.01

ODA特委 質疑全文(未定稿)

先日(3月28日)に開催された政府開発援助等に関する特別委員会での質疑全文(未定稿)となります。

原稿が確定しましたらPDFでもUPします。



政府開発援助等に関する特別委員会 2008年3月28日 11:00~

 

石井みどり 自由民主党・無所属の会の石井みどりでございます。
 高村外務大臣、連日の激務が続く中で御奮闘の日々でございます。まずそのことに心からの敬意を表したいと存じます。
 本年は五月のTICAD
また七月の洞爺湖サミットと、開発問題が議題となる国際会議が我が国で続きます。
 20年度の一般会計ODA予算は7200億円と、12年度予算以降、9年連続の減少となっております。世界的に見ても、2000年に1位であったODA事業量は2006年に米英に続いて3位となりました。また、2010年にはドイツ、フランス、イタリアにまで抜かれ6位になるとの予想もあります。
 我が国は、軍事的にでなくODAを主要な外交手段としてきた経緯がございますが、国際的な発言力低下が懸念されております。特に、福田総理が議長となる このTICAD
、これに関してでございますが、低下傾向にあるODA予算を反転させ、対アフリカ向けODAを拡充することが必要と思います。
 社会保障分野の削減は国民の目に見える形で影響を及ぼしておりますが、外交分野ではそれが大変見えにくい。ODAの減少による外交への具体的な影響、現在の予算規模の妥当性について大臣にお伺いしたいと存じます。

高村外務大臣  途上国の安定と発展のために協力していくことは、これは我が国自身にとっても利益になり、我が国の外交政策において重要な課題であります。また、我が国は ODAを通じ国際社会の平和と発展に貢献することにより、国際的な評価や信頼、国際社会における発言力を高めてきたという経緯もあるわけでございます。
 他方、一般会計のODA予算は過去11年で4割減という厳しい状況にあります。ODAを効果的に実施するため、質の改善に引き続き努めてまいりますけれども、国際社会の諸課題を解決し、国際社会における発言力を高めるためにODAの一層の解決が不可欠であります。質の改善だけでは補い切れないところがあるということでございます。
 本年、我が国は、G8北海道洞爺湖サミットや第4回アフリカ開発会議、TICAD
を主催します。これも踏まえて、2005年から2009年の5年間でODA事業量を百億ドル積み増すという国際公約を着実に達成するということも念頭に置きながら、引き続き必要なODA予算の確保に向けて取り組んでいきたいと考えているところでございます。

石井みどり 本年は洞爺湖サミットもあり、環境問題に関心と注目が集まっています。
 本年2月のダボス会議では、福田総理が、今大臣がおっしゃったように、今後5年間で100億ドル程度の新たな資金メカニズムを構築するクールアース・パート ナーシップ構想を表明されました。これは、温室効果ガスの排出削減と経済成長を両立させ、気候の安定化に貢献しようとする途上国支援でありますが、インドを訪問した後でその意義は大変高くなったというふうに思っております。
 一方、財政状況も厳しく、ODA予算も年々減少する中で、実現に向けてはその意義、目的を明らかにして国民の大きな理解を得ていく必要があると思います。この国際公約の意義とその実現に向けた今後の方向性、20年度予算での措置状況について、大臣にお伺いしたいと存じます。

高村外務大臣  福田総理は、本年1月のダボス会議におきまして、地球温暖化問題への対応としてクールアース推進構想を表明し、その中で、排出削減と経済成長を両立させ、 気候の安定化に貢献しようとする途上国への支援として100億ドル規模の資金メカニズムによるクールアース・パートナーシップを構築する旨発表したわけであります。これによって、途上国との政策協議を得て、省エネ努力などの途上国の排出削減への取組に積極的に協力するとともに、気候変動で深刻な被害を受ける途上国に対して支援の手を差し伸べてまいりたいと思います。
 既に我が国は、インドネシアを始め数か国との間でこのクールアース・パートナーシップを推進中であります。今後も、他の途上国に対し積極的に支援を行っていくことによりまして、2013年以降の実効性ある枠組み構築へ向けた交渉を促進していきたいと考えております。
 このクールアース・パートナーシップでありますが、今後5年間にわたる気候変動対策に関する途上国支援の枠組みであり、ODAやそれ以外の公的資金による様々な措置が含まれているんです。ODA100億ドル積み増すというのとこのクールアース・パートナーシップ100億ドルというのは必ずしも同じものではないわけでありますが、平成20年度のODA予算においては、例えば環境プログラム無償の新設やJICA交付金の政策増の手当てをしており、さらに円借款等も活用して支援を実施していく予定でございます。

石井みどり  ODAを通した地球温暖化対策に関しては、本年2月にインドに行かせていただきましたけれども、デリーで視察しましたデリーメトロ、これで導入されました電力回生ブレーキシステムという我が国の技術が、クリーン開発メカニズム、CDM事業として登録されましたが、これは大変注目されると思います。これは我が国の技術が地球温暖化問題に貢献できることを示した具体的な事例であると思います。今後とも、ODA事業の実施に当たっては、こうした我が国の技術が活用されるべきと思います。
 ただし、円借款事業についてはアンタイドということが原則でありますので、我が国の技術を用いることができるとは限りません。現に、デリーメトロでも車両は外国製のものでありました。環境面で効果が期待される案件などについては、我が国の技術を積極的に活用すべき場合もあると考えられます。
 環境問題への我が国の技術力を通した貢献の可能性あるいはまたODA事業での積極活用について、大臣の御見解を伺いたいと存じます。

高村外務大臣 ODAを通じた地球温暖化対策につきましては、2002年に策定した、持続可能な開発のための環境保全イニシアティブにおいて、我が国の経験と科学技術の活用を基本方針の一つに掲げて取り組んできているところでございます。
 具体的には、我が国の省エネに関する知識や技術を活用し、例えばエネルギー分野の政策、制度支援その他の技術協力、老朽化した発電所の改修、風力発電所の建設を通じた再生可能エネルギーの推進などの支援を行っております。このような取組を進めることは、開発途上国における持続可能な開発の実現を通じて国際社会の発展に貢献し、地球温暖化問題の解決にも資するものであります。
 今後も我が国が有する優れた技術や知見等を活用しつつ、先般発表したクールアース・パートナーシップを推進していく考えであります。
 インドの地下鉄の話でありますが、これはCDMとして認められたわけでありますが、今世界でCDMとして認められたのは二つしかないんですが、その二つとも日本の援助でございます。

石井みどり さて、ODA予算が減少される中で、開発途上国の課題の克服を支援するとともに、相手国において我が国の一定のプレゼンスを保つためにも、ODAが量から質、クオンティティーからクオリティーへの転換が求められています。
 インドとネパールにおいて医療機関も視察いたしましたが、歯科医師として、オーラルペディアトリクスが専門でございましたが、医療従事者として働いてきた観点から見ますと、非常に衛生面というところでも課題が残されておりました。手術室で使用される機器等も拝見いたしましたが、術前術後の周術期管理を含めた感染症対策等について相当な課題があり、今後相当な努力が求められるというふうに感じました。
 これまで医療機会の我が国のODAは、機材の供与などハード面が中心でありましたが、今後は人材交流などを通した我が国の経験、特に成功体験ですね、あるいは知識の伝承といったソフト面での支援が大変重要となってまいります。途上国は、しかしながら一足飛びに我が国の今の高い水準そして高度先進医療の機器といったものを求めるという傾向がありますけれども、それはもう形だけで、中身が伴わなければ意味がありません。そういう機器も使いこなして初めて有効になるわけであります。
 こうした指摘は保健衛生分野だけに限らず、様々な分野にも妥当するのではないかと思います。ODA予算は13府省が所管しており、例えば厚生労働省所管 のODA予算は93億円、一般会計でありますが、外務省はこうした専門知識を有する省庁とも連携して事業を行う必要があると思います。ソフト面での重視、各府省との連携に関する現在の取組状況について大臣にお伺いしたいと存じます。

小池外務大臣政務官  御指摘ございましたように、このODAというのは13府省庁にまたがっておる、御指摘のとおりでございます。そして、その間の連携それから人材のお話がございました。外務省、JICAは途上国に対しまして政府間ベースの技術協力を行っておりますが、その分野は御指摘の保健とか医療とか農林水産とか環境とか 鉱工業とか多岐にわたっておりまして、それぞれの分野において専門性を有する各府省の専門的な知見を有効に活用していかなければならないと思っておりま す。
 例えば、お話がございました途上国から要望のある技術協力案件の審査の際に、保健とか医療とかいった分野であれば厚生労働省というように、専門性を有する府省の意見を聴取しているほか、実施に際しましても、当該府省庁の人材を専門家として途上国に派遣したり、研修講師としてお願いしたりしているところでございます。
 また、外務省以外の12府省庁が所管する技術協力予算につきましては技術協力連絡会議を開催しまして、各府省が、各省庁が実施する個別事業につきまして情報交換を行っておりまして、平成18年度当初からは各省庁の実施予定案件に関する情報を既にデータベース化いたしました。こうして得られた情報については関係在外公館とも共有して、我が国の援助方針とそごがないか確認しているところでございます。
 また、各省庁が実施したODA事業に関する評価結果についても、外務省は毎年、経済協力評価報告書として取りまとめておりまして、連携を十分に図ってまいっているところでございます。

石井みどり  草の根・人間の安全保障無償は原則として1000万円以下の小規模な事業でありますが、政府が手の届かない分野をカバーするNGO辺りですね、こういうところが担っていることが多いわけですけれども、本当に、直接貧困層に対しての裨益ができる大変重要なスキームであるというふうに思っております。そしてまた、 大使館や領事館が実施する事業に対しても、顔の見える援助としての効果も高く、先ほど藤末委員からもそういう御指摘があったかと思いますが、実際に今回、インド、ネパールで視察した複数の案件からも、大変現地で喜ばれ、本当に日本に対する感謝の思いを多く聞かせていただきました。今後一層推進されるべきだ というふうに思いました。
 しかしながら、近年の予算規模を見ますと、15年度に150億円だったものが20年度には100億円と30%以上減少しています。ODA予算全体の減少幅が15年度から20%程度であることと比べると、外務省がこのスキームを重視しないどころか軽視しているのではないかというふうにさえ思いました。外務省としての草の根・人間の安全保障無償の位置付け、20年度予算での規模の妥当性についてお伺いしたいと存じます。

高村外務大臣  草の根・人間の安全保障無償資金協力は、開発途上国における草の根レベルの社会経済開発プロジェクトを実施することを目的とし、NGOや地方公共団体を被 供与団体として実施される資金協力でありまして、原則、おっしゃるように1件当たりの上限を1000万円としていると。現場のニーズに適切に対応できる機動的 な支援と考えております。
 ODA予算の減少傾向が続く中で、平成20年度の草の根・人間の安全保障無償資金協力の予算については、今述べました本件協力の性格をも踏まえて前年度との同額の100億円を計上しております。その前が150億というのはおっしゃるとおりなんですけれども、20年度と19年度は100億円、同じ額を計上しているわけであります。今後とも草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じ、開発途上国における基礎生活分野を優先的に支援していく方針でございます。
 前は150億円じゃないかと、こうおっしゃる、そのとおりなんですけれども、その前ちょっと見ていただくと50億円ぐらいにとどまって、急速に伸ばしたものではある。ちょっと長い傾向で見ていただくと、これは、外務省がいかにこの草の根・人間の安全保障無償資金協力を重視しているかお分かりいただけると思います。ある一時期見ると150億から100億に減っていると、こういうことでありますが。
 ちなみに、予防外交・人間の安全保障議員連盟というのがありまして、それが一生懸命これを応援しておりますので、是非委員にもお入りいただければ大変有り難いと思います。

石井みどり ありがとうございます。
 なお、草の根無償の分野では外部委嘱員という非正規職員の方が非常に大きな役割を果たしておられることを今回の視察を通じて知りました。
 外部委嘱員の役割、そして現在の外部委嘱員の総数、20年度の予算額についてお教えいただきたいと存じます。

別所国際協力局長 お答え申し上げます。
 草の根無償外部委嘱員は、草の根の人間安全保障無償資金協力の実施に係る作業のうち支援対象部門に関して専門知識を必要とする業務、あるいは専門知識を有する方々に委嘱することによって、より一層効果的、効率的な援助が実施されて、供与資金の適正執行も確保し得ると判断される業務について補助的作業の委嘱を行っているところでございます。
 この委嘱員につきましては、在外公館内で補助的業務を行う館内業務型委嘱員と特定案件の調査を実施する特定案件型委嘱員がございますが、館内業務型委嘱員契約としては、平成19年度で日本人が116名、現地の方80名との間で契約実績がございます。また、平成20年度草の根無償外部委嘱員謝金予算は8億557万円を計上しております。

石井みどり ありがとうございます。
 ムンバイで出会いました外部委嘱員の女性の方ですが、NGOの一員としてアフリカで活動した経験もお持ちでした。そして、本当に各地の現場、実際の現場を御存じでありましたので、本当に有能に、大変感謝をされながら現地で働いておられました。意向としては将来的にもこういう開発分野に携わっていきたいということで、熱意だけでなく、知識も経験もある有能な方でありました。本当に被供与団体からも信頼されるなど、現地で一番大切な信頼、そして人間関係をおつくりでありましたので、まさにこういうことこそが我が国の顔、人間の顔が見えるという立派な仕事をされておられました。
 一方、この方のように開発分野のプロとして働いていきたいと願う人が今増えていますが、我が国ではキャリアパスは確立しておりません。諸外国のように人材が育成されないという問題も指摘されています。昨年6月本委員会が取りまとめた報告書でも、国際援助活動におけるキャリアパスの確立を提言されています。
 在外公館における外部委嘱員を、NGOや青年海外協力隊の経験者などのうち開発分野で仕事を続けたいと希望する人のキャリアパスの一つと位置付けて積極的に登用し、草の根などの事業を担ってもらうということは、我が国の人材育成という観点から高い効果が期待できると思われます。
 在外公館における外部委嘱員の積極的登用について大臣の御見解を伺いたいと存じます。
 これで質問を、お答えいただいて、終わらしていただきます。

高村外務大臣  委員がお会いになった方のようにすばらしい方はたくさん海外におられるんです。こうした方々が草の根無償外部委嘱員として途上国の草の根レベルの住民や現 地NGOとの間で緊密な関係を構築したり、途上国の援助需要を把握することにより国際協力の最前線で経験を積まれること、これは開発分野のキャリアパスに おいても有益なものであると、こう考えております。
 こういう観点も踏まえて、草の根無償外部委嘱員につき広く人材募集を行って、有能な方々が活躍できる場を提供していく考えでございます。